第13話 女友達は頼めば意外と……

 結局、みなとは学校をサボった。

 一応、学校には欠席届をメールで出しておいた。

 湊たちの学校では、サボリの生徒の大半はそんなもの出さないのだが。


「葉月は?」

「あー、あたしは友達にLINEしといた。湊と遊んでるって」


「そんなズバリ言っていいのか……?」

「やましいことしてるなら、わざわざ言わないでしょ。ガチで遊んでるって思われるよ」


「そうか。実際、遊んでるようなもんだけどな」

「これも……まあ、遊びかな。男女の友達ならでは、だけど」


 湊と葉月は、湊の自室に移動している。

 湊はベッドに座り、横の壁にもたれて。


 葉月は、その横に寝転び――

 上半身は真っ白な肌をそのまま晒し、下はスカートをはいているが、めくれて白いパンツがほとんど丸見えだ。

 そのパンツも、少しだけ下に下ろされて、かなり際どいところまで見えている。


「つーか、おっぱいぬるぬる……もうっ、舐め回すし噛むし、しゃぶるし……そ、それに……あんなこと……」

「あんなこと?」


「ふざっけんなよ、湊。き、聞いたことはあったけど、男子ってマジであんなことするんだ……お、おっぱいで挟むとか……信じられねー!」


「いや、すげーふわふわ柔らかくて気持ちよかった……葉月のおっぱいの柔らかさは充分知ってたはずなのに、別のもので味わうと全然違うんだな」

「味わうとか言うな」

 じろっ、と葉月が寝転んだまま睨んでくる。


「でも、俺が頼んだら葉月も面白がってただろ。けっこう挟むの難しいとか、胸の間でぴくぴくしてるとか言って」

「あ、あれは照れ隠しで言ってたの! フツー、あんなお願いしないでしょ! しかもさぁ……」

 葉月は、Fカップの大きなふくらみを自分の手でゆっくり撫でる。


「こ、ここに出すなんて……最後までおっぱいで楽しみすぎでしょ……」

「挟んでもらったら、最後はそこに出すもんかなって」

「湊、エロ動画の観すぎじゃないの……」


 また睨まれてしまったが、湊はその手のものはあまり観ない。

 友人たちは、あの手この手で楽しんでいる連中も多いが。


「しばらくは、エロ動画なんて必要なさそうだよな」

「ちょ、ちょっと……さっきのおっぱいでのアレ、思い出にするつもり?」


「パンツ見たりとかおっぱい吸ったりとか、それだけでも凄かったのに。いやマジで、さっきのはすげーよ……」

「そ、そんなに? まあ、楽しんでもらえたならいいけどさ……あたしも、実際ちょっと楽しかったし」


「じゃあ、もう一回?」

「湊、さっき口でも三回したでしょ……死ぬよ、あんた」

「もう一回くらいならイケそうなんだよな。ダメか……?」


「ダ、ダメじゃないけど……ちょ、ちょっとその前に胸拭いていい? ティッシュ、ちょうだい。ウェットのヤツ、ある?」

「ああ、確かこっちに……」


 湊はベッドを下りて、棚に置いてあったウェットティッシュを数枚取って、葉月に手渡す。


「うわぁ……思ってたよりベッタベタ。こ、こんなにいっぱい出てたんだ……」

「あ、俺が拭いてやろうか?」


「拭いてやろうかって……あんっ、それ、拭くんじゃなくておっぱい撫で回してるだけじゃ……って、揉んでる揉んでる!」

「すげーよな、こんなぐにぐにというか、ぷるぷるというか」

「もっ、もうっ……後始末まで楽しまないでもらえる?」


「そうは言っても、葉月のおっぱい、デカいし柔らかいし、いつまでも揉んでられるんだよな。つーか、もう……」

「あんっ、こらぁっ、また吸ってる……! やんっ、わざとちゅーちゅー言わせてんでしょ!」


「ふぅ……葉月のここ、やっぱ美味いな……」

「だ、だから味なんて……んんっ……!♡」

 湊は、しばらく胸を拭いているのかさらに汚しているのか、よくわからない作業を進めて――


「はうっ……んんっ……な、なにしてんだろ、あたしら」

 湊が一度離れると、葉月は大きな胸を上下させて荒い息をついた。


 ピンク色の乳首はつやつやと光り、白いお腹とおへそ、それにその下のほとんどめくれたスカート、わずかに脱げかけたパンツ、真っ白な太もも――

 真っ赤になった可愛い顔と、乱れたミルクティー色の長い髪。

 ベッドの上の葉月葵は、あまりにも可愛すぎて、エロすぎる。


「な、なあ……葉月……」

「うっ……も、もしかして……」


「頼む、葉月! 一回でいいから――ヤらせてくれ!」

「い、言うと思った!」

 葉月は、掛け布団を引き寄せて身体を隠してしまう。


「きょ、今日は興奮しすぎよ、湊。別に、なんでもない日だったはずなのに……」

「学校サボって遊ぶなんて、普通のことだよな。けど、俺らの遊びって――」


「そ、そうだけど……うーん、み、湊とかぁ……」

 葉月は掛け布団をさらに深くかぶり、顔を半分だけ出している。


「ね、ねぇ、湊……あたしって、実はけっこう寂しがりなんだよね」

「なんだ、急に」


「いいから、聞いて。こんな話、普通のテンションじゃできないから。こんなときじゃないと、話せないっつーか……」

「うん……?」


「お母さん、ほとんど顔も合わさないし、だからモモを飼って、あいつは可愛いんだけど無口だからさ」

「無口っつーか、猫だろ」

「寂しさはだいぶまぎれたんだけど、まだ足りなくて」


「おまえ、友達いっぱいいるし、外でも遊びまくってるじゃねぇか」

「ホントは家でのんびりしてるのも好きなんだよ。けど、一人じゃつまんないし」

「葉月、意外と家の中じゃスマホいじるくらいしかしないもんな」


 外ではスポーツにカラオケ、みんなと楽しそうにおしゃべりしている葉月だが、インドアな趣味はあまり持っていない。


「そしたらさ、二つ下のフロアに同い年の子が引っ越してきたじゃん? ちょっと期待してたんだよね」

「……あっ。瀬里奈さんが、葉月は前から俺のことを知ってたみたいなこと言ってたぞ」

「うっ、そこからバレてたか。瀬里奈には普通に話したから、秘密の話だとも思ってなかっただろうね」


 湊がこのマンションに引っ越してきたのは、今年の春。

 葉月はその1年前に引っ越してきたという。


 二人は、今年の夏に一緒に遊ぶようになるまで、同じマンションだと気づいていなかった。

 気づいていなかった――はずだった。


「おまえ、俺が引っ越してきてすぐに、同じクラスのヤツだって気づいてたんだな?」

「うん」

 葉月は掛け布団で顔を隠したまま、こくんと頷く。


「正確には引っ越してきて、何日かあとに入学式で湊を見かけてからだけど。あっ、あいつ、ウチのマンションに越してきたヤツじゃんって」

「……よく気づいたな」


「あのね、ウチのマンション……どんくらい住んでるんだっけ? 40とか50?」

「そんなもんかな?」

 湊も正確には知らないが、50戸くらいだと聞いた記憶がある。


「今年の春、ウチのマンションに引っ越してきたの、湊の家だけなんだよ。湊にとっちゃ、葉月家は50のうちの一つだろうけど、あたしらにとっては唯一の新入りだったんだから。そりゃ興味あるし、荷物を運び込んでるところもちらっと見たよ」

