TRPG歯車の塔の探空士オリジナルシナリオ「とうふウイルスのお節介」
@EnokiFrozen
とうふウイルスのお節介
歯車の塔の探空士オリジナルシナリオ
「とうふウイルスのお節介」
2021.04.03
冷凍えのき
0.はじめに
このシナリオで遊ぶには、「蒸気と冒険の飛空艇TRPG 歯車の塔の探空士 基本ルールブック」が必要です。
シナリオ必須ギミックの特殊ルールと、選択制の特殊ルールがあります。(詳しくは後述)
また、飛空艇のパーツに医務室があると良いかもしれません。
また、本シナリオは第九回ムビシナお題「バイオハザード」に参加するべく書いたシナリオです。しかし、著者はバイオハザードそのものを見たことがありません。有識者から確か(だと思われる)情報を得て、それをもとに執筆しています。大丈夫か。
以上を踏まえたうえでどうぞよろしければプレイしてみてください。
1.プロローグ
彼らは浮遊生物の一種である。
生物に分類されるかどうかはその学問によるが、歯車の塔から少し離れた上空を浮遊していることには間違いない。
また、彼らには目的がある。優しく、同時に偏執した目的だ。
彼らは、自分たちの縄張りを通りかかった生命たちの様子をじっとうかがっている。
そして、彼らが「これはよくない」と判断すると、彼らはキミの体内に侵入し、増殖を始めるのだ。
─大昔に探空士の間で囁かれた都市伝説より
2.オープニングフェイズ
最近探空士たちの間で、不思議な熱病が流行している。とある空域を航行していると、それまで物静かに作業をしていた乗組員の一人が突然発熱し、熱に浮かされた口調で話し始めるというのだ。しかし、何とか目的地に着き船を降りると、ぱったりと治ってしまうという。
今回のキミたちの仕事は、そんな奇病を研究している「ドクトル・ジャガー」を同乗させ、件の空域を航行し、手掛かりを集める手伝いをすることだ。
ジャガー「よろしく頼みます。特定の空域だけで発症するなんて、絶対そこに何かあるに決まってます。
しかも船を降りると治ってしまうというんですから、こうでもしないと。・・・いえ、別にあなた方のことをモルモットだなんて思ってませんよ。」
3.フライトフェイズ①
フライトエリア:定期連絡航路(p159)
チェック
GMは1d6と2d6を振り、出た目に応じた飛空艇のマスにドクトル・ジャガーのコマを置く。
もし別のキャラクターコマが先に置かれていたり、飛空艇外だった場合は振り直すこと。
次に、ドクトル・ジャガーがいるパーツ内にキャラクターコマがあるなら、ジャガーはそのキャラ全員と交流を行う。
ジャガーは、そのキャラたちへのキズナを獲得する。
※特殊ルール「とうふウイルスへの感染」
このフェイズ内で、誰ともキズナを獲得しなかったキャラクターは、バッドステータス「フィーバー」状態(p95)になる。
この状態は、次のフライトフェイズ開始時に解除される。
このルールは、プレイヤーに開示される。
※特殊ルール「言葉が豆腐」
注意!このルールは、茶番が受け入れてもらえそうなメンバーなら適応しましょう。
「とうふウイルスへの感染」ルールでフィーバー状態になったキャラクターは、言葉が豆腐のようにふわふわになってしまう。具体的には、会話中に濁点を使って話すことができない。もし濁点を使ってしまったら、そのたびに【生命点】を「1点」減少させる。
この状態は、次のフライトフェイズ開始時に解除される。
このルールは、プレイヤーに開示される。
4.クエストフェイズ①(戦闘フェイズ)
こんな時に空賊に出くわしてしまうとは、なんという不運。敵艦隊のスピーカーから船長らしき男の声が聞こえる。
「つみにを すへて さしたせ! さもなくは、そらのもくすにしてやるそ!!!」
・・・どうやらあちらもやられているようだ。
エネミーデータ:モブA(船長、<<回避運動>>)モブB、モブC
敵艦マップは、p169のアンカーヘッド号のマップを用いる。
5.幕間
無事に空賊を撃退し、1番近い塔の空軍に連絡を終えると、ジャガーが熱病の分析を始める。
言葉の様子から、口内に感染していることは間違いない。もしかしたら、大昔にとある塔で流行った「とうふウイルス」かもしれない。
目に見えないほどちいさなとうふウイルスは、鼻や口から入って口内に居座り、炎症を引き起こす。
こんなウイルスがどこから来たのかというと、実は「オトウフサマ」と呼ばれる浮遊生物がまき散らしているらしいのだ。
ジャガー「素晴らしい!まさか実在したとは!医療の歴史で学びはしたが、もう御伽話の存在だと思っていたよ…
この辺の空域に隠れているはずだ!ドクトル・ジャガーの名にかけて、何がなんでも探し出してやる!」
さて、ジャガーがもしフライトフェイズで誰とも交流していなかったなら、GMは上記のセリフも濁点なしで読み上げなければならない。
ジャガーのステータスはモブと同じで、【生命点】は10点である。
GMだけ高みの見物は許されないのだ。
6.フライトフェイズ②
フライトエリア:まだ見ぬ世界を求めて(p160)
チェック
GMは1d6と2d6を振り、出た目に応じた飛空艇のマスにドクトル・ジャガーのコマを置く。
もし別のキャラクターコマが先に置かれていたり、飛空艇外だった場合は振り直すこと。
次に、ドクトル・ジャガーがいるパーツ内にキャラクターコマがあるなら、ジャガーはそのキャラ全員と交流を行う。
ジャガーは、そのキャラたちへのキズナを獲得する。
※特殊ルール「とうふウイルスへの感染」
このフェイズ内で、誰ともキズナを獲得しなかったキャラクターは、バッドステータス「フィーバー」状態(p95)になる。
この状態は、次のクエストフェイズ終了時に解除される。
このルールは、プレイヤーに開示される。
※特殊ルール「言葉が豆腐」
注意!このルールは、茶番が受け入れてもらえそうなメンバーなら適応しましょう。
「とうふウイルスへの感染」ルールでフィーバー状態になったキャラクターは、言葉が豆腐のようにふわふわになってしまう。具体的には、会話中に濁点を使って話すことができない。もし濁点を使ってしまったら、そのたびに【生命点】を「1点」減少させる。
。
この状態は、次のクエストフェイズ終了時に解除される。
このルールは、プレイヤーに開示される。
7.クエストフェイズ②
<ステージ1>ステージ名「脱出経路をさがせ!」
対処タスク:カテゴリ「偵察系」のパーツ/「感覚・教養:7」
ステージエフェクト:飛空艇は「D/3」のダメージを受ける。このダメージに<<回避運動>>のスキル効果を使用することはできない。
描写:どうやら、飛空艇は分厚い積乱雲に突入してしまったようだ。そこかしこに静電気が走っている。一刻も早く落雷に気を付けながら脱出経路を探す必要がある。
<ステージ2>ステージ名「積乱雲を抜けろ!」
対処タスク:カテゴリ「操舵系」のパーツ/「技術・教養:7」
ステージエフェクト:このラウンド中対処判定を行ったPCは【生命点】を1点減少させる。
描写:最短で抜けられそうな脱出