第50話 女友達は復活させたい

 昼休み――

 湊と女友達の関係が激変しても、学校生活は変わらず続く。


 湊が友人たちとの昼食を終えて、ぼけっとスマホを眺めていると、葉月が話しかけてきた。

 二人で廊下に出て、窓から中庭を眺めつつ――


「そういえば、茜たちとはどうなってんの?」

「茜と朝日の生徒会コンビは忙しいみたいだなあ……九月で任期満了だけど、七月は期末があるし、八月は夏休みだからな。六月のうちに進めておく作業があるとか」


「茜も全然ウチに来てないもんね。ひぃなは?」

「ひぃなは、バスケ部の助っ人をやってるらしい。あいつ、運動神経めっちゃいいみたいだな」

「へぇ、桜山女子は部活強いって聞いたことあるかも」


 さすがに顔の広い葉月は、ひぃなが通う他校のこともご存じらしい。


「まあ、茜すらほとんど会えてないんだよな」

「三人とも、湊の状況はわかってんだよね?」

「そりゃ、話さないわけにもいかないだろ……」


 湊が精神的な意味でアレになっていることは、すぐに茜・朝日奈ツインズには説明してある。


 三人とも驚き、普段無表情な茜すら珍しく目を丸くしていた。


「まだ聞いてなかったよね、茜と双子はなんて?」

「あー、茜は……」


『わたしも忙しくてなかなかヤらせてあげられないから……暇になる前に元通りになっておいて。ミナの家に泊まって、好きなだけヤっていいから。いえ、好きなだけヤりなさい』


「……さらっと凄い注文つけるね、あいつ」

「俺だってさっさと元に戻って、茜のちっこい身体を抱きまくりたいんだけどなあ」


 廊下は人通りも少ないので、多少声を抑えればこんな話もできてしまう。


「そんで、双子は――」


『まあ、そういうこともあるよー。新しい刺激がほしいなら、言ってくれれば時間も調整するし。すっごいエロい下着とか買っちゃうよー』


『ボクも色違いのブラとパンツ買ってますから! トナミ、ボクらのHカップ、どんな風に使ってもいいから、復活してくださいね!』


「…………で、湊寿也くんは双子のHカップでなにをしてもらうつもり?」


「そりゃあ、ダブルおっぱいで挟んでもらって――いやいや、まだ決めてないって」

「あたしと瑠伽、茜じゃダブルでやりづらいもんねー。双子ならダブルで挟めるもんねー」

「痛たっ、足踏んでるぞ、葵!」


「あ、葵は学校では禁止! もうっ、マジで付き合ってると思われるって!」

「そ、そうだった。さすがにカノジョだと思われるのはまずいよな」


 あくまで湊と葉月は、友達同士の関係だ。

 数え切れないくらい葉月にヤらせてもらったあとでも、それは変わらない。


「ま、まあ、そういうわけで茜たちとも特には……たまーに茜と会ったらおっぱい吸わせてもらうくらいはしてるが……」

「え、マジでそんだけなの? 双子は?」


「5日くらい前にちょっと時間が空いてるからって、双子の家に行って、3時間くらいHカップを楽しんできたくらいかな……」

「双子とも、それだけか。湊もキツいし、双子もヤりたいだろうから満足できてないだろうね」

「だよなあ、悪いことしてるよな……」


 湊から頼む形で女友達にヤらせてもらっているわけだが、彼女たちも楽しんでくれている。


 だからこそ、最近は葉月などは頼まなくてもヤらせてくれていた。

 双子も、頼み込むというステップはほとんど踏んでいなかったが。


「ちゅ♡」

「…………っ」


 不意に、葉月が顔を寄せて唇を合わせてきた。

 湊はさすがに驚いて、のけぞってしまう。


「大丈夫、大丈夫。誰も見てないタイミングを読んだから♡」

「あ、危ねぇって。外からだって見えるぞ、ここ」


 窓から見える中庭には数十人の生徒の姿がある。

 みんな話し込んでいたり、ボール遊びをしている者たちもいるが、ふとした弾みで、いつ湊たちがいる三階の窓を見てもおかしくない。


「たまには学校でもキスしたいじゃん。最近、あの空き教室も使ってないし」

「うーん、最後までヤれてないからなあ。空き教室でおっぱい吸ったりパンツ見るだけじゃ、ムラムラが余計に高まるっつーか……」

「困ったもんだね」


 はぁーっ、と葉月はため息をつく。

 葉月ももう長いこと、一回もヤられていないのだから、ストレスがたまっているのかも。


 湊は機能的にアレになったわけではないので、処理自体はできているのだが。

 葉月のほうは、かなり欲求不満なのだろう。


「でもさあ、ぶっちゃけ話は簡単じゃない?」

「ん? どういうことだよ、葉月?」


 湊は首を傾げる。


「要するに、

「あー……」


 湊がこうなったのは、梓にパンツを見せてもらうのを断られたから――

 女友達に頼んでもヤらせてもらうどころか、生パンツすら拝めなかったせいだ。


 きっかけが梓なら、解決するためにも梓を説得しろということらしい。


「ここんとこ、梓とはマジで一言も話せてないんだよな」

「だと思った。教室でも全然近づいてすらいないし」


 湊と梓は同じクラスで、嫌でも毎日姿を見ることになる。

 しかし、あんなことになった以上、湊は話しかけるのもはばかられていた。


「もちろん、お互い避けてるのはまずいとは思うんだが……」

「面倒くさい二人だね。まー、あたしとしてもあんま梓には――」

「え?」

「な、なんでもないっ!」


 葉月は顔を赤くして、ブンブンと首を横に振る。


「と、とにかく、解決しないと湊だって、あたしも瑠伽も茜も双子も困るんだから!」

「じゃあ、やっぱ梓と話すべきか……」


 要するに、結論はなにも変わらない。

 湊としても、事態を放置しておくつもりはないので、解決する方法が他にないなら覚悟を決めるしかない。


「俺だって、葉月にたっぷり注ぎたいしな……」

「そりゃそうでしょ。復活したら、ぜーったいにアレを使うとか無しだから。前に使ってた残りが少しあるけど、全部捨てとくね」


「俺も使う気はないな。でもたぶん、しばらくはマジでヤりまくらせてもらうぞ?」

「試験前と当日以外なら、学校サボってヤりまくせてあげるってば。当ったり前でしょ♡」

「お、おお……」


 葉月も、湊の復活を待ち望んでくれているらしい。


「そのためにも、まずは梓と話すこと! まあ、湊のタイミングでいいけどさ。変に焦られて、失敗したらやべぇーし」

「やべぇよなあ」


 また梓に生パンツの披露を頼んで、断られたら今度こそ立ち直れない。


