h24.04.01. doubt


 見上げれば、通り過ぎていく逆夢。

 虹を渡す雨の中、想う。

 確かめ合ったいつかの歌が、まだあの海のどこかを泳いでいたらと。


 漣が向かう世界のほとり たどり着いたのなら腰かけよう?


 頁のように踊る髪を 五本の栞が、そっと押さえた

 冷たい頬が理由を求め すべての雨が一度に降った。


 きっと、

 涙も流せずに零れた笑顔は 君と似た強さの翳りで

 包む日溜まりを縁取っていた 擁く手も無く揺れていた。



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