「まあ、変なのが引っ越してきたら困るしな」

 湊も、今後誰かが引っ越してきたら多少は興味を持つだろう。


「だから、夏休み前に初めて湊に声を掛ける前から……あんたのことは知ってた」

「葉月なら、すぐに俺に声を掛けてきそうなもんなのに」


「じ、自分でもそう思うけど……二つ下に住んでるクラスメイトなんて、一緒に遊ぶには最高だけど、変なヤツだったら困るし。ちょっと時間が必要だったんだよ」

「……変ではないが、たいしたヤツでもないだろ、俺は」


「変じゃなきゃ、第一関門クリアだよ。あとは、一緒に遊んで面白いか。みんなと一緒に遊んでみて、確かめようと思って……ご、ごめん。試すようなことして」

「いや……」


 男の湊ならともかく、葉月は女子で――しかもとんでもない美少女だ。

 迂闊に男に接近して、慣れ慣れしくされても困るだろう。


「湊と遊ぶの、楽しい。あたしのこと、けっこう適当に扱うし……へ、変なお願いしてくるけど、それも面白くてさ……」

「……俺がいて、葉月が寂しくなくなったなら、よかった」


「うん、家でモモと二人で寂しくてもさ……3分で会いに行ける友達がいれば、安心できるんだよ」

 葉月は、掛け布団から顔を出して、身体を起こして――ちゅっとキスしてくる。


「引っ越してきたのが、湊でよかった。湊だから――お願いを聞いてあげるんだよ」

 ちゅっ、ちゅっと葉月はさらに二度三度とキスしてくる。


「湊とやることは、だいたい楽しいから。だから、お願いされたら――聞いちゃうんだよね」


「……じゃあ、ヤらせてくれるのか?」

「おい、がっつくんじゃねーよ」


 葉月は、ギロリと今までにない凄んだ目を向けてくる。

 湊には照れくさい話だったので、冗談めかしてみたのだが、怒られてしまった。


「で、でもさ……そういう場合って……その、安全のためっていうか……」

「は? あ、ああ」

 湊はピンと来て、またベッドを下りて、勉強机の引き出しからある物を取り出す。


「み、湊……持ってたんだ?」

「い、一応な……」


「おおーい……それ、あたしで使うつもりだったんだ? このエロー、エロー」

「あのな、買うのけっこう恥ずかしかったんだぞ。わざわざチャリでめっちゃ遠くのコンビニまで行ってさ」

 湊は、その小さな箱を枕元に置く。


「こ、これって何個入ってんの?」

「12個……かな?」


「これ、まだ開けてない? 新品?」

「一度試しに着けてみようかと思ったんだが、結局やってないな」


「ふうん……」

 葉月はその箱をじーっと見つめてから。


「もっかい訊くけど、あたしで使うために……買ったの?」

「も、もちろん」

 湊はこくこくと頷く。


「ふぅーん……あんたの背後に黒髪ロングの女子が見える気もするけど、そういうことにしといてやるか」

「き、気のせいだろ」


「じゃあさ、その12個……全部あたしで使うって約束できる?」

「い、いっぺんに12回も!?」

「いっぺんにとは言ってねー!」


「そ、そうだよな。さすがに俺、死ぬよな」

「だから、とりあえず13回……かな?」

「は? 計算合ってなくないか? また勉強教えるか?」

「そ、そうじゃないっ」

 葉月は、湊を睨みながら箱を手に取って――ぽいっと床に捨てた。


「さ、最初は……こっちは初めてなんだから、その……そ、そのままでいいよ……」

「マ、マジで? 着けなくていいのか……?」


「い、一回だけ! 一回だけよ! あとの12回はちゃんと……ま、まあ足りなくなったらまた考えよ」

「…………」

 足りなくなったらまた買えばいいだけだが、湊はわざわざ突っ込まない。


「じゃあ、一回だけ……ヤ、ヤらせてくれ……!」

「しょ、しょうがないなあ……ホントに一回だけだよ?」

 葉月は、ぼっと湯気が出そうなほど真っ赤になって頷いた。


「一回だけだよ。だって、あたしは……カノジョじゃなくて、友達なんだからね?」

「…………」

 カノジョであっても着けるのがマナーだが、葉月の考えは違うらしい。


「一回だけ……あんたを、そのまま感じたい。最初の一回だもん……」

「ああ……」

 湊は葉月を抱きしめ、キスして――その豊かな胸を揉みながら、ベッドへと押し倒した。



「う、うわっ……もう夜になってるじゃん……!」

「えーと、もうすぐ七時だな」

「七時だな、じゃねー!」


 葉月はベッドから下りて、カーテン越しに窓の外を見た。

 秋も深まって、当然ながら日が落ちるのも早いので真っ暗だ。


「つーか、葉月。下着くらい着けたらどうだ?」

「え? きゃっ……!」


 葉月は慌てて胸を腕で隠した。

