11月1日(火)雨 後輩との日常・岸元日葵の場合その9
11月初日の火曜日。
本日は雨だったせいか、昨日よりも教室内が寒く感じた。
あまり早く出してしまうと冬本番が耐えられないと思っていたけど、そろそろカーディガンを始めとした防寒対策をして授業に臨まなければいけないかもしれない。
そんな今日は昨日の忘れてしまったハロウィンのお返しとして、朝のコンビニで飴のバラエティパックを買ってきた。
1日遅れたことは弄られてしまったけど、あげた人には喜んで貰えたので買って良かったと思う。
そして、大きめのパックを買っていたから放課後の部活でも配布できる分が余っていた。
「産賀センパイがハロウィン気分から抜けられてない……!」
「ち、違うから。これは昨日クラスで忘れてたから……」
ただ、こちらでも当然のように日葵さんや姫宮さんから弄られてしまった。
まぁ、わざわざ部活に持ってくるとハロウィンをまだ楽しんでいる奴に見えても仕方ないか。
「なーんだ。そういうことだったんですね。じゃあ、昨日はいたずらされまくりました?」
「まぁ、軽い罰ゲーム的なことはやらされたかな」
「日葵。副部長はそれが狙い」
「なる。女子から合法的にいたずらを……」
「違うから! 本当に忘れてただけだから!」
女子の方が多いこの空間でそれを言われたらたまったものではない。
でも、桐山くんだけは「その手があったか……!」という反応をしていた。
これは後で注意しておこう。
「でも、男子はいたずらされたい気持ちはあるんじゃないですか?」
「な、なんでそう思うの」
「だって、SNS見てるとだいたいそんな感じだし。アイドルのリプ欄とか」
「そこはまぁネットの話だから……」
「日葵。副部長はネットだと暴れん坊」
「なる。現実ではそんなにか……」
「2人は僕をどうしたいんだ!」
ここで引き合いに出すのは違うのはわかっているけど、せっかくこの前の打ち上げを頑張ったのにこの仕打ちである。
「産賀センパイ……気付いてないんですか?」
「えっ? 何を?」
「これがひまりと青蘭のいたずらでーす!」
日葵さんがそう言うと、姫宮さんは薄く笑いながらピースした。
「……僕はお菓子をあげたはずなんだけど」
「あっ……ほら、男子はいたずらされたいかなーと思って」
「私はいたずらしたかったので貰ってもしました」
「正直だね! はぁ……まったく」
「まぁまぁ。ハロウィン延長も楽しくていいじゃないですか。あっ、路センパイは産賀センパイにどんないたずらしたんですか?」
「ええっ!? お菓子じゃなくていたずらの方!?」
その後、日葵さんと姫宮さんの興味は他の部員んい移っていった。
これが現代の若者か……とよくわからない感想を抱いてしまうほど、2人のペースに巻き込まれてしまった。
そう考えると、うちのクラスはわりと落ち着いていたので、みんな大人になっているのかもしれない……この感想で合ってるのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます