異世界転生に失敗したけれど、結局カワイイって最強。

ミルシティ 

第1話       イシカワ序章

「あぁ……意識が遠退いてきた…………」




 ──飲料水オンリー生活、三週間目。




 俺の名は一之瀬大作。年齢は40歳、職業無職、そして……哀しき童貞。そんなしがないおっさんが、風呂無しトイレ無し4、5畳のゴミ部屋で、死にかけている。


 なんでこうなった?


 思い返せば、だらしない性格の上に、酒とギャンブルにどっぷりとハマった結果がこれだ。ゴージャスに散財し、結果借金にまみれた俺は食うモノにもありつけず、今や餓死寸前……ま、自業自得ってやつか。




「水だけで……1ヶ月はイケると……思ったんだけど……な……」




 まさか自分の人生が、餓死で終わるとは想像もしていなかった。しかし、仮に生き延びたとしても、ド底辺から這い上がる知力も体力も気力もない。ならばいっそのことこのまま人生を終える事もアリだろう。あぁ……せめて、せめて一回でいいから女の子とエッチしてみたかった……それだけが唯一、心残りだ。


 もしも、異世界転生とやらが出来たのなら、俺はきっと『大賢者』の称号を与えられている事だろう。




 あぁ……






 どうやらもうすぐお迎えが来る…………






 次に人生が与えられたのならば………………






 真っ当に……生き…………よう………………




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