第472話 黒龍との死闘Ⅲ
俺と
今までに見せたことがない程強い
ガキン――。
そう金属音が俺の耳に響いたと同時に、俺の手の感触は
痛い――。苦しい――。けれどその感覚は
俺も同じだ。死にたくなる程の激痛――。しかし、
「動け! 俺の体!」
激痛で全く脳の指令を聞いてくれない俺の体。このスキルに関しては自分との戦いだ。アドレナリンがどれだけ分泌されていようが、この強力すぎるアクティブスキルはそれを遥かに凌駕する。
それもそうだ。このアクティブスキルは斬ったという結果のみを残す強力なスキル。
気合いを入れた大声を上げ続けた俺は、やっとの思いで次の攻撃に転ずる事ができた。
「もう一度喰らえ――!」
俺が繰り出したアクティブスキルは
瞬く間に、体から大量の血を流している
「ガッ……」
「どうだ……」
俺は思わずそう呟いた。そしてただならぬ達成感に満ち溢れていた。口角が緩んで仕方ない。
「ハハ……!」
これで終った――!
そう思った時だった。
心臓からにじんわりと広がる血。一体何が起きたのか分からなかった。
「俺様の……悪あがきだ。ナリユキ……」
そう俺の前で倒れこんでいる
「そうか……」
俺は理解した。ボロボロになった
「油断した……」
一瞬の油断が命運を懸けるとは言うがまさにこの事だったのか。
俺は意識が遠のき、視界が真っ暗になっていた。あの時と同じだ。全身が一気に冷えていく感覚。
俺はここで死ぬんだ――。
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