第75話 一緒に入ってしまった

 ルミエールがバタンキューして俺とミクちゃんは部屋に戻ったのはいいのだが、俺はとある要望を凄く冷静に承諾してしまったことにより、とんでもない事になっている。


「えへへ。夢だったんですよね。こうやって男の人の背中を洗うの」


 そう。俺とミクちゃんは一緒にお風呂に入っている。俺が知っている漫画やアニメならタオルくらい巻いているであろう。しかし、ミクちゃんがタオルを巻くわけがない。当然真っ裸である。後ろを向けばミクちゃんの真っ白な肌の抜群のプロポーションを拝めるわけだ。


 しかし俺は仙人。無心にさえいればグラドルのようプロポーションと、アイドル顔負けのルックスでも男のアンテナが反応しないよう特殊な訓練を受けている。


「そうなのか。元カレとはこういうことやらなかったのか?」


「やりませんでしたね。だからずっと憧れだったんですよね」


「まあ、こういう何気ない時間もいいかもな」


「そうなんですよ。まさかナリユキさんがそう言ってくれるとは思いませんでした!」


 ワントーン上がった声がした。俯きながら喋っているが喜んでくれていることは確実だろう。


 そう思ったいたら、ミクちゃんの手が前にも伸びてきた。あれ? おかしい。俺が知っているラブコメはここで終わりの筈。


「ミクちゃんもしかして、前も洗ってくれるパターンのやつ?」


「え? 全身洗おうかなって思っていたんですけど。嫌でした?」


 ミクちゃんはそう言って顔を覗かせてきたので、後ろを振り向いた。もの凄く真面目な顔で良心で言っているのだろうなと思ったのでそのまま快諾した。


「じゃあこっち向いて下さい」


「え?」


 そこからはあまりにも刺激的だった。ミクちゃんの大きな胸と、桃色の先端も見えている。目のやり場に困るとはまさにこの事。動かす手は手伝ってもらっているみたいで、なんだか変な気持ちになる。


「DTには刺激強いな」


「て、割に別に元気になっていないじゃないですか。何か特殊な訓練受けていますか?」


「仙人になれる修行しているからな」


「どこぞの忍者漫画みたいですね」


「女の子なのに知っているんだな」


 まあ、そう言いつつ内心はソワソワしている。あまりにも刺激が強いので変な気を起こさないように必死だ。そう、目の前には裸があるだけ。裸があるだけ。そう言い聞かせていると、あっという間に洗い終わってシャワーで流してくれた。


 何か触られているとか変に意識をしていなければ案外いけるもんだ。ただ、屈みながら真剣に洗ってくれているのは実際にエロいというか、ただただ可愛いかった。


「よし完了。次はナリユキさんお願いします」


「え? まじ?」


「マジです」


「変な気を起こすから背中だけな」


「別に起こしてもお風呂ですし問題ないですよ」


「いや、女の子ムードとか色々あるだろ。俺だけが一方的に気持ち良くなっても意味無いんだよ」


「――そう言ってもらえるの嬉しいですね」


 ミクちゃんはそう言いながら照れていた。そんな変な事言ったか?


「じゃあ背中向けて」


「はい」


 次はミクちゃんに後ろを向いてもらい、背中だけを流すことにした。で、背中だけを流すと言っても変な気を起こす唯一の関門があった。 


 俺、うなじフェチだったの忘れていたわ。髪をヘアゴムで結っているので、当然うなじは見えてしまい妙に色っぽい。それにミクちゃんの身体が全体的に細い。何て言うか、後ろから抱きしめたい欲に駆り立てられるんだわ。


「熱くない?」


「大丈夫ですよ。ありがとうございます」


 シャワーを手に取り、ミクちゃんの背中を流した。後はミクちゃん1人で洗ってくれと言って俺は湯船に浸かった。


 湯船にしばらく浸かっていると、ミクちゃんも入って来た。俺の脚と脚の間にミクちゃんが入ってきて、互いに身体を密着させるという謎の状況だ。


 髪を洗ったばっかりいい匂いが鼻を刺激してくる。勿論、ミクちゃんの胸が俺の胸板に密着しているわけだから、悩バグを起こしそうだ。


「ナリユキさん、髪を下ろしているときも格好いいですよね」


 上目遣いで言ってくるミクちゃんはどこか、色気が半端じゃなった。表情が艶っぽい。


「そうか?」


「いつも髪を横に流しているじゃないですか? だから今のもいいなって」


「そうか。ありがとう」


「ずっと見ていたい」


「それは恥ずかしいから止めてくれ」


 そう言って目を反らすと、ミクちゃんの顔が近くまで来て唇に柔らかい感触が重なった。


 そらもう理性とかどうでもよくなるわ。


 昨日みたく、長いキスをしばらく続けていた。しばらくして離すと、ミクちゃんの表情は案の定艶っぽくて、少しばかり顔を紅潮させていた。一瞬風呂でのぼせたのかな? とかも思ったりもしたが。


「ちゅーすると急に暑くなりますね」


「まあ風呂に入っているからな」


 俺はそう言いながらミクちゃんの頭を撫でていた。


「なあミクちゃん」


「何ですか?」


「2人きりのときは別に敬語使わなくてもいいんだぞ」


「いいんですか? じゃあ、なりゆき君って呼んでも?」


「いいよ」


 すると、「なりゆき君、なりゆき君」と小声で言いながら連呼するなり、ふふっと照れていた。いや、どんだけ可愛いんだよアンタは。


「こういうまったりとした日をずっと続けていたい」


「そうだな。でもまあどんどん忙しくなるだろうし、定時で仕事終えるのは無理かもな」


「そうだね。でも他国は戦争が多いんでしょ? それに内乱もあるって聞くし」


「まあ、独裁者が多いからだろ? そりゃ不満が募るわ。よしそろそろ上がろう」


「はーい」


 そうして俺達はお風呂から上がった。女の子と一緒にお風呂入るなんて、夢にも思わなかったよな。いや、いいもんだ! ミクちゃんの胸めちゃくちゃ柔らかったし――。胸を押し当てられているとき、ミクちゃんの胸がひしゃげているのとか最高にエロかった。







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