 Fカップのたわわなふくらみは隠しきれず、可愛いピンクの乳首も覗いている。


「そんなに恥ずかしがらなくても。もう散々見せたんだし」

「そ、それとこれとは違うの! ちょっと、それでいいから貸して!」

「ん? これでいいのか」


 湊はベッドのすぐ横に落ちていた自分の制服のシャツを拾って、葉月に投げる。

 葉月は、素早くシャツを身につけて、ボタンをいくつか留めた。


「……けっこうデカいね。あと、男の子の匂い、する」

「そりゃ、女の子じゃねぇからな」

「変な感じ。ブラウスと同じようなもんなのに」


 葉月はシャツをじろじろ眺めながら、どこか嬉しそうだ。

 シャツの前はほとんど開いているので、おっぱいが半分近く見えている。

 葉月には大きめとはいえ、裾からは真っ白な太ももが伸びている。

 袖はかなり余っていて、なんだか可愛らしい。


 ついさっきまで葉月の身体の隅々まで見たというのに、こんな姿にも興奮してしまう。


「わっ、なんか蹴った……って、これ、こんなとこ放り出してたの?」

「ああ、そこにあったか。見ないと思ってた」

 葉月は例の小さな箱を持って、中を見ている。


「んー……残り10個……なんか、すぐに無くなりそう……」

「1週間もたなかったりしてな」


「……おい。毎日、ヤらせるなんて言ってないからね?」

「わ、わかってるって、冗談だよ」

 葉月が投げてきた箱を受け取り、机の引き出しにしまう。


「……って、なんで一個取り出してんの?」

「いや、葉月が帰るまであと3時間はあるし、念のために」


「なーにが念のためよ! つーか、今日はもう無理! なんかまだ入ってるみたいな感じするし……」

 葉月は床に座り込み、ベッドにもたれかかる。


「なんかもう、もんの凄かった……最初の一回、全然覚えてない……」

「俺もあんまり……気持ちよすぎて……それしか記憶にない」


「ぶっちゃけ、すげー痛かったし……マジで涙出てたよ、あたし」

「わ、悪かった。けど、葉月も気にせずヤっていいって」


「あ、ああいうときは他に言いようがないでしょ! 痛いからヤメロ、なんて言ったらシラけるじゃん!」

「マジで悪かったって……」


 葉月がかなり痛がっていることは、湊ももちろんわかっていたが、気持ちよすぎて我慢などできなかった。


「……あっ、そうだ。もしかして……」

 葉月は、ぱっと顔を上げると、掛け布団を勢いよく剥ぎ取った。

 ベッドのシーツには――


「うわぁ……これ、洗濯しなきゃまずいよね……」

「あー……俺は、洗濯は自分でやってるから、大丈夫だ」

 湊のベッドのシーツには、いろんな液体が染み込んだあとや、それに――


「こ、こんなに血ぃ出たんだ……そりゃ痛いよね……」

「……俺ばっか気持ちよくて、マジで悪い……」


「ちょ、ちょっと、そんなに謝られたら悪いことしたみたいじゃん。う、うーん……最初の一回は痛かったけど、最後は……それに、そのあとの二回はあたしもけっこう……」

「イきまくってたよな」

「デリカシーゼロかよ!」


 葉月が枕を投げつけてくる。

 さすがに運動神経バツグンだけあって、正確に湊の顔に当ててきた。


「もうっ……馬鹿だよ、この男はー。明日の朝も来るから、あたしが洗濯するよ」

「夜に洗濯してたら親に変に思われるしな。いや、俺のシーツなんだから、俺が洗うよ。それとも、記念に取っておくか?」


「ば、ばぁーか。こんなもん、捨てちゃおう!」

 葉月は真っ赤になって、汚れたシーツを強引に剥ぎ、丸めてしまう。


「ちゃ、ちゃんと洗うって。捨てるのはもったいねぇだろ。思い出のシーツなんだし」

「シーツに思い出を求めんな。あ、新しいシーツあんの?」


「替えくらいあるよ。じゃあ、シーツを替えてから――」

「……一回だけだよ? 一回だけで……それからご飯食べよう。そういや、お昼も食べてないし」

「あ、そうだった」


 結局、ほとんど飲み食いもせずに一日中、ベッドにいたようなものだった。

 夢中になって葉月を求めまくってしまったが、そろそろ体力も限界だ。


 自分がこんなにがっつくとは、湊自身も想像もしていなかった。

 葉月があまりにも可愛すぎてエロすぎたせいだろう。


「ね、湊。その前に――もっかい、ちゅーしようよ」

「俺もお願いされたら断れねぇな」

「ばかっ」


 湊は葉月を抱きしめ、キスする。

 この可愛すぎる女友達に、自分が甘えている自覚はある。

 それでも、お願いされたら断らない葉月を求める気持ちは、止まりそうになかった――

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