第384話 真の実力Ⅲ
意識が
そして一番は、今の攻撃で
「何としてでも奴を食い止めるのだ!」
「カルディアばかりに任せてはおれん! 我の力を存分にぶつけてやる! 粉砕してくれるわ!」
スカーとカリブデウスがそう言って
「よせ――止めろ――」
そう声にしてみたが2人に俺の声は届かない。体は大声を出せるほどの余裕が無いみたいだ。
「クソ――このままだと犬死にするぞ」
実際、
「だ……大丈夫か……?」
そう声をかけてきたのはスカーは俺の右隣りに立った。
「あんな化物と戦っていたのか。よく腕を吹き飛ばしたものだ」
カリブデウスはそう言って俺の左隣に立つ。
「どうしてお前達――」
俺は重い体を起こして、全身血まみれの2人にそう問いかけた。
「どうしてって――拙僧の仲間だろう? 仮にもパーティーだ」
「腹は立つが同じ釜の飯を食っているからな。それにあんな化物と戦っていたのは、お前が強いという証明だ。実力を認めざるを得ない」
カリブデウスはそうらしくない回答をしてきた。
「いや俺は無力だよ……」
俺がそう言うと、カリブデウスとスカーは目を丸くさせて驚いていた。
「らしくないことを」
「事実だ。ここ最近負けてばかりだからな」
俺が息を切らしながらそう言うと、カリブデウスが俺を睨めつけてきた。そして――。
パン!
と、痛烈な痛みと衝撃が頬に感じた。カリブデウスに俺はビンタをされたようだ。
「弱音を吐くな! 目の前の敵に集中しろ! やれる事を全力でやり遂げるのだ! 我はいくぞ」
そう吐き捨ててカリブデウスは翼を広げて
「諦めるな。確かに
スカーが俺にそう俺を鼓舞した。確かに、前ならば使ったら暴走するし、
「拙僧も立ち向かうぞ。カリブデウスの護衛をせねば」
スカーはそう言って
「クソ――」
体が動かない。そう思っていた時の事だった。
カリブデウスが
「な……」
ここから見える光景はまさに絶望的だった。地面に横たわる2人の心臓の動きが止まっていた。
「今の攻撃だと2人は無事ではないだろうね。さあ君はどうする? 今の君じゃ残念ながら僕には勝てないよ。ものすごく楽しかったけどね」
レガトゥスの台詞と共に、
「俺は途中で戦う事を放棄した。次はどうするかを考えなかった。それが何よりの敗因だ。だから俺は全力で潰す!」
「仲間への弔いかい?」
「それもあるな。しかし、売った喧嘩で仲間を殺されてお前を恨む道理は無いと思っている。問題はお前という存在に勝つか負けるか。自分との戦いでもある」
すると、レガトゥスは口元が緩んだ。
「プライドの塊かと思えば案外素直なんだね。益々気に入ったよ」
「それはどうも」
自分への怒りが収まらず、気付けば体がまた軽くなっていた。魔眼の効力も少し回復している。顔に無かった紋様が、また広がっていく感覚もした。つまり俺はまた
「もう一度浴びせてやるよ。その
「やってみなよ」
レガトゥスが
俺はありったけのMPを手に集中させた。
「
俺は渾身の力を込めた
「何だこのとてつもないエネルギーは!?」
「消えろ」
俺がそう言うと
完全に倒れ込んだ
どうだ。やったか――?
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