第457話 死の雨Ⅰ
《それは真なのかの!?》
「本当だ。俺は先に
《分かった》
《了解じゃ》
「じゃあな。できるだけ急いでくれ」
俺がそう言うと2人は「うん」と頷いてくれた。
「さあて」
俺は早速
「少し遅かったな。ナリユキ殿」
そう声をかけてきたのは先に到着していた
「ミクちゃんとアスモデウスさんに連絡していました」
「成程。タイミングとしては良かった。奴はまだ何もしていないからな」
「来ると思っていたぞ」
「ずっと見ていたのだろう?」
「それで? 何でアードルハイムを狙うんだ?」
「決まっているだろ。そろそろ破壊を行わないとイライラしてな」
「奴にアードルハイムを狙う理由を聞いても意味ないぞ。ナリユキ殿。破壊する事が全てだ。そこに理由などない」
「そういう事だ」
ニッと不気味に口角を吊り上げる
この場所は帝都より上空200mの地点。勿論眼下には大勢の人々がいる。
「何だあれは?」
「黒い龍?」
「お――恐ろしい! 何という巨大さじゃ!」
と、下は騒然としていた。勿論、アードルハイムも様々な人種や種族がいる国なので――。
「あれはもしかして黒龍じゃないのか――?」
「そんな馬鹿な! 大昔、
「それではあそこにいるのは
「何という事だ……」
一人の説明によって一気に絶望の淵へと叩き落とされたアードルハイムの国民達。
「騒がしいな」
そう言って不気味な笑みを浮かべた
「
そう言って放たれた直径10m程の黒い炎はマシンガンの如く地上へ降り注ぐ。俺達の事は敵としてみなしていないのだろうか?
「何度も同じ技を出させるな。
そう言って展開された水のドームは帝都を丸ごと包み込む超巨大な水の球だった。
「何っ!?」
無数の隕石のように降り注がれた
「随分と強くなっているようだな」
「余もZ級になっているからな。気付かなかったか?」
「それは面白い。ここに1人のZ級と、2頭のZ級がいるという事だな?」
「そういう事だ。先日戦った時とは、スキルの規模も威力も桁違いだ。油断していると火傷するぞ?」
「俺様が火傷とは笑わせてくれる。少しは楽しめそうだな」
俺はその言葉に違和感を覚えた。Z級2人を前にして怯むどころか、まだまだ余力を余しているような口調。俺達ではまだまだ敵わないという事か?
「分かっている。空中戦は不得意だろう? 援護射撃を頼む」
「了解です」
援護射撃と言っても俺ができるのは、
そう思っていると
「グアアアア――!?」
と、苦痛に歪んだ声をあげる
龍姿の
「貴様――!」
怒号を飛ばす
「なんて熱さだ――」
この黒炎は一体何度なのだろう――? 千度近くあるんじゃないか? と思えるほどの灼熱地獄だ。熱無効の効果が無効化されているのでコイツの炎をモロに感じる。多分あっちの世界だったら焼かれて死んでるな。異世界補正ってやつだ。
尻尾で吹き飛ばされた
「援護射撃? そんなもんコイツ相手に通じないだろ」
俺は
「喰らえ!
冥王ゾークの魂魄と、俺が所有していた剣のアクティブスキルが統合して出来た新たなアクティブスキル。まだ試し撃ちもした事がないこの技の威力は――?
直径約1km程の巨大な赤黒い斬撃――? なのか? ちょっと巨大すぎて自分でも吃驚なんだが、その斬撃が飛ぶスピードも異常な速さだった。天眼を持っている
「あれ? マジ?」
さらにそれだけでは無い。斬撃はそのまま貫通して帝都の外側にある連なる山脈を割ってしまった。
「これはやりすぎだな。どう考えても」
苦笑いしか出てこない。しかしまあ、
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