5月4日(木)晴れ 塾での日常その2

 GW後半戦2日目のみどりの日。

 明日までは天気も良くてお出かけ日和らしいけど、今回のメインは塾での集中講義だ。

 普段は英数のみ受けているけど、集中講義では他の教科で復習すべき範囲も受けることになる。

 いざやってみると抜けているところが結構あったので、この機会に気付けたのは良かった。


「今日の講師の人、全然見たことない人だった。亜里沙はあの人からも習ってるの?」


「うん、国語の先生。というか、みんなお初だったんだ」


「わたしは塾の説明会の時に見かけたような……?」


 路ちゃんはそう言っているけど、同じ時に行った僕は今回の講師の顔は全く覚えていなかった。

 教科以外にも学年や時間帯で講師は変わっているようなので、集中講義の時に見かける人はお初にお目にかかる人も多い。


「じゃあ、いっぱい知ってる亜里沙は好きな講師の人とかいるの?」


「それは……どういう意味で?」


「判定は亜里沙に任せる」


「なる。まぁ、基本は全員わかりやすく教えてくれる先生だと思ってるケド、特に好きなのは……やっぱ水曜の真鍋先生かなぁ」


「その心は」


「いや、なんか雰囲気いい人じゃん? 授業はかっちりし過ぎてないし、休憩時間とか気さくに話せるし」


「……わかる~ 私も真鍋先生が一番いい。みーちゃんは?」


「……わたしも真鍋先生が親しみやすいと思う」


真鍋先生は30代くらいの男性講師で、水曜の英数を担当してくれている。

 爽やかな印象だと僕も思っていたけど、まさか女子3人から好評を集めるとは思っていなかった。


「うぶクンはどう?」


「僕も真鍋先生かな」


「へ~ でも、こうなると月曜の塚本先生がちょっと可哀想?」


「わ、わたしは塚本先生も落ち着いてて素敵だと思う」


「ただ、ちょっと不愛想な感じあるよね。仕事人って感じ?」


「あっ。それで行ったらみんなが知らないかもだケド……」


 その後も休憩時間中は塾の講師の話題が続いていた。

 学校よりは過ごす時間が短いけど、さすがにこれだけ通っていると、塾の講師についても色々言いたいことが貯まっていたようだ。

 GW中なのに午前中から動いてくれる講師の人達に感謝しつつ、残り1日も勉強してきたいと思う。

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