第497話 最強美女の本気Ⅱ
「ダメージを受けないのは本当に厄介ね」
「かたやデアはダメージ受けるもんな。早く降参したらどうだ?」
俺がそう挑発すると、デアは
今度は俺の行動を読まれていたらしい。俺が
俺は邪気の嵐に包まれた。ただでさえ邪気が多いこのアクティブスキルを、何発も同時に喰らってしまうと三日三晩寝ていないような疲労感が襲ってくる。それこそ、マカロフ卿に捕まり、スキルを発動できない状態で腕を落とされた後、部屋に閉じ込められてクロノス達が死んでいく幻覚を見せられたときのような疲労感だ。
「やってくれるじゃん」
俺がそう言って笑みを浮かべたが、ただの強がり的なところはある。デアをどうやって降参させるか――。と言うかもう満足したろ! 頼むから満足したと言ってくれ。
「倒せないというのはこれほど厄介だとは思わなかったわ」
デアも流石にMPを使いすぎたようでゼエゼエと息を切らしていた。それに
「これで終わりだな」
俺がそう言ったと同時にデアの逆鱗スキルは解除された。本当に
一時的ではあるが15,000という確実に
「凄いよナリユキ君――。戦闘値はデアの方が上なのに、
「何かあれだな。こう言ってしまって悪いが、保有スキルの希少度が高いから、戦闘値が離れていても、Z級という同じステージに立っているので互角に戦えている。言ってしまえばスキルに助けられている」
「しかし、そんな珍しいスキルを入手できるのもナリユキ様だからこそですね。ランベリオン口を慎みなさい」
何かアリシア怒ってるんだけど。でもまあランベリオンの言う通りだ。普通に考えれば戦闘値が離れすぎていたらボコボコにされるもん。
「なあデア。そろそろ終わりにしようか。疲れただろ?」
「まだよ。私は貴方を必ず倒すわ」
「まあそうなるよな」
まあ予想通りの回答だな。でも俺はここで最後の技に懸けたいのだ。今のMPでは
疲れている状態であれば判断力も鈍る。あとは俺が岩山や銃で攻撃して逃げたところを反応できないタイミングで決める。
「いくぞ」
俺がそう言って
「何だあれは?」
「わ――私もあんな銃知らないよ!?」
この銃そんなに広まってないらしいからな。ミクちゃんが知らなくても不思議ではない。
「覚悟しろよデア」
するとデアは凍り付いたような表情をしていた。
俺がこの銃を発射すると、ダダダダダという連続した音は一切なく、ビーという一つの機械音のような音がこの空間に鳴り響いた。メタルストームという名前の通り、鉄の嵐がデアに襲い掛かった。そしてパッシブスキル光速弾の影響で、この一発一発の弾丸は光の速さで発射される。勿論一発の弾丸の威力もパッシブスキルの効果で凄まじい事になっている。
故に――。デアは
「もうこうなる事は
俺はデアの背後を取り
「
デアが展開した魔法陣の陣内に入り、
「うわ――やべえ。もう無理だ」
体力もMPもほぼすっからかんでもう動けない――。
「久々に楽しい戦いができたわ。
「来てくれるのか?」
「ええ。これから宜しくねナリユキ」
デアがそう言って倒れている俺の方を向くため、首を左に傾けてきて俺の顔をじっと眺めてきた。
「宜しくな」
俺がそう言ったと同時に、ミクちゃん、ランベリオン、アリシアが歓喜の声を上げながら俺達の方へ近寄って来た。これでマーズベルにはZ級の戦力が三人。そして全員が転生者という妙な巡り合わせとなったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます