第51話 建国Ⅲ
ここにいる魔物達はノア君が従えていたような魔物ばかりだった。だからあまり手ごたえがない。これほど簡単に倒せるとは思っていなかった。
「やっぱり戦闘経験があまり無いとキツイですね」
「でもこの武器凄いですよ! 近、中距離負ける気がしません」
少し手こずってはいるものの武器の感覚に慣れてきていた。ただ、少し気になるのは
突如、地鳴りが辺りに響き渡った。ズン――。ズン――。と重たい音が女性達を騒がせている。女性達っていうのもなんか嫌だよね。今思うと――。
で、その
「皆! ここから逃げて!」
「ただならぬパワーを森の奥から感じます。ミク様も一緒に!」
「私は大丈夫ですよ。少しくらいなら時間がありますので、食料を持って行って、ベリトさんたちのところに戻って下さい」
「は――はい! 皆者撤退だ!」
一人の
「誰だ。拙者の同胞を殺したのは」
森の奥から出てきたのは、何とも巨大な赤い目をした黒い狼型の魔物だった。体長は頭から尻尾の先まで20mくらいはありそう。頭には青い雷を帯びた強靭な角を生やしている。――何かゲームで見たことがあるようなデザインだけど、まあ大体そんな感じだよね。どれどれ?
■名前:ベルゾーグ
■性別:♂
■種族:
■称号:
■勲章:なし
■MP:19,000,000
■強さ又は危険度:S
■パッシブスキル
状態異常無効Ⅴ:状態異常に関するあらゆる現象が無効となる。
雷耐性Ⅴ:雷属性の攻撃を95%カットする。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
物理攻撃無効Ⅴ:物理攻撃と認識できる攻撃全てを無効にして、ダメージを0として扱う。
硬質化Ⅴ:自身の身体を硬質化させることができる。
麻痺牙Ⅴ:牙に触れた相手は数十秒の麻痺状態になる。
耳栓:人体に及ぼす大きな音が聞こえた際、90%カットする。
異常嗅覚Ⅴ:人族の10,000倍鼻が利く。
念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。
■アクティブスキル:
疾風迅雷:雷の如く速さで60秒間辺りを駆けまわる。使った後は数秒間雷属性のスキルが発動できない。
■ユニークスキル:
■アルティメットスキル:
――。めちゃくちゃ強くない? これカルベリアツリーのダンジョンの550層くらいの強さはあるよ! でも、ランベリオンさんは自分でマーズベル森林の中で最強クラスだと言っていたから、多分あれだね。
「お主か?」
「うん。まあ当たっている」
「そうか。隠さずに話すことは良い事だが同胞の恨み晴らさせてもらうぞ」
うええええええ。この狼さんいきなり突進してきたんだけど! 私は慌てて
勢い余り過ぎたのか
私は天に手を掲げるとお日様が顔を覗かせてきた。雲の動きが心なしか早くなった。
この辺り一帯だけ、少し薄暗かった空も晴れていった。そして、お日様が顔を完璧に出したようだ。森全体に強い光を照らしていて、私の背中も強烈な温もりを感じている。後ろを振り返ると眩しいだろう。
「
刹那、天使の梯子の範囲に、一筋の極大の光が
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