第19話〜好きな人
筋肉ゴリラは言った。
「好きな人が出来た」
それを聞いた瞬間、俺は驚いたが真っ先に出てきた言葉はー
「そのメスゴリラはバナナは咥えてるよな?」
ガリ勉は思った…「コイツ何言ってんの」と、
「バカバカっ!そんな事言うから殴られるんだよっ!バカなの?」
「しられえお、えかしゃあなくね?きぃんにくごおらにあぐなえるとはおおってない。(知らねぇよ、てか仕方なくね?筋肉ゴリラに殴れるとは思ってなかった)」
「これで許すが、次喋ったら殺す」
「ほぁごおとごわいわふ(あざーっす)」
そして筋肉ゴリラはスっとしたのか、話の続きへと戻った。ウットリした表情は正にゴリラだったがまた殴られたら今度こそ、取れそうなのでいうのはやめた。
「で、同じクラス?それとも下野動物園?」
「当てられるのなら教えてやるよ」
「えぇー誰だよ」
筋肉ゴリラは絶対にあてられないという謎の自信があった。その自信が鼻についたガリ勉はあてようと必死に考えている。手当り次第に、女の子の名前を挙げており彼は首を横に振るだけだった。
「瀬山!秋ちゃん!ジェシー!藤田ちゃん!和美ちゃん!山下!」
「はい全部ハズレぇ〜!カッスお前っ!」
筋肉ゴリラがガリ勉を
アイツが好きなタイプといえば…清楚系お姉様だ。しかしこの学校にはそんな
うーん、難しいなぁ。あーでも、今ちょっと出てきたあの子の名前でも出しとこうかな?
「
「……うっ…ほ……」
「えっ、まさか」
確かにここだけ聞くと筋肉ゴリラのタイプにどストレートにハマっているが…
「筋肉ゴリラくんよぉ、11歳年上プラス先生は無理じゃね?」
「同い年狙っとけば良いのにね。ちなみにガチ恋じゃないよな?」
「質問多いわ、てかオレは本気と書いてまじ卍だから」
まぁしょうもないネタは置いといて、こうも禁断の恋を包み隠さずに言えるのは凄いと思った。そんな勇気俺にはない。
あの子の事を言っても馬鹿にされるだけで、まともに取り扱って貰えないと思うし、この恋……やっぱり俺、あの子の事好きなんだ。
「筋肉ゴリラはどうするの?どうやって
「そこは俺の筋肉をアピって、力強さをアピって、パワーをアピってればOK」
結局、己の筋肉しかアピってねぇじゃねぇか。やっぱりコイツには禁断の恋とか無理だと思うわ。考えてた事が馬鹿らしくなってきた……
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