「葉月たちのおっぱいを揉む気力すらなくなるかもなあ」

「そ、それはまずいよ! せめて乳首くらい吸ってもらわないと……い、一応、それだけでもあたしも瑠伽たちも……」


 葉月は顔を赤くして、もじもじしている。

 意外に、胸やパンツを責めるだけでも葉月たちは快感を味わえてはいるようだが。


「だいたいさ、梓だって鬼じゃないんだから、頼めば一回くらいヤらせてくれるってば」

「そうかな……」

 湊は首を傾げる。


「でも、一回ヤらせてもらったら、一回じゃ済まなくなるだろ? 絶対、もっと何回もヤらせてもらいたくなるだろうなあ」

「それは梓も同じじゃない?」

「そうなるかな?」


「なるなる。あとは何回でもヤらせてくれるって。最初は着けろって言うかもだけど、そのまま――なら、あたしたちも一緒にヤって、こっちに……でもいいし」

「梓もまぜると、全部で六人になるのか」


 さすがにベッド一つには絶対に収まらない数だ。

 7ピーを楽しめるなど、もう夢なんてレベルではない。


「あっ、梓の分が増えたからって、あたしとの回数が減ったら許さないからね?」

「葉月とまたヤれるなら減るどころか増えるに決まってるだろ」

「そ、そうだよね。何日もヤれなかった分、いっぱい出してもらわないと」

「言われなくてもそうなるって」


 女友達の中で、一番長く、一番多くヤらせてもらっているのが葉月だ。

 それでも、湊はまったく飽きていない。


「……なんかそんなこと言ってたら、葉月のパンツ見たくなってきた」

「い、いいけど、ここじゃまずくない?」

「葉月のパンツ、他のヤツに見られたら困るしな。となると――」



 というわけで、お馴染みの空き教室に移動。

 ここを使うのも久しぶりのことだ。


「も、もうー……ガン見しすぎだってば、湊♡」

 湊は教室の床にしゃがみ込み、立ったままの葉月のスカートをめくって正面からパンツを堪能中だ。


 今日の葉月パンツは、珍しく縞パンで水色と白の模様だ。

 最近は見ることしかできない部分を覆っている縞パンが大変にエロい。


 ちなみに昼休みは既に終わっているが、今の気持ちのまま授業に出ても集中できないので、サボリだ。


「まあ、せっかくサボったんだから、パンツをじっくり見ないと」

「い、いいけどさあ……こら、太ももに頬ずりすんな!」


 湊は白い太ももに頬ずりして、そのなめらかさを味わう。

 パンツを見たら、太もももセットで味わうのが鉄則だ。


「あの、どうして私も一緒に……やんっ、今度は太ももを撫でてますよ、湊くん♡」


 葉月の隣には、瀬里奈が湊に背中を向けて立っている。

 湊はもう一方の手で瀬里奈のスカートもめくり、白いパンツと可愛いお尻をあらわにしている。


「どうせなら、二人のパンツも尻も見たくて。真面目な瀬里奈をサボらせるのは悪いと思うんだが」

「い、1時間くらいならいいですけど……あっ、今度はお尻に……♡」


 湊は瀬里奈のスカート越しに尻に頬ずりする。


「こいつはもう、一人のパンツとかお尻じゃ満足できなくなってるからね」

「さ、最近は茜さんたちがお忙しいですからね……もちろん、私はいつもでもいいんですけど……」


「はぁー……やっぱ、二人のパンツも太ももも最高だな。これで、最後まで楽しめればなあ……」


 湊は葉月と瀬里奈の太ももを両手で抱え込むようにして、同時に頬でその柔らかさを味わう。


 こんなことだけでも充分に贅沢だが、葉月と瀬里奈に何百回とヤらせてもらった以上、満足にはほど遠い。


 二人のもっとも気持ちいいところを、湊は既に知りすぎている。



 そうして、湊は葉月と瀬里奈のパンツを1時間近くじっくりと拝み。

 尻に頬ずりし、撫で回し、柔らか太もももたっぷり味わってから。


「ふぅ……やっぱ葉月も瀬里奈も最高すぎるな……」


 時間をズラして教室に戻るために、一人で空き教室を出た。

 葉月たちは、なにやら「後始末」もあるらしい。

 二人の女友達も、湊にパンツを見せるだけで興奮してしまうから、いろいろあるのだろう。


 人気のない廊下をゆっくり歩いていると――

 不意に、ラインが着信する。

 差出人は女友達の誰かだろうと、確認してみると。


穂波ほなみ……?」


 一瞬、誰だかわからなかった。

 そしてすぐに、葉月の陽キャグループの一員だと気づく。


 しかも同じクラスなのに瞬時に思い出せなかったのは、湊には陽キャグループは縁遠い存在だからだろう。


 穂波――実は、下の名前も知らない。

 知っているのは、金髪で褐色の肌をした、派手な美人だということくらいだ。


 なんで俺のラインIDを……?


 湊は何度目かもわからないが、またもや首を傾げながら届いたメッセージに目を向けた――

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