第9話


「それで、我慢できずに妹のアイリちゃんに手を出してしまったわけね...?」


「おまえな、俺の話をちゃんと聞いていたのか... ?俺は自分の部屋から逃げて妹の部屋へ行き、妹のベッドで寝たときちんと説明しただろ?」


「鍵もかけた。

だから朝まで俺はそこそこ熟睡できて、

まあまあ元気なんだ」


「寝ないで何回戦もしたら、寝不足で

きっと今、ふらふらで立ってらんないだろ...?」


「まぁ、目にクマはないみたいだけど...」


マヒロが俺のことちょっとジロジロ見た。

少し照れたけど、まぁ、男みたいな幼馴染。

別段、照れても少し、だ。


場面変わって。


俺は学校に登校し、

お昼休みに地毛で茶髪のボーイッシュな幼馴染を屋上に呼び出し、

昨夜の事件を話して聞かせていた。


俺の目の前にいて。

フェンスに背中を乗せて、男みたいにかっこつけている、パッと見、超絶イケメンは、男のように見えるが実は女で。


俺の幼稚園時代からの幼馴染で真島マヒロっていうんだ。


女子バレー部のエースアタッカー。

身長は174センチ。


うちの高校は

女バレが強い。


顧問の先生も厳しくて、

レギュラーメンバーは全員、髪の毛がベリーショートで男みたいにしてた。

髪型は短め。そんな決まりがあった。


なかでも、マヒロは顔立ちが整っていたから

、男に見えた。


認めたくはないが、俺より

マヒロの方が男前?で、毎年の2/14日ともなれば、

バレンタインチョコをマヒロのやつは

女子の後輩から滅茶苦茶もらってた。


俺はちなみに。


マヒロからしか貰ってない。


しかも、義理なのか、

本命なのか、分からない、

微妙な手作り感のあるチョコクッキーだったのだが。


「あ、これね。おかしのレシピ本

たまたま作ってみたの。シンジ、味見てくれない?」


と、バレンタインの三日前に渡されて、

当日は何も渡されなかった。


一応、俺は、ホワイトデーにマカロンの詰め合わせをあげておいたけど、


何だか毎年、俺のバレンタインはバレンタインらしくなかったんだ。




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