第63話 0人目の女友達はヤらせてくれる?

 古典的表現をするなら、清水の舞台から飛び降りるつもりで――

 湊は、梓琴音を我が家へと誘ってみた。


「いいよ」


 と、拍子抜けするくらいに。

 ごくごくあっさりと、OKをもらえてしまった。


 梓はよくも悪くもサバサバとしている。

 だからこそ、湊に告られて断ったあとも普通に接してくれたのだろう。


 告白がなかったことにされたようで、湊には少しショックでもあったのだが。


「そういえば、トシヤの家、行ったことなかったね。ほとんど一人暮らしみたいなもん、とか言ってたよね」

「言ったっけか……」


 話したとしたら、湊が告る前――余裕で一年は前だろう。

 そんな情報をよく覚えているものだ、と感心する。


「それなら気ぃ遣わなくてよさそう。私、人の家だと家族の目が気になって、借りてきたにゃんこなんだよね」

「にゃんこ……」


 たまにあざといのが、梓のタチの悪いところだ。


「じゃあ、今すぐ行く?」

「あ、ああ。そうだな」


 既に放課後、帰ろうとしていた梓を捕まえて誘ったのだ。

 日をあらためて――となると、湊の決意が揺らぎかねない。


「それで……実は他の友達も一緒なんだが、いいか?」

「え? そりゃそうでしょ。葉月さんと……瀬里奈さんもかな?」


「……ん? 梓、葉月たちが来るってわかっててOKしたのか?」

「まあね。私も乙女ですから。殿方のお家に一人では行けませんよ」


 梓はわざとらしいお嬢様口調で言って、「ほほほ」と口を押さえて笑った。

 昔となにも変わらない、気さくな態度だった。


 湊にパンツを見せることも拒否したあの日を――彼女は忘れているのだろうか?


