第322話 アヌビスとRⅠ
「来い人間。その減らず口を叩いてやる」
「いいだろう」
いたっ! アヌビスの真後ろだ! 私が声を出そうとした時だった――。アヌビスは
「何だあれは!?」
「ビームサーベルね――」
「ビームサーベル!? どっかで聞いたことあるな――」
「どうせ漫画やアニメの話で聞いたことがあるんでしょ? こっちにビームサーベルなんて概念自体が無いはずよ」
「そうか――確かに無い」
アマミヤさんがいつの間にかナリユキ君みたいになっている――。ランベリオンと関わると皆ああなってしまうのだろうか――。
ビームサーベルを振るとブオン――というよく映画で聞く
「まんまじゃん」
「まんまですね」
アマミヤさんの後に私がそう言うと、ランベリオンとフーちゃんが首を傾げていた。
「ほう――余は手を抜いているわけではないのに、よく粘るな」
そう言ってアヌビスは不敵な笑みを浮かべていた。
「化物め――強化された私の力を難なく受け止めるとは」
「よそ見をしている暇ないぞ? 余には魔眼がある」
アヌビスがそう言って
ちょっと待って。ステータスを視たらそんな効果は無かったはず――。
「無駄だぞ。コイツの名前は
「ごめんありがとう!」
アヌビスは何年生きているんだろう――戦闘での考察力凄い。私も見習わないと。
「さて炎を消したところでこれは防げまい」
アヌビスが
「
アヌビスがそう言って
「おっと力が強すぎた。
声に出ない――何だこの出鱈目な強さ――。
「アヌビス強すぎない?」
「我とミユキ殿も手も足も出なかったのにな」
「あの魔物といい勝負していたんだよね、タテワキさん」
「らしいな。2人共化物だ」
「どうした? もっと余を楽しませてくれ。マーズベルの国主のナリユキ・タテワキはこんなもんじゃなかったぞ」
「おのれ怪物め!」
「ほう。気合いだけは十分のようだ」
アヌビスはそう言って落ちてくる
刹那――
「もしかしてあの技――」
「ナリユキ君がよく使う
「あんなスキルまで――いや、あれも
「いや、分からないな。もう何でもありだねあの武器」
「全てが
「確かに――」
私とランベリオンが吞気にそう話をしていると、
「あれは
アヌビスは空中で体勢を整えて、禍々しく邪気に満ちた黒い雷を纏っている赤いエネルギー波――
受け止めずに自分の周囲を光で包み込んだ。アヌビスの足元にある魔法陣が描かれている範囲が、光が包み込む範囲だ。あれは私やアリシアさんが得意とする
その
「天下の
「馬鹿いえ。あんなもんスキルリターンを使って、他の所に飛ばしたら瓦礫に埋もれてしまうだろ。最も上に飛んだらいいが、スキルリターンで飛ばせる方向はランダムだ。リスクの方が大きいとみたまでだ」
「ほう――
「配慮をしていておかしいか? まあ死んでも悲しいとは思わないが、協力関係にあるのでな。勿論、貴様の部下共はどうでもよい。何なら貴様との戦闘中に部下共の命を奪って余の
「……悪趣味な魔物だ」
「さあ来い。今度は貴様のスキルを見せてみろ」
「面白い」
アヌビスは口角を吊り上げて
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