第2話名古屋駅から長嶋へ
近鉄名古屋駅から急行で桑名駅へと向かう。
桑名駅で降りて徒歩四分、有楽町のバスに乗って長島温泉へと向かうのだ。
近鉄名古屋駅に向かう途中、石木は五人の中学生の詳しい名前を教えてもらった。
石木が金の時計に案内した男子中学生が
五人のリーダー、
鉄道マニアの
テンションがいつも高い
そしてただ一人の美少女の
全員、日の一中学校の中学三年生である。
この五人は三日前に東京を出て、神奈川から静岡、そして名古屋へと来たそうだ。
電車に乗り込んで席に座る、石木は五人の中学生に話しかけた。
「なあ、君たちはどうして修学旅行をしているんだ?」
「それよりもまず、石木さんがどうして旅をしようと思ったのか教えてくれよ。」
島取が石木に訊ねた。
「俺か?俺は・・・、やけっぱちというか、どうにでもなれみたいな感じだ。」
「どういうこと?」
「・・・恥ずかしい話、俺はつい最近会社をクビになったんだ。」
「どうしてクビになったの?」
「会社の上司と殴りあった、元々上司は他人からあまり好かれない奴だった、だから俺も嫌いだった。でも会社でのタブーをしてしまったから、クビは当然さ。」
「そうなんだ・・・。その上司ってどんな感じなの?」
「いつも命令と自分の仕事しかしない奴。」
「あー、それ俺の親父と同じだ。」
安室が言った。
「そういう奴から指示をされると、イラッとくるよな?」
「ああ、そうだ。」
石木と安室は、気が合うようだ。
「それはそうと、なぜ君たちが修学旅行をしているのか教えてよ。」
「ああ、そうだな。俺たちは学校の修学旅行が嫌だから、自分たちで修学旅行をすることにしたんだ。」
「そうそう、そもそもあれは修学旅行とは言えないよね~っ。」
金山がダルそうに言った。
「どういうこと?」
「新型コロナウイルスの事は知っているよね?」
「ああ、去年はそれで世間が色々大変だったよな。」
「それで今年の修学旅行の予定が知らされたんだけど、現地には行かずにリモート通信でやるんだって。」
「リモート通信で?」
「リモート通信の映像を見て、学校に泊るのよ。もちろん食事は給食よ」
「え?じゃあ宿にも泊まれずに、お土産も買えないということか?」
「そうよ。あれが旅行なんて頭がおかしいんじゃないのって、呆れてしまったわ。」
石木は納得した。そんな修学旅行なんて中学生時代の自分に教えたら、信じられないと言うに決まっている。
「だからそんなつまんない修学旅行よりも、オレたちだけの修学旅行をした方が面白いんじゃないって安室君が思いついたのよ。」
「それで面白そうだど思ったから、ついて行くことにしたんだ。」
武藤が言った。
それから話は盛り上がり、そのうちに電車は桑名駅へと到着した。
そしてそれからバスに乗って、長島温泉へと向かうのだった。
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