 なぜ、パンツも見せてくれないのか。

 なぜ、友達なのにヤらせてくれないのか。


 湊が悶々として、肉体的な機能にまで影響が出たことを梓は知らない。

 もちろん、そんなことを教えるつもりもない。


 ならば、湊もなかったことにして、あらためて始めるしかない。

 湊と、梓という女友達との関係を。




「んっ、んむっ♡ んっ、もっとちゅー♡」

「わ、私も……んんっ……ちゅーしてください♡」


 湊はベッドの上に座り、それぞれ片手で葉月と瀬里奈を抱きかかえるようにしている。


「きゃっ、あんっ♡ もっと強く……ちゅーしていいですよ♡」

「ちょ、ちょっと。こっちも♡ ほら、もっとちゅーちゅーして♡」


「はぁ……やっぱ、二人の胸は最高だな」


 湊はお言葉に甘えて、二人の胸を楽しませてもらい――


「は、はぁん……ヤバい、もうたまんない……♡」

「湊くん、もう三回も済ませたのに……元気ですよね♡」


「……瑠伽だけ三回で、あたしは二回だけなんだけどね」

「ご、ごめんなさい。ですが、私は久しぶりでしたし……」


 そう、既に葉月に二回、瀬里奈には三回ヤらせてもらった。


 特に瀬里奈とは久しぶりなので、葉月と同じ回数で済ませるつもりが、一回多くヤらせてもらってしまった。


 いや、たった一回のオーバーで我慢できたのは湊にしては上出来すぎる。


「わ、私……こんなの見せてもらっていいの……?」


「ん? ま、まあ、ちょっとは恥ずかしいけどさ、どうせ恥ずかしいことしてるんだし」

「そ、そうですね……私の小さな胸を湊くん以外に見せるのはいつも恥ずかしいです……」


 葉月と瀬里奈は、湊に抱きつき、それぞれの胸を腕に押しつけながら言う。

 ちなみに瀬里奈はDカップで決して小さくないが、煽っているわけではない。


 三人の前――ベッド横に座っているのは梓だ。


 湊と梓は、先に学校を出ていた葉月たちとマンション前で合流。

 そのまま、湊の自宅へとやってきた。


 ちなみに、葉月もこのマンションの住人であることも説明済み。

 もはや梓に隠すこともないだろう、という葉月の判断だ。


「す、凄かった……ト、トシヤ、二人とこんなことしてたんだ……」


 梓は呆然としている。


 湊は部屋に入ってすぐに、葉月と瀬里奈に頼んでヤらせてもらった。

 一応、梓に二人とヤっていいかの許可は取った。


 梓は冗談だと思ったらしく、笑っていたが――

 三人はもちろん真面目で、久しぶりの瀬里奈はもちろん、昨日は本当にたった一回しかデキなかった葉月も積極的だった。


「凄いよね、こいつ。でも、まだまだこんなもんじゃないよ。梓の前だから、遠慮してんじゃない?」

「え、遠慮してアレなの? ふ、普通、男の子って一回で終わるものかって……し、しかも二人となんて……二人まとめて、胸であんなこととか……!」


 梓は恥ずかしすぎて、自分が見たものをはっきり説明できないらしい。


「は、はしたないところを見せてごめんなさい、梓さん……」

「い、いいよ。けど、おとなしそうな瀬里奈さんが……ウチの男子なんて、みんな瀬里奈さんのこと、男子と手を繋いだこともないと思ってるよ……?」


「そ、そうなんですか。でも、私、湊くん以外とは手を繋ぐつもりもないですよ……?」

「……と、友達なんだよね、トシヤと?」

「はい、お友達です。ちゅ♡」


 瀬里奈はこくりと頷いてから、湊に軽くキスする。


「あたしも瑠伽も友達だよ。でも、頼まれちゃったからパンツも見せるしおっぱいも吸わせるし……ヤらせてあげてんだよね♡」


 葉月も、ちゅうっとキスして湊に抱きつき、Gカップおっぱいを押しつけてくる。


「梓」

「は、はいっ」


 なぜか敬語の梓だった。


「俺、女友達にはお願いしてヤらせてもらってるんだよな」

「真面目になに言ってんの、トシヤ……」


「だから……まずは、梓にもパンツを見せてほしい」

「またそれ!?」


 床に足を崩して座っていた梓は、ぎゅっと自分のスカートを押さえる。


「俺、梓の胸も味わいたい。それに……ヤらせてほしい。一回だけでも――いや、二回……三回……できれば毎日五回はヤりたい」

「どんどん要求増えてる!?」


 梓は今度は自分の胸を押さえて、真っ赤になっている。


「ま、待って! 私、葉月さんみたいに派手な美人じゃないし、瀬里奈さんみたいに清楚でもないし! おっぱいだって……し、Cカップだよ?」

「充分だ。揉みたい」

「ストレートだね!?」


「本当は、あと三、四回……いや、五回以上は葉月と瀬里奈ともヤりたいが、とりあえず後回しにして、梓にヤらせてほしい」

「最終的には五回以上ヤるんだ!?」


 葉月と瀬里奈は満足そうにこくこくと頷いている。


「俺は女友達を大切に思ってる。みんな可愛くてエロくて……だから、いつでもヤらせてほしい。お願いしてできるなら、ヤらせてほしい」

「それって普通のことなのかなあ……私、違うと思うんだけどなあ……」


