5月22日(月)晴れのち曇り 大倉伴憲との日常その37

 テストが始まったたまご料理の日。

 今日から木曜までの4日間がテスト期間になるので、安息の金曜を目指してテストと戦っていくことになる。


「じゃあ、次の問いに当てはまるのは?」


「え、えっと……」


 今回もテスト前には大倉くんと問題を出し合っていた。

 先週の月曜から何とか最新ゲームを封印してテスト勉強はできたようなので、そこはひとまず安心だ。

 

 そして、テストが終わった後は昼食を食べてから、学校の自習室で勉強する予定になっていた。

 しかし、僕が口を滑らせたことで、自習室での勉強時間は少し開始が遅れることになる。


「ええっ!? 家まで行って勉強を!?」


「しーっ! 声大きい!」


 幸いにも教室に残っている生徒はあまりいなかったから、大倉くんの声にそれほど反応はなかった。

 ただ、路ちゃんの家に行った件をつい言ってしまったのは失敗だったかもしれない。


「本当にそういうことあるんだ……」


「い、いや。別に家自体はもう何回か行ってるし、大倉くんにも話してるから今更驚かれるようなことでは……」


「そ、そうじゃなくて、家に行って勉強するってシチュエーションの方」


「ああ、そっちか」


「で、その後はなんやかんやあってえっっっな雰囲気になるやつ」


「いやいや、ないから! ちゃんと勉強してただけだから!」


「でも、実際至近距離で一緒に勉強してるのに集中できるものなの?」


「至近距離だったのちょっと時間だから……」


「やっぱりイチャイチャしてたんじゃない!」


 大倉くんにそんなつもりはなかったのだろうけど、誘導されてしまった。

 本当に時々話しているつもりなんだけど、大倉くんは常に初耳のような反応をされるので少々困ってしまう。


「産賀くん、正直な話をするけど」


「な、なに?」


「ボクはゲームを封印しているのに、産賀くんは彼女と一緒に勉強するのはなんか不平等じゃない?」


「そこは比べるところじゃないと思うけど。僕は勉強しているわけだし」


「くっ……勝者の余裕だ!」


「違う違う。大倉くんが思っているよりもずっと真面目にノートと向かい合ってる時間の方が長かったから」


「ボクが思ってるのはその後にエッチな――」


「どうしたんだ大倉くん!? 今日は、そういう日なのか!?」


「だ、だって、ボクとしては本当に不平等だと思ってるし……」


「そ、それは申し訳ないけど……」


「この世の全てが」


「範囲が広いなぁ!」


 いつもより少しテンション高めで長めに話してしまったのは、この後の勉強に集中するための前振りだったのかもしれない。

 ……そんなことくらいしか書くことがないほど、テスト1日目は平和だったということだ。

 引き続き頑張っていこうと思う。

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