吾妻はや

豊岳正彦

第1話吾妻(あづま)はや輝夜(かぐや)姫はやさだ美はや

「令和三年三月二十五日行年七三歳かぐや姫永遠なり


望月(もちづき)の輝く白き玉の肌かぐやさだ美をとこしへに恋ふ

望月(もちづき)や光り輝く玉の肌さだ美かぐやをとこしへに恋ふ


未生(みい)ちゃんの恋ひしく鳴ける花姿優し笑顔に鈴音転がる


逢ひ見ては伊予の道後の正等覚親鸞の夢聖徳観音

逢ひ見ての伊予は道後の正等覚親鸞の夢聖徳観音


生(な)らぬ子を欲しと思わずただ人の優し笑顔を欲しとぞ思ほゆ


我は只管(ただ)姫の眼(まなこ)のおのが身に夙(つと)に注がれまほしあるのみ


吾(あ)の生くる恃(たの)みは妹(いも)の大(おほ)きくてあふるる涙優し瞳よ


此彼(しび)の岸塞(さ)へぐ流れは限りなし涸るる涙のあらむとぞ思ほゆ


恋ひて鳴き慕ひては鳴く明け烏(がらす)未生(みしょう)の鐘の声なりしかも


我が妹は心優しき人の生(な)り賽の河原に水子抱(いだ)けり


吾(あ)が先に散るべきものをなどて春一夜(いちや)を待たず君の散るとは

吾(あ)が先に散るべきものをなどて春一夜(ひとよ)を待たず君の散るらむ


人はみな母の遺体の我が身無し魂(たま)みな恋ゆる母の面影


君と往(ゆ)きし白砂(しらすな)光る大洗凧の離れて君のころべり


君が乗るケーブルカーを追い越さんデウ(神駅)の登坂(のぼさか)駆ける英彦山


秋田から錦繍(きんしゅう)越へて北上(きたかみ)へ宮沢賢治の蹟(あと)を訪ねむ


御前山(ごぜやま)の静(しずか)の桜よりもなほ清らに咲ける君桜花


兼六の雪吊り眺む茶屋の君長州訛に松前(まつまえ)を知る


みいちゃんを抱きて優し君の声


今はただ眠る暇(いとま)も惜しかりし止(や)まず流るる泣きの涙よ


君が駆る車で不覚夢の中醒めて腰抜くタイムスリップ


ああもはやもはやもはやもはやああ


惜しみてもなほ余りある久万桜(くまざくら)


惜しみてもなほ余りある久万(くま)桜最早(もは)や最早やも早(は)やも早や嗚呼(ああ)


願はくば同じ蓮華の台(うてな)にぞ南無阿弥陀仏南無さだ美佛(ぶつ)


三十一(みそひと)の文字の一つも早や辛し三つを数えず袖濡れ滴(した)る」


___


山口県熊毛郡平生町宇佐木真言宗御室派神峰山般若寺

御本尊

聖徳太子「同行二人どうぎょうににん」弘法大師般若皇后用明天皇満野長者夫婦塚

「佛前勤行集」


佛前のお勤(つと)め


合掌礼拝(がっしょうらいはい)

恭(うやうや)しくみほとけを礼拝(らいはい)したてまつる

御真言

おんさらばたたぎやたはんなまんなのうきやろみ


開経偈 かいきょうげ

無上甚深微妙法 むじょうじんじんみみょうほう

百千万劫難遭遇 ひゃくせんまんごうなんそうぐう

我今見聞得受持 がこんけんもんとくじゅじ

願解如来真実義 がんげにょらいしんじつぎ


懺悔文 さんげのもん

我昔所造諸悪業 がしゃくしょぞうしょあくごう

皆由無始貪瞋痴 かいゆむしとんじんち

従身語意之所生 じゅうしんごいししょしょう

一切我今皆懺悔 いっさいがこんかいさんげ


三帰 さんき

弟子某甲(豊岳正彦)尽未来際 でしむこう(ほうがくまさひこ)じんみらいさい

帰依仏きえぶつ 帰依法きえほう 帰依僧きえそう


三竟 さんきょう

弟子某甲豊岳正彦尽未来際

帰依仏竟きえぶつきょう 帰依法竟きえほうきょう 帰依僧竟きえそうきょう


十善戒 じゅうぜんかい

弟子某甲豊岳正彦尽未来際

不殺生 ふせっしょう

不偸盗 ふちゅうとう

不邪淫 ふじゃいん

不妄語 ふもうご

不綺語 ふきご

不悪口 ふあっく

不両舌 ふりょうぜつ

不慳貪 ふけんどん

不瞋恚 ふしんに

不邪見 ふじゃけん


発菩提心真言(三反)ほつぼだいしんしんごん

おん ぼうじ しった ぼだはだやみ


三摩耶戒真言(三反)さんまやかいしんごん

おん さんまや さとばん


般若心経

摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄  舍利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是  舍利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減  是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界 乃至無意識界  無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故  菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃  三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提  故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚  故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰

羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶

般若心経


佛説摩訶般若波羅密多心経(訓讀)

觀自在菩薩。

深般若波羅密多を行ずる時、五蘊皆空なりと照見して、一切の苦厄を度したもう。

舎利子。

色は空に異ならず。

空は色に異ならず。

色は即ち是れ空。

空即ち是れ色。

受、想、行、識も亦復(またまた)是(かく)の如し。

舎利子。

是の諸法の相は空にして。

生ぜず滅せず。

垢つかず浄(きよ)からず。

増さず減らず。

是の故に空中には色も無く。

受、想、行、識も無く。

眼、耳、鼻、舌、身、意も無く。

色、声、香、味、触、法も無く。

眼界も無く。

乃至意識界も無く。

無明も無く。

亦た無明の盡(つく)ることも無く。

乃至、老死も無く。

亦老死の盡ることも無く。

苦、集、滅、道も無く。

智も無く、亦た得も無し。

所得無きを以ての故に。

菩提薩埵。

般若波羅蜜多に依るが故に心に罣礙無し。

罣礙無きが故に恐怖(くふ)有ること無し。

一切の顛倒(てんどう)夢想を遠離して涅槃を究竟(くぎょう)す。

三世の諸仏は、般若波羅蜜多に依るが故に。

阿耨多羅三藐三菩提を得たもう。

故に知る。

般若波羅蜜多は。

是れ大神呪なり。

是れ大明呪なり。

是れ無上呪なり。

是れ無等等呪なり。

能く一切の苦を除きて。

眞實にして虚(むな)しからず。

故に般若波羅蜜多の呪を説く。

即ち呪を説いて曰く。

羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶、

般若心経(終)


御本尊十三佛御真言(三反) ごほんぞんじゅうさんぶつごしんごん

一、不動明王 ふどうみょうおう

のうまくさんまんだ、ばざらだん、せんだ まかろしゃだ、そわたや うんたらた、かんまん、


二、釈迦如来 しゃかにょらい

のうまくさんまんだ、ぼだなん ばく


三、文殊菩薩 もんじゅぼさつ

おん、あらはしゃのう


四、普賢菩薩 ふげんぼさつ

おん、さんまや、さとばん


五、地蔵菩薩 じぞうぼさつ

おん、かかかびさんまえい、そわか


六、弥勒菩薩 みろくぼさつ

おん、まいたれいや、そわか


七、薬師如来 やくしにょらい

おん、ころころ、せんだりまとうぎ、そわか


八、観世音菩薩 かんぜおんぼさつ

おん、あろりきゃ、そわか


九、勢至菩薩 せいしぼさつ

おん、さんざんさく、そわか


十、阿弥陀如来 あみだにょらい

おん、あみりた、ていぜい、からうん


十一、阿閦如来 あしゅくにょらい

おん、あきしゅびや、うん


十二、大日如来 だいにちにょらい

おん、あびらうんけん、ばざらだどばん


十三、虚空蔵菩薩 こくうぞうぼさつ

のうぼう、あきゃしゃ、きゃらばや、おん あり、きゃまり、ぼり、そわか



千手観世音菩薩 せんじゅかんぜおんぼさつ

おん、ばざら、たらま、きりく、(そわか)


聖観世音菩薩 しょうかんぜおんぼさつ

おん、あろりきゃ、そわか


馬頭観世音菩薩 ばとうかんぜおんぼさつ

おん、あみりと、どはんば、うん、はった、そわか


十一面観世音菩薩 じゅういちめんかんぜおんぼさつ

おん、まか、きゃろにきゃ、そわか


大通智勝仏 だいつうちしょうぶつ

おん、まか、びじゃな、じゃなのう、びいぶう、そわか(南無大通智勝仏)


毘沙門天 びしゃもんてん

おん、べいしら、まんだや、そわか



光明真言(三反)

おん、あぼきゃ、べいろしゃのう、まかぼだら、まに、はんどま、じんばら、はらばりたや、うん


大師宝号(三反) たいしほうごう

南無大師遍照金剛 なむたいしへんじょうこんごう


回向文 えこうもん

願わくはこの功徳(くどく)をもってあまねく一切に及ぼしわれらと衆生とみなともに仏道を成(じょう)ぜん



十句観音経

観世音 南無佛 與佛有因 與佛有縁 佛法僧縁 常楽我浄

朝念観世音 暮念観世音 念念従心起 念念不離心


観音小祈願

南無大慈大悲の観世音菩薩

種種重罪 五逆消滅 自他平等 即身成仏


舎利礼文

一心頂礼 万徳円満 釈迦如来 真身舎利 本地法身

法界塔婆 我等礼敬 為我現身 入我我入 仏加持故

我証菩提 以仏神力 利益衆生 発菩提心 修菩薩行

同入円寂 平等大智 今将頂礼



食事略作法(正座合掌)

食前のことば(般若心経一巻)

一粒の米にも万人の労苦を思い一滴の水にも天地の恩徳を感謝しありがたく頂きます

食後のことば

今すでに有難き食を受け、力身に満つ

願わくば身を養い心を修め報恩の道にいそしみます(南無大師遍照金剛三反)


佛前勤行了

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