 梓は、ぶつぶつつぶやきながら、胸を押さえていた腕を離して。


 スカートの裾を掴み――ゆっくりと持ち上げていく。


「こ、こんなんでいいの……? み、見えてる……?」

「おお……」


 シンプルな白で前にリボンがついている可愛らしいパンツだった。

 ついに――


「ついに、梓のパンツが……! も、もっとよく見たい」

「も、もう……マジで言ってるの、トシヤ……こ、これでいい……?」


 梓はさらに大きくスカートをめくり上げ、パンツ全体が見えるほどになる。

 白い太ももに白いパンツ――


「一年以上も見られなかったのに……やっと、見られたのか……」

「は、葉月さんと瀬里奈さんと……あ、あんなの見せられて、自分だけパンツも見せないんだったら、なんか馬鹿みたいだし……これ、絶対おかしいけど!」


 梓は立ち上がり、またスカートの裾を持ち上げる。

 湊の興奮が高まり、横から葉月と瀬里奈がちゅっちゅっと頬にキスしてくる。


「お、おっぱいも揉みたいんだっけ……?」

「好きなだけ味わわせてもらいたい」


「そんな可愛い二人を両手で抱き寄せて、すんごいこと言うよね、トシヤ……」


 梓はカーディガンやニットなどは着ていない。

 ぷちぷちと白ブラウスの前を開け、胸をはだけた。


「おお……!」


 湊は感動してしまう。

 パンツとお揃いの白いブラジャーが、小さすぎない程度のおっぱいを覆っている。


「い、言っとくけど、ブラだってパンツだって誰にも見せたことなかったんだからね? トシヤ、友達なのに……そんなに私の初めて、奪っちゃっていいの?」


「そうだね、せっかくの初めてなんだし、あたしたちは遠慮しとくか」

「そ、そうですね……葵さん、シャワーでも浴びてきましょう。湊くん、お風呂お借りしていいですか?」

「ああ、いいけど、別にいてもよかったのに……」


 とはいえ、二人が遠慮したいなら止める理由もない。


 葉月と瀬里奈がさっと服を身につけ、湊の自室を出て行くと――


「俺たちが風呂に入るのは、あとでいいよな」

「お風呂も確定なの!?」

「まずは……もっとパンツを見て、それからおっぱいだな」


「そ、その前に……やることあるんじゃないの……?」


「あ、そうか」


 湊はベッドから下り、梓の前に立つ。


「俺だけベッドに座ってて、なんか偉そうだったな。悪い」

「そ、そういう問題じゃない……けど、トシヤは友達だもんね。トシヤはいいヤツだし、ずっと……私のこと気にしてくれてたの、わかってたから」


「そうだな……梓のこと、ずっと忘れられなかった」

「あんな可愛い二人に好きなだけヤらせてもらえるのに?」

「友達が何人いようが、一人一人が特別に決まってるだろ」

「うっ……そ、そうだよね……」


「じゃあ、梓。キスしていいか?」

「なにが“じゃあ”かわからないけど……い、いいよ。私、キスも初めてだから……フツーにね?」

「ああ……」


 湊は梓の肩を抱き寄せ、そっと唇を重ねる。

 初めてできた女友達に、ようやく――ようやくだ。

 この柔らかい唇を味わうまで、一年もおあずけをくらってきたのだから、なおさら感動も大きい。


 湊は梓の唇を味わって――彼女を抱きしめ、ベッドに押し倒した。


「ト、トシヤ……」

「頼む、梓。ヤらせてほしい……一回。とりあえず一回だけ」

「とりあえずって……い、一回じゃ済まないんでしょ?」

「たぶんな」


 湊は、梓に上からのしかかるようにして、軽くキスする。

 梓もそれに応えて、ちゅるっと唇を吸ってくる。


「……い、いいよ。とりあえず一回だけ……それ、私の初めてなんだからね? 友達だから、初めてをヤらせてあげるんだからね?」

「ああ、梓の友達でよかった」

「うん……たぶん、私にとってもずっとトシヤは特別な友達だった……」


 梓のほうからもちゅっちゅとキスしてくる。


 湊はあらためて梓の顔を見つめて――

 かつて“クラスで五番目に可愛い”などと失礼なことを考えていたことを悔やむ。


 こんなにも、こんなにもメチャクチャに可愛いじゃないか。


「梓、可愛いな」

「あ、アホですか? そ、そんなこと言われたのも初めて……なんか、それだけで、ヤらせてもいいかとか思ってる私もアホかな……」


「いや、マジで可愛い。だから……ヤらせてくれ」

「な、何回も言わなくていい。いいよ……ヤらせてあげる。でも、私はカノジョじゃないからね……?」

「ああ……」


 湊と梓はもう一度唇を重ね、夢中でむさぼり合い――

 それから、湊はブラジャーをぐいっと下にズラす。


 ぷるんっ♡とCカップの可愛らしい乳房が姿を現す。


「きゃ……♡」


 わずかに驚く梓にもう一度キスして。

 湊はその胸に、唇を近づけていく。



(※次回、シーズン4最終回です!)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る