第398話 掘り出されたアイテムⅢ
「何だ。ナリユキ殿とミク殿か。余が渡した
「こんにちは
荷物を置き、
「
俺とミクちゃんがそう言うと
「それにしてもここ寒いですね。どこかの洞窟ですか?」
「そうだ。ナリユキ殿は一度来たことがあるな?」
「ええ」
そう。ここの奥を進んで行くと、
「この国の状況も少し変わってな。来てくれたのはタイミングが良い。ミク殿も見ておいて欲しいのだ」
「何をですか?」
「ついてくれば分かる」
「すぐに分かるさ」
俺がそう言うとあまり納得していない表情を浮かべながら、俺の後についていくるミクちゃん。
「
以前と同じ合言葉を
「ナリユキ君。凄い綺麗な所に連れて来られたけどここはどこ? それに石板に描かれているあの黒い龍は?」
「
俺が来た時と比べて明らかに黒い水晶体が増えている――これはつまりもう少しで
「そうなのだ。何故これほどまでに進行が早くなってしまったのか分からないが、あと半月もあれば復活してしまう。
「え? どういう事? もう復活しちゃうんですか?」
と、あたふたとするミクちゃん。俺としては前々から聞かされていた事だったけど、とうとう復活してしまうのか――という複雑な心境だった。
「急いで、
「うむ。そうなのだ。既に、各国の皆に
「そうすると、本当にタイミング良かったんですね」
「そういう事だ。で、その腕は
「そうです。色々と調査していたところ、敵のアジトから
「その話を
「そうです」
「確かに、マカロフ卿が現れてから出回り始めたオスプレイや手榴弾――自動追尾対空砲などとは訳が違うからな」
「まあ、それらはスキルがあれば破壊することができますからね。市場では高値なので、マカロフ卿が開発したアーティファクトを買える人は絞られておりますし」
「そうだな。中には小さい国の国家予算程の値段だったりするが、それは置いておいて、その
「そうなんですよ。様々な国と友好関係を築きたいと思っている私だからこそ、この
「いいだろう。
「それと
俺はそう言ってアルボス城で入手した26枚のカードを出した。勿論、
「このカードは、アルボス城と呼ばれている
俺はそう言って
「どれどれ」
そう言って
「ストーク・ディアン公爵に似ているのか?」
「はい」
「そうか――確かにヴァレンタインという貴族はいたぞ。隣国のディオール王国の貴族だ。しかし、数十年前にヴァレンタイン家は滅亡していたはずだが――」
「滅亡!?」
俺はそう大きな声をあげてしまった。勿論、ミクちゃんと目を合わせたのは言うまでもない。
「そうだ。確か暗殺されたようだ。原因は分かっていないがな。これはあくまで余の仮説に過ぎないが、もしストーク・ディアン公爵がヴァレンタイン家の血を引いているのであれば、非常に稀な血を引いている事になる。それに身分を隠してカルカラに移住したと考えるのが妥当だろうな」
「稀な血というのはどういう事ですか?」
「条件を満たすことで時空間移動できる特殊能力だ」
その言葉を聞いてカルディアから聞いた話と全く同じだった。カルディアは言っていた。大聖堂にいたかと思えばいきなり森に移動していたと――まさかその特殊能力がヴァレンタイン家が持っている特殊能力なのだろうか?
「その話、もう少し聞かせて下さい」
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