第47話 王からの礼Ⅱ
その後はカーネル王国に戻り、ギルド本部に戻ると、王国側の兵士達を始め、民間のギルドの皆が盛大に祝福してくれた。ルイゼンバーンさんはお前たち止めろと言っていたが嬉しそうだった。
「ギルドマスターの部屋でご客人がお待ちしております」
「客人? 誰だ?」
「行けば分かりますので行きましょう」
王国側のギルドの兵士がそう言って同行してくれた。別に案内する必要なのにな。こういうところは前の世界にもあった。無駄だと感じるのは俺だけでは無い筈。
兵士がルイゼンバーンさんの扉を開けると、ルイゼンバーンさんはぎょと驚いていた。
ランベリオンも驚いている。何事?
俺はミクちゃんと一緒に部屋の中を覗くと、金髪の凛々しい好青年とクロノスさんがいた。クロノスさんは、立って待っており、その好青年は紅茶を嗜んでいた。
「やあルイゼンバーン! お疲れ様だね! お、ランベリオン久々じゃないか!」
飄々した口調だが、ランベリオンとルイゼンバーンさんを呼び捨てにしていて、クロノスさんを従えている――。いや、そんなことは――。無いとは言い切れない。
「カーネル王。何でこんなところにいるのですか」
ランベリオンとルイゼンバーンさんは口を揃えて言うと、カーネル王はまるで少年のような笑顔を浮かべている。あれ? この人恋愛のドラマとかに出てきたらめちゃくちゃ人気な俳優になるんじゃね?
「お――王様??」
ミクちゃんはもうパニックなっている。いやそらそうだ。だって外見は若いし、服は純白のスーツを身に纏い、ペイズリー柄のネイビーのネクタイをしている。どっからどう見たってオシャレなお兄さんだろ。
「後ろにいるのは、噂のナリユキ・タテワキ君と、ミク・アサギさんだね。で、後ろにいる二人は誰だい?」
「私はベリトだ。本来こんなところに足を踏み入れることができない存在なのは重々把握しているつもりだ」
「ボクはノアって名前だよ。お兄さんこそ誰?」
ランベリオンとルイゼンバーンさんは口を慎めって、聞こえるか聞こえないくらいのすんごい小声で話すと、ノアは「何で?」と首を傾げていた。ノアは異常聴覚があるからどんだけ小声で喋っても聞こえるから、何気にノアのスキルを上手く活用している。
「あれ? 報告ではランベリオン達が700層に到達したって聞いたけど、ノアってまさか700層のノアかい?」
「そうだけど」
「結界を解除した話は本当だったのか! 凄い!」
もうなんかリズム狂わされるな。王らしくないってこの事だったのか。
「申し遅れてすまないね。私は54代目カーネル王だよ。宜しくね」
「宜しくお願い致します」
俺とミクちゃんはこれでもか! という勢いで頭を下げた。あまりにも抜けている人なので、逆になんか勢いがついてしまった。新卒のときに緊張しまくりの初訪問を思い出すんだけど。
「う~む。やっぱり視れない」
「もしかして私のスキルを、視ようとしていますか?」
「そうなんだけど、視ることができないから、もしかして
「大正解ですよ」
と、いうことはこのカーネル王も少しは戦えるという事か。
■名前:ルミエール・カーネル
■性別:♂
■種族:人族
■称号:カーネル王国の王
■勲章:☆
■MP:500,000
■強さ又は危険度:A
■パッシブスキル
鑑定士Ⅲ:対象者のプロフィールやスキルを視ることができ、MPの表記が追加される。
精神作用無効Ⅴ:精神に悪影響を及ぼすパッシブスキル、アクティブスキル、ユニークスキル、アルティメットスキルを無効にする。
翻弄する者Ⅴ:近接戦闘時の攻撃回避率が70%アップする。
狙撃手Ⅳ:銃を扱っているとき、80%の確率で狙いたい場所に直撃する。尚、防衛系のスキルや、ガードをされた場合はこのスキル効果は無効となる。
■アクティブスキル:
■ユニークスキル:
■アルティメットスキル:
いや、結構強いな。
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