攻略・ヴィクトリア深部①
◇
【跳躍のアイスクロースシューズ+3】
装備可能条件 LEVEL45以上 AGI75以上
※現在のステータスでは装備できません
※現在の職業では装備できません
DEF+35 MDEF+55 AGI+10
属性[跳躍][ステータス上昇]付与品。
ラロシアアイスのボス素材を元に造られた鎧。
美しいだけではなく強靭な素材で作られており、高い魔法防御力を誇る。
また装備すると足が軽く感じる特殊な効果がある。
またステータス上昇効果を持つ。
レアリティ:6
製作者:あんこたい焼き
製作者コメント:交渉おけ 相談8Mから
価格:10,000,000G
◇
「ああ、十六夜ってもしかしてコレ装備してたのか」
今日は祝日。
色々家の事をやってからログイン。
何となく露店エリアにある装備を眺める。偶にゆっくりしても良いだろう。
『跳躍』スキル……ドクも持っているスキルだ。
見せてもらったが、溜める事によってその溜めに応じた跳躍力を得られるらしい。
最大まで溜めれば――あの時の十六夜の最後の攻撃のようなジャンプが出来る。
「……ドクは装備とかじゃなく素だけど。こういう所は戦闘職の差が出るな」
彼女曰く素手戦闘をしていたら勝手に手に入ったらしい。
恐らく一定量のAGIと足を使った戦闘の経験がいるんだろう。
羨ましい事この上ないな。
「で、俺は――」
□
【敏捷のスチールレザーシューズ+2】
装備可能条件 level40以上 DEX45以上
DEF+45 MDEF+35 AGI+20
属性[ステータス上昇]付与品。
鋼を元に造られた鎧。
鉄防具よりも格段に防御性能がアップした。
またステータス上昇効果を持つ。
レアリティ:4
製作者:生涯初心者装備
製作者コメント:投げ売り 買って♡
価格:1500000G
□
「……投げ売り……」
交渉とかもうそういう次元じゃなくなった。
さっきのモノとは何もかも違うが――仕方ない。
実際投げ売りと言ってるだけあって取引掲示板より50万程安い。
購入!
《 敏捷のスチールレザーシューズ+2を購入しました!》
《1500000Gを消費しました》
「……大分装備も揃ってきたな」
魂斧に、プレイヤーメイドの装備が二つ。
良い感じだ……着々と整う自分のそれを見ると嬉しくなってしまう。
貯金狂だったシルバーと出会う前の俺は、ほぼ装備なんて買わなかったからな。
実際良い装備を買って効率を上げた方が良いに決まってる。
……と、言う訳で。
今日は王都ヴィクトリアの深部まで行ってみるか。
☆
《ペリリトン LEVEL49》
『ッカアー!!』
「うわぁ!?」
「やば――」
「コイツ動きはやすぎ、ぐあ……」
《ミニドラゴ LEVEL47》
『――ゴアア!!』
「HPゴリゴリやられる!!」
「コイツのブレス防げねえんだけど――あっ……」
《リザードマン LEVEL46》
《リザードマン LEVEL47》
《リザードマン LEVEL47》
「仲間呼ぶとか聞いてねえ!」
「きたね~ぞ!」
「後は任せた……」
水辺の近くに居る人型の魚人。槍を持って攻撃してくる。
そこは、深部といっても賑わいを見せていた。
草原のエリア。
森林のエリア。
水辺のエリア。
あちこち様々な風景が広がっており、それに属したモンスターが居る様だ。
現実世界じゃまずありえない類の風景だな。
十メートル歩けば地面が違うんだから。
「案外人が多い……」
深部に来ればと思ったが、よく考えたらさっきのウサギのエリアはそこまで人がいなかった。
そりゃこっちに居るはずだよな。
で、その理由といえば――
《ビッグアースタートル LEVEL53》
「――ボス湧いた!」
「ファーストアタックしろ!奪われるぞ」
「おらあ!」
「よっしゃ一番もらった――」
「……あ、消えた」
大きさで言えば氷雪の大鹿並の大きさのデカい亀が、突如森林エリアに沸いたと思ったら。
その後現れた大人数のパーティが攻撃し、その両方が消えていった。
「そりゃあのままここで戦われたらな」
フィールドボス的なモノなんだろう、まさかこんなところで湧くとは。
そしてあのプレイヤーの湧きっぷりを見ると――恐らくアレがここの人が多い理由なんだろう。
いつか戦いたい……なんて思ったがまずはあの『争奪戦』に勝たなければならない。
《ミニドラゴ LEVEL48》
『ゴアァ!!』
「はは、やるか?」
口から炎の様なモノをふつふつと出すその竜。
俺はソレに、魂斧を向けたのだった。
☆
アレから早一時間程。
まとめると……
『ペリリトン』。
コイツは前の『アイスバード』の進化版って感じだ。
見た目はペリカンを凶悪にした見た目だから似ても似つかないが。
主なパターンは大きな単体の水弾。
そして地面への急降下突撃。
最初は苦戦したが、地面へ降りて来た所を攻撃すれば難なく終わった。
ちなみに苦戦の理由は突撃中のコイツの顔だ。威圧感が凄かったな……。
そして『ミニドラゴ』。
茶色い鱗に身を包んだ小さな竜だ。
そしてジャンルで言えば『地竜』?で、飛んだりせず地面での行動しかない。
攻撃は引っ掻きにタックル、そして強力なのが『炎ブレス』だ。
時間で言えば5秒間、2メートル程の炎をこちらへ吐いてくる。
勿論避けようとすれば避けた先へも。
コレは防御しようものなら状態異常『火傷』になるし、まともに食らえばそれに加え大ダメージ。
避けなければ一撃で劣勢になる――が、逆に防御しなければいいのだ。
落ち着いてブレスの準備行動を観察、そして見えたら距離を取りブレス中は近付かない……これを守れば大丈夫。
「ま、ペリリトンの三倍ぐらい時間掛かったけどな……」
嘆く。
見た目通りのその固さ、ブレス攻撃中は投擲しか出来ない攻撃効率の悪さ。無理すれば攻撃可能だがリスクが大きい。
経験値もペリリトンとほぼ一緒だし。
コイツに人気がないのも頷ける。あ、メリットはソレか。
そして最後……『リザードマン』。
結論から言えば瞬殺。
リザード(マン)と付いているだけあって――『魂斧』が効きすぎる。
コレまでの二匹がなんだったんだってぐらいダメージが出て、一瞬で片が付いた。
……見た目は蜥蜴が擬人化した、ファンタジーのお決まり種族。
槍による近接攻撃に仲間を呼ぶという特性はあるが……魂斧の場合呼ぶ前に終わってしまう。
試しにスチールアックスで闘ってみたが、確かに三匹まで呼ぶ習性がある。
効率だけで言えばコイツが優秀だろう、ぶっちぎりで。
だがまあ元々そこまで強くない為かなりほかのプレイヤーにも人気だ。
何より仲間を呼ぶ習性もあってパーティ『狩り』には持ってこいである、一匹残せば無限に呼んでくれるからな。
『ゴアッ……』
《レベルが上がりました》
「……ふう、やっと上がった――」
《投擲スキルのレベルが上がりました》
《片手斧スキル・投擲スキルが一定レベルに達した為、武技『アックスブーメラン』を取得しました》
「――えっ」
仕方なく人気の無いミニドラゴと遊んでいたら、そんなアナウンスが流れた。
「そういうのもあるのか……どれどれ」
スキルとスキルが合わさった武技。
そういえば黄金の意思も逆境と不屈だし似たようなものか。
□
≪スキル説明:片手斧≫
片手斧を扱った攻撃にダメージボーナスを与える。
レベルが上がる毎にボーナスは増え、またレベルに応じた武技を扱えるようになる。
≪現在扱える武技≫
スラッシュ:消費MP10 クールタイム3秒
片手斧で斬り付ける攻撃を行う。
攻撃力に依存したダメージを与える。
パワースウィング:消費MP20 クールタイム10秒
片手斧を力強く振り下ろす攻撃を行う。
隙は大きいが大ダメージを与えられる。
ラウンドカット:消費MP25 クールタイム20秒
片手斧を周囲へ振り回す攻撃を行う。
隙は大きいが広範囲の敵に同時にダメージを与えられる。
アックスブーメラン:消費MP20 クールタイム20秒
片手斧を投擲する攻撃を行う。
投擲後斧は投擲した手の元へ戻ってくるが、投擲威力によってはそのまま飛んでいってしまう事も。
□
「……おいおい大丈夫か?これ」
書いている限りじゃ、思いっきり投げれないし投擲中の隙が大きい。
まあモノは試し。
「よっ、『アックスブーメラン』……うおっ!!」
パワースロー同様、青いエフェクトと共に飛んでいく片手斧。
そして――いや当たり前なんだが――戻ってきた。
「……っ、中々慣れないな」
手に戻ってきたスチールアックスを受け取る。
まあでも、投擲の弾が減らないのは良いな。
「じゃあ今度は……『アックスブーメラン』――らあ!!」
投げるモーション、そして武技発動……その後、力いっぱい放ってみる。
「あ……」
説明文通り。
そのまま――俺の一万Gは彼方へ消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます