7月25日(月)曇りのち晴れ 大倉くんとの夏休みⅡ
夏休み5日目。この日は大倉くんといつも通り通話を繋ぎながらゲームをした。二日連続でがっつり遊んでしまっているけど、そうしても何とかできるのが夏休みである。
「いやぁ、昨日の大倉くんは凄かったなぁ。全部想像していたよりも上手でびっくりしたよ」
『そ、そうかな? ボクとしては自信があるのは太鼓くらいだったんだけどね。で、でも、みんな楽しんでくれたみたいで良かった』
「それはまぁなんだかんだみんなゲームは好きだから。また行こう……お金が少し貯まったら」
『そ、そこだよね……まだ夏休みは長いんだからお金を使うところあるだろうし』
「たとえば?」
『……確定ガチャ引くとか』
「あー……夏のお小遣いを狙ってね」
『そ、そう言われると凄く運営に乗せられている気がする』
大倉くん、残念ながら気がするのではなく乗せられているんだ。でも、ゲームに還元するのは素晴らしいことだから恥じる必要はないと思う。
『う、産賀くんはこの夏休みで大きな買い物する予定は?』
「買い物は特にないなぁ。直近の予定だと文芸部の1年生と2年生でプールへ行く予定だけど……」
『リア充だ』
「それだけでリア充判定なんだ。でもさ、こういう時って……先輩としておごったりした方がいいのかな?」
『プールでおごるって言えば……遊び終わった後のアイスとか?』
「それもだけど、全体的におごるべきなのかなーと。誘ってくれたのは1年生の方だし、感謝の意味と……先輩としての威厳を見せる意味で」
『お、おごるイコール威厳でもない気がするけど』
「そ、そうか。でも、こういう場面でおごるくらいしないとあんまり先輩感出せないんだよなぁ、僕……」
『そうなの?』
話の流れで愚痴っぽくなってしまったけど、大倉くんは聞いてくれる感じだったので僕は喋ってしまう。夏休みに入る前、短い期間で1年生と仲良くなれたとは書いたけれど、先輩として見られているかと言われたらそうでない気がする。
「いや、別に先輩後輩関係なく接してくれるのはいいと思うんだよ? でも、なんかこう……」
『きちんと先輩扱いされてみたい気持ちもあると』
「……うん、そう。贅沢は言わない。せめて弄りを控え目にしてくれたら」
『う、産賀くんも……意外に俗っぽいこと考えるんだね』
「えっ? 僕はそこそこに俗っぽいと自分では思ってるけど」
『だって、松永くんや本田くんといる時はわりと冷静な感じで、そういう風に考えそうなのは松永くんだから。それによく弄られるのも松永くんでしょ?』
「そう言われるとそうか。でも、僕と松永が2人だけだと松永の方に弄られてるから……普段のうっぷん晴らしをしていたのかもしれない」
『ふふっ。それでいうと、ボクは4人でいる時だと見てる側に回っているけど、この場なら産賀くんのこと弄ってる気がする』
「確かに。あと大倉くんはここだと自虐もよくする」
『そ、そうかなぁ……未だと自虐は本田くんの持ちネタだから……』
「そうそう。でも、4人だと本田くんが一番他3人を振り回せるタイプだと思う」
『わ、わかる。そんな本田くんは剣道部だとすっごく真面目で……』
そんな風にこの日の話は何故かいつもの4人がどういうポジションなのかを色々言い合うことになった。
もしかしたら弄っている側の1年生たち(この場合は日葵さんと姫宮さんのことを指している)も別の場所だとポジションが変わるのかもしれない……と思った。
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