4月22日(土)晴れ 明莉との日常その88
風の音がうるさかった地球の日。
昨日、文芸部に新入部員が来たことから、明莉の部活の状況が気になって聞くことにした。
バドミントン部に入部したのは聞いていたけど、僕よりも家に帰るのが遅かったので、平日に詳しい話が聞けていなかったのだ。
「バド部はあかりを含めて6人入ったよ」
「おお。うちの倍だ」
「でも、まだ増える可能性はあるんじゃない?」
「そうかなぁ。だいたいこの時期はみんな決まってそうだけど。明莉の周りはみんな決まってるのか?」
「うーん……結構話す子は決まってる印象あるかな。実際、入部届出してるかまでは聞いてないけど」
ちなみに原田さんは明莉と同じタイミングで入部届を出してバド部に入ったらしい。
バド部は大山さんがいるからそれほど不安はなかったけど、原田さんも一緒ならより安心だ。
「あっ、そういえばうちに4組の野島さんって女子が入ったんだけど、明莉の知り合いだったりする?」
「実香ちゃんのこと?」
「既に名前呼びか……」
「いや、中学の同級生にも野島さんいたから名前呼びのほうがいいかと思って。水曜あたりに入部届出したって聞いた」
「そうか……って、それなら僕に知らせてくれても良かったのに」
「えっ? なんで?」
「いや、わりと誰も入部しないんじゃないかと思ってたから……」
「そんな切羽詰まった感じだったの」
「僕がというよりは2年生の部長と副部長がね」
「そうだったんだ。でも、入部届出したならりょうちゃんの方が知るの早そうだったし」
「僕は姉の方の野島さんから聞いて初めて知ったよ」
「えっ!? 実香ちゃんのお姉さんってりょうちゃんと同学年だったの!?」
「そこは知らなかったんだ」
「お姉さんがいるとは聞いたけど、詳しく話してなかったから。まぁ、あかりもりょうちゃんが文芸部とかは教えてないけど」
つまり、昨日の野島さん(妹)から見た僕は、初めて見る部活の先輩でしかなかったのか。
僕と明莉は似ている部分がなくはないけど、野島姉妹ほどわかりやすく兄妹感はないので、野島さんが察するのは難しいと思う。
「いやぁ、案外世間って狭いんですなー あかりの同級生探したら他の弟や妹もいるのかも」
「かもしれないな。僕の周りは結構一人っ子多いけど」
それから暫くの間、僕と明莉は学校での情報を共有する時間になった。
同じ学校にいてもお互いに知らないことはあるので、こういう時間は大切だと思う。
僕は野島さん(妹)と話す際は、全く知らない人と話すつもりでいなければならないのがわかったし、明莉は野島さん(妹)と新しい会話の引き出しができた。
……まぁ、後者は僕の勝手な考えなので、実際の会話に影響はないかもしれない。
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