閑話:商人スレの英雄達Ⅱ

掲示板回:提案する者達


【Gください】RL商人専用スレ 三十五G目 【Gよこせ】



1:名無しの商人


話題のVRMMOファンタジー『RL』の商人専用スレッドです。

過酷な状況ですが、見習いから熟練の商人まで情報共有しながら頑張りましょう。



【RL公式】htp://reallifeonline/members.html


【RL公式ブログ】htp://rl-no-blog.livedria/baz


【要望・報告(ほぼ意味なし)(ク○)】htp://rl.jp/helpdesk/wespx


【RL-攻略Wiki】htp://rlnet/wiki/baz




前スレ


【黄金の一撃】RL商人専用スレ 三十四G目【黄金の蘇生術】

https://ncode.syosetu.com/n8329gj/


2:名前:名無しの商人

立て乙


3:名前:名無しの商人

あざ!

ついにこのスレも35か……なんか感慨深いな


4:名前:名無しの商人

スレ立てありがとう

一時期ストップしてたから他職に比べて少ないが、順調に伸びてきてるな


5:名前:名無しの商人

立てありがとう

変なのが来ないと良いんだけどなあ


6:名前:名無しの冒険者

うーーっすWWWWWwWWW

んgsんぎにあんgなgじゃいがんgな


7:名前:名無しの商人

↑変なの


8:名前:名無しの商人

オツアリ

そういやなんで冒険者と仲悪いんだっけ?俺達


9:名前:名無しの商人


別に仲悪い訳じゃないよ 

あっちは戦闘職だから普通に戦える、かつレアアイテム掘るのに有用なスキル持ってるから商人の立場が無くなったんだわ


10:名前:名無しの商人

要は俺らが勝手に恨んでただけか……まあ、こうやって煽りに来るのも居るけど


11:名前:名無しの商人

何つーか……俺達は俺達で頑張るようになったから話題には上がらなくなったな


12:名前:名無しの商人

愚痴スレだった時がえらい昔の事に思えるぜ


13:名前:名無しの商人

ほんとだなぁ(しじみ)



◇◇◇



「……いやぁ、本当だよな……」



俺はしがない商人、レベルは早35。


最近はもうソロでもアイスベアーやバーバヤーガ辺りを、余裕に相手出来る様になった。

レベルも勿論だが、慣れが一番大きいかもしれない。

……全く、最初はあんなに苦戦していたのに、案外行けるものなんだよな。


対人戦もほとんどは失敗だが、かなりPK職相手に動けるようになったと思う。一番は相手の油断ではあるが。

黄金の一撃が本当に良い働きをするのだ。ただし金は減る。





「……お、俺レベル上がった!」


「おめ!んじゃ俺達全員もう35か」


「ってことは一応、次の街に行けるな。『リーダー』」



今は、『そうきゅう』と『商人一号』と俺で狩りをしていた。

……この二人ともかなり長いんだよな。あの時――死線を潜り抜けた仲間達だ。


一人で狩るよりもパーティーで狩った方が効率も精神的にも凄く楽で、おかげですいすいとレベルが上がっていく。


今はレベルが全員揃ったので、休憩を入れている最中だ。

ちなみに、『リーダー』ってのは俺の事。

いつの間にかパーティリーダーをよくやっているからという理由で、そのあだ名がついた。

『リーダー』の俺、『そうきゅう』に『商人1号』の三人パーティーでいる事が最近はほとんどだ。



「……とは言っても『アレ』はキツいだろ……何つーか、行商クエストとはまた違うベクトルだわ」


「はは、そうだよな~」


「確かに」


「単純に同じ役職が三人って時点でおかしいからな」


「くっそおー、どうすっかなー!」



アレってのは……『フィールドボス』だ。

ソロの亡霊?は論外として――氷雪の大鹿、大鷲。


一応スレで人数を集めて両方試したが……どっちもきつい。

何といっても、火力が足りない。

更に言えば、回復も盾も足りない。


……うん、全部だな!

PK職との闘いはそれはそれできつかったが、フィールドボスはゲーム的に無理だと教えられている様な感覚だった。



「いつか、俺達はアレを倒さなきゃ行けないんだよな……」


「はは……」


「ま、レベルを上げりゃ何とかなる――と信じたい」


「……ちょっと、スレの奴らに投げてみるか」



休憩ついでに、俺は掲示板に投げてみるのだった。



◇◇◇



30:名前:名無しの商人

なあ、ちょっと相談なんだが

フィールドボスに挑むにあたって、中々苦しいんだけどどうしたらいいと思う?


31:名前:名無しの商人

>>30

おっ商人最前線組か?お疲れさん


32:名前:名無しの商人

>>30

苦労してそうだなw

うーん、やっぱ職業が偏ってるからそれだ……


33:名前:名無しの商人

やっぱそうか

でも、かといって他職が協力してくれるとは思えねーんだよな


34:名前:名無しの商人

あーやめとけやめとけ

アイツらほんと商人ってだけで追い出すぜ


35:名前:名無しの商人

まだまだ商人は除け者だからな


36:名前:名無しの商人

もう寄生なんてしてねーっての!


37:名前:名無しの商人

うーん、やっぱ俺達でやるしかないか


38:名前:名無しの商人

>>37

……一つ、思い当たる手があるぞ


39:名前:名無しの商人

>>38

何だ?


40:名前:名無しの商人

同じ『不遇職』を探すんだよ


分からねえけど、きっと商人以外にも居るはずだ


41:名前:名無しの商人

同じ不遇同士仲良くやろうって奴だな


良い手じゃ


42:名前:名無しの商人

……割とありじゃね?


43:名前:名無しの商人

不遇の回復職と不遇の盾と不遇の火力役が居れば商人要らないじゃん


44:名前:名無しの商人

そういう事言うなってwwwww


45:名前:名無しの商人

まあでも、実際そのどれかが参戦してくれたらかなり楽になりそう

ただ不遇の集まりだから結局は辛そう


46:名前:名無しの商人

とりあえずちょっと攻略見てくるよ


ありがとう助かった



◇◇◇



「……うーん、不遇って案外少ないのな。そりゃそうか!」


「ざっと見て……『盾士』『修道士』、『魔法剣士』ぐらいか?他もあるがまあとりあえず3つ」


「あるだけマシか~」


「――って……お前ら、見てたのかよ!」



掲示板から目を放すと、既に二人は『それ』を探していた。



「ははは、当たり前だろ。俺達は掲示板で出会ったんだぜ?」


「……何か、そう言うとキモいからやめてくれ」


「可愛いハルちゃんみてぇなパーティメンバーが欲しいよ」


「ははっ、それはそれでパーティ崩壊の危機だな」


「怖ぇ事言うなよ!……お、あったあった。読み上げるぞ」



軽口は程々に、情報通?の『商人一号』がその不遇職を呼びあげていく。



「まずは『盾士』、上位職『重盾士』――こいつらは、そこまで不遇じゃない」


「確かに、あんま聞かねえぞ。何ならかなりパーティーに居る」


「……もしかして、不遇って性能的にじゃなくて当人の負荷的なやつか?タンクってよくそういうのあるだろ」



俺はよく分からないが、タンクってのはかなり不憫な扱いを受けるらしい。

責任はデカいのにやる事は地味、デカいダメージを叩き出すアタッカーや分かりやすく支援が出来るヒーラーと違うのだ。


……ただ、人によっちゃそれが堪らないとか、それこそがタンクとか言う声もある。



「お!リーダー流石だな。それもあるが、盾士はかなり地味なんだ。聖騎士みたいに回復とかも無いし、『ただ硬い』だけ。それが強いんだけど」


「パーティからは必要とされるが本人達は辛い、か――しかも火力が無いからソロもお察しだな」


「ははは、まあでも必要とされるのはデカいぜ!」


「……ただ――これじゃ俺達と組んでくれる訳ないか」


「ああ。なんたってパーティに引っ張り凧なんだろ!次だ次!」



催促を掛ける『そうきゅう』。

それを受けて、『商人一号』が読み進めていく。



「ちょっと待ってろ――えっと、『修道僧』は所謂いわゆるモンクだな。回復職なのに近接職みたいな扱いだ」


「それ強くね?」


「いいや……ヒーラーを求めてるのにアタッカーです!って言われたら、パーティとしたら『うーん……』だろ。他にヒーラーが居るならともかくな」


「あと聖騎士みたいに防御も無いから紙、普通に殴れば反撃で死ぬ――しかも意外と火力があるからヘイト向きやすい」


「ヒーラーが回復優先させられてどうすんだよ!ははは」


「……ただ――これも不遇といえば微妙だな。普通にアタッカーとして強いし、上手い奴は一人で殴りながら被弾を自己回復出来る……なんか何時までも闘い続けられるらしい」


「かっけえ!『自己完結』しちゃってるじゃん!」



思わず『そうきゅう』が声を上げる。

……なら、俺達のパーティに入る必要ないな。


してるし。



「次、行くか……」


「あ、ああ」


「えーっと、最後に――『魔法剣士』」


「響きかっけえな!でも確かに見ない」



また『そうきゅう』が声を上げる。

うーん、俺も見た事ないぞ?商人並みに。



「……コイツは結構だな――えっと、簡単に言えば『超絶器用貧乏』だ。盾も火力も回復も何でも出来る」


「すげぇ!!けどそりゃダメか」


「はは、その通りだよ。どれか一つに特化すれば何とか他職の劣化程度で済むが、かといって特化したらその器用さのメリットが消える」


「……え、どうすんのそれ」


「特化しても他職に並べるか分からない程度、そして二つ、三つに伸ばせば器用貧乏」


「ソロならいけそうだけど……」


「はは、そう思うだろ?でもな――単純に、この職業は弱いんだとさ」



『商人一号』は決め顔でそう言う。

……なんか活き活きしてるな。



「まず、魔法剣士専用の装備――『魔法剣』。これが厄介で、要求ステータスが各ステータスに均等に振らなきゃならない」


「は?ひどすぎだろ!」


「これのせいで特化の道は消える。んで加えて……装備の作り手が居ない。俺達の片手斧はまだ戦闘職が使ってたりするんだけどな。魔法剣は彼らだけの専用品なんだ」


「うわあ……」


「いやあ何か楽しくなってきたな!魔法剣士は他にも色々あるらしいが……まあそういう事よ」


「……よし、分かった」


「だな!」



俺達は、同時に三人顔を見合わせる。


……意見は合致したようだ。



◇◇◇



47:名前:名無しの商人

決まったわ お前らありがとう!


48:名前:名無しの商人

お、どうすんの


49:名前:名無しの商人

『魔法剣士』を、仲間に入れる事にした!



◇◇◇







「……あ、ちなみに商人は?」


「『殿堂入り』」


「う、嬉しくね~……」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る