第30話〜許せなくなった

あれから、ずっと考えていた。


考えていた事というのは炎華の事だ。アイツの持っている病気は周囲の人間を最低一時間で死に至らせる毒ガスを持っており、それを黙って、俺に吸わせていたりそしてあの化け物の事も黙っていたりと。

嘘というよりかはただ何も言わなかったアイツが嫌いになった。

俺を殺したかったから黙っていた?そうならあの化け物が俺を殺そうとするのも納得だ。


いや…まずは病気の事について調べないと駄目じゃないか?こんなあやふやな情報だけで考えていくのは無謀むぼうだ。

そう思い、俺は自室でスマホを使い炎華がわずらっている病気を探した。


「えぇっと…なんだっけ?…ふ、らわー…なんとか…だよな」


検索してみると1回でヒットした。えぇ…要約するとだな。

先天性フラワーチェンジ症候群という病気に患っている患者は身体のどこかに毒花を咲かせる。そしてその毒花は毒ガスを振りまいており吸っていると最低一時間で死ぬ。

病気が進行していくと花は見事に咲くが枯れてしまうとその本人も死ぬ。

治療方法は今のところないが、人の新鮮な血や血肉を与えるとその病気の進行を抑制できる。

別名、悪魔の病


「あぁ…そ、そういうことかよ。だから俺を襲ったんだ」


俺は上記を読んでいる内に気づいてしまった。というか、分かってしまったの方が近いのかもしれない。


「何故、こんな重要な事を黙っていた炎華と俺を襲った化け物についての謎が解けたよ」

「俺を…いや、俺自身の体を使って病気の進行をストップさせる為にあの化け物は襲った。そして炎華も毒ガスで俺を殺した後に俺を喰おうとしてたんだ…」


この事に気づいた俺はゾッとした。窓からくる風が恐ろしく感じた。


今日も寝れるだろうか。



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