h22.05.13. 喉笛チョーキング




 足跡の残らない道と気付き立ち止まる。声を惜しみつつ吹く風に名を問うような


 辿り着いた陸橋の下

 見上げれば太陽を庇い渡っていく喉

 遠退く灰と降り注ぐ青のコントラストで擦れ違う

 君も抱きしめられた事が無かったのだろう


 思いは頬を伝うばかりで あとはどこに向ければいい?

 あなた達は大切な事ばかりを知り 持ち帰る?

 ああ可笑しい? ああ正しい? そんなにか

 言わないと。「誰からも必要とされないんだ」と

 誰かに言われる前にはさ


 同じように刈り取ればいい どこまで往けそう? 声を殺す夜に

 朝が来るよ日が昇れば終わる それまでにどこまで往けそう?

 灯りが無いから進める道も在るんじゃない

 だったら言われる程じゃあ無いんじゃない


 独り繰り返すバンドスコア コード譜の壁 迷惑そうなマジョラムとアジアンタムに霧吹き

 独り書き起こす紙面 広がる詩想を前に確かめもせず

 否定された声と言葉で始めてしまえ



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る