約束の再会

勝利だギューちゃん

第1話

もうじき、ゴールデンウィークに入る。

例年なら、この時期に旅行する人も多い。


しかし、世はコロナが全盛している。

(しなくて、いいのに・・・)


そのためか、家で過ごす方の方が多い。

僕は出不精なので、コロナは関係ないが・・・


しかし、この時期にはどうしても、会わなければならない人がいる。

滅多に会えない人。


「毎年、必ず来てね」

そう約束をしていた、大切な人。


でも、昨年はさずがに行かなかった。

さぞ、怒っているだろう・・・


僕は、恐る恐るその人に会いに行くことにした。


距離はそんなに離れていない。

会おうと思えばいつでも会える。

それが、ネックなのだろう・・・


しかし、2年も会わないわけにはいかない。


僕は、彼女に会いに行くことにした。

(断っておくが、彼女は生きています。

故人の墓参りではないので・・・)


「久しぶりだね」

彼女に声をかけれらる。

偶然だ。


「偶然じゃないよ。互いにひかれあったから、むしろ必然」

彼女は、笑う。


「昨年は、会えなくて寂しかったよ。でも、仕方ないけどね」

そう、全てはコロナが悪い。


「こっちは大変だったよ。君のところはどう?」

こっちも大変だ。


「たまには、戻ってきてね。待ってるから。

じゃあ、またね・・・」

彼女は、そういうと、軽く撫でて、去っていた。


今から、10年も前になる。

僕は、この世を去った。


天涯孤独だった僕を、看取ったとは彼女。

彼女とは幼馴染で、天涯孤独となった後は、彼女のご両親に面倒を見てもらった。


でも、高校卒業した直後。

僕は、突然倒れ、そのままあの世へと、行った。


それが、ゴールデンウィークの時期。


生前、彼女とは約束をしていた。


「もし、どちらかが旅立ったら、命日には墓参りに来ること」


そう・・・

命日の日が、彼女と再会出来る唯一の日。


いつか、彼女もこっちにくる。

それまでは、彼女を暖かく見守ろうと思う。




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約束の再会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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