ラブコメ野郎の正体は?
宮原陽暉
プロローグ
ラブコメ野朗は存在する。
いきなりなにを言っているのだこいつは、と思ってはいけない。
ラブコメ野朗はいるのだ。それは夢でも幻でもなく、この現実に。
そしてここで言う、ラブコメ野朗とは、少女マンガにしかいないような女顔の超美形で足が信じられないぐらい長くて頭がよくスポーツもできて人当たりも良い、そんなパーフェクト人間のことだ。
簡単に言ってしまうなら、ギャルゲーの主人公ような周囲に存在する全ての女性を虜にする色男のことである。
そいつの名は、
彼は、今現在も、王子様然としたさわやかな笑みを浮かべて女の子に囲まれている。きゃあきゃあと女の子特有のあまく高い声がして、その一帯の空気は間違いなく薔薇色をしているだろう。
それは、普通にモテない君たちが見れば殺意を抱きそうな映像である。
実際にそこらには、目を血走らせているヤツ、歯軋りをして悔しがっているヤツ、わら人形に釘を打ち込んでいるヤツ、月の出ない夜を選んでヒットマンを用意するヤツ。そんな嫉妬に狂った男、男、男がごろごろいる。
しかし――
姫宮燐には隠された正体がある。
それは誰にも知られてはいけない秘密である。
繰り返す、姫宮燐の正体は誰にも知られてはいけないのだ。
だが、不幸にも、一人の少年が彼の正体を知ってしまう。
そう、少年は見てしまった。
その、
ラブコメ野朗の正体は――
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