二章 試練の始まり
第23話 死線
「もう存在が知れ渡るとは予想外だったな。もう
「それだけ特徴的で最高神の目につく様な魔力纏っていたらそりゃ速攻バレるでしょ」
邂逅を果たした神を喰らおうとしている者と神に謀叛を起こそうとしている者を諫める者。
両者は剣を交わす事は無くまずは会話を交わしていた。
最もそれには『
勿論それを目の前の神が理解していないわけが無かった。
あっさりと矢に射抜かれ且つ全身から酷い脱力感を感じ取れる目の前の男に戦闘をする程の体力が残っていない事など特段神で無くとも見てわかる事だった。
「俺の魔力が神に感知……?何故だ?」
「は?いやいやその魔力でその質問は無いでしょ」
『
「いや、何でもない」
────本人が無自覚ならやっぱりそう言う事なんだろ。
× ×
数分前────
「自分が派遣される?その『
「ああ、そうだ。転生者達の了承は得たが彼らに正面から戦わせても死亡率が上がるだけだ。こちらでステージを用意するまで君に場を任せたい。出来るならば仕留めてしまっても構わない」
先程まで転生者達と話していた最高神とその使いと思わしき男が話ている。
男は最高神である御方から『
「転生者達が死ぬって……じゃあ何で彼らを集めて戦場に送り込むんですか」
最高神にもっともな意見を投げかけると最高神は顔を若干曇らせてその解答をする。
「少し
「だから自分ってわけですか」
「君は比較的戦闘に長けているからね。頼めるかい?」
「良いですよ。その場で首を落としても大丈夫なんですよね……?」
「あぁ、構わないが少しだけ怪しい点があってね」
最高神は肯定すると共に自身の心の中に浮かぶ疑問点を付け加えた。
「この件は裏で操ってる奴がいる気がするんだ。君にはどちらかと言うとそいつの事を頼みたい」
× ×
「……?」
神の物言いに『
────こりゃ、予想当たってそうだな。
『
────この件を裏から操る奴ね……
『
────只者じゃないなこりゃ。
「まっ、取り敢えずだ」
そんな面倒な要件をひとまず頭の片隅に収めて神は一呼吸置いた
「俺への命令はアンタを殺す事だ。てな訳でその首貰っていくぞ」
神は腰に携えていた剣を抜き出し、その剣先を『
────クッ……!
剣を向けられ窮地に立たされていると言うのに『
それにより自ずと『
「俺の力が貴様らの神様の
苦し紛れの時間稼ぎ。
無理矢理に会話を続けさせその隅では何か打開策は無いかと模索する。
しかし会話は冷酷にもバッサリと切り捨てられてしまった。
「あ〜いいよいいよ。そう言う時間稼ぎはさ。この後実に面倒な案件を任されている俺の為を思って早急に死んでくれ」
神は『
────クソッ……!何か!何か無いか……!
辺りを目線だけで見渡すが何かこの窮地を打開するようなアイテムが落ちている訳も無く、そしてそんなものがあったとしてもこの身体では結局そのアイテムを使える事は無いだろうと踏み脳の中に絶望がジワジワと
× ×
「おっと不味い」
そんな光景を水晶越しに見ていたタチの悪い神は特段焦る様子もなく呟く。
「そろそろ良いかな〜僕も近くまで来たし!」
タチの悪い神は白い部屋に近付いていく。
その部屋は女神が普段は居る死人を転生させる『
「はい、ポン」
その神が水晶越しの緊迫感をガン無視した様な軽い調子で手を叩くと突如、水晶越しに映る世界に変化が起きた。
× ×
「じゃあ、さよなら!」
『
その姿が消えた。
「は!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます