【R15?】美少女たちのパーティー PART4【なずみのホラー便 第88弾】

なずみ智子

美少女たちのパーティー PART4

 今、思い返せば、あの夜のパーティーの誘い文句は、兄・ステファンからの”ふざけた罠”であっただろう。



 誕生日前に幾人目かのガールフレンドと別れたばかりの高校生ブライアンは、気晴らしになれば、とステファンにパーティーに誘われた。


「すっげえ美少女ばかりが集まったパーティーだぞ。それだけは俺が保証する。気になる子がいたなら、お前がちゃんと”いただける”ように俺も協力するぜ」


 二歳年上のステファンは、異母兄弟とはいえブライアンにとっては唯一の男兄弟である。

 だが、普段はそれほどブライアンのことを可愛がってもおらず、ましてや女の子を世話してくれるようなことは今まで一度もなかったはずだ。


 罠かもしれない……と嫌な予感を感じつつも、ブライアンはほのかな期待に鼻の穴と別のところを少しだけ膨らませ、パーティー会場へと向かった。


 確かに、”すっげえ美少女ばかりが集まったパーティー”であった。

 ステファンは嘘はついてはいなかった。

 だが、総勢十四人の超美少女たちの誰一人として、ブライアンは”いただきたい”と思えなかった。

 そもそも彼女たちと自分は、唇へのキスすらヤバい関係にある。ヤバいというより、許されない。


 けれども……ブライアンは”改めて”感心せずにはいられなかった。

 例えるなら、”リンゴがいっぱいなった一本の木みたいなネットワーク”において、たったの一人もハズレがいないばかりか、キュート、プリティー、ビューティフル、セクシー、ホットと様々な魅力に枝分かれした美少女たちが揃うなんて、まさに奇跡的な確率だ。


 そのうえ、パーティーには美少女たちだけでなく、八人の美女の姿までもがあった。

 ブライアンにとって、”八人の美女のうちの一人”については、その美貌を認めてしまうとむずがゆい気持ちになってしまうも、彼女たちのルックスは皆、揃いも揃ってハリウッド女優級であるばかりか、またまた揃いも揃って高学歴&高収入で、”男”が養育費を一銭も支払わなくとも、何不自由なく子どもを育てていけていた。


 しかし……信じられないことに、彼女たちの”男”というのは同一人物なのだ。

 ”ブライアンの母”含む美女たちの誰一人として、結婚という制度にこだわらなかったばかりか、普通なら憎しみあうような関係であるのに、なぜか皆、仲が良かった。

 現に今も、ブライアンの母はステファンの母と笑顔で談笑している。

 そのあり得ない仲の良さは、娘たちにも伝染し、美少女たちは子猫のようにじゃれ合っていた。


 八人の女との間に、十四人の娘と二人の息子。

 そう、美少女たちは皆、異母姉妹。

 

 男にとってどこまでも都合の良いハーレムを作り上げた”魔性の種まき男”もとい、ブライアンの父でもありステファンの父でもある男は、彼らの到着に気付いたらしい。


「やっと来たか、二人とも。ブライアン、少し早いがサプライズでお前の誕生日パーティーだ。こうして”全員”集まったんだ。今夜は楽しい夜になるぞ」


(完)


 ホントウニ、コレデ、ゼンインナノダロウカ……(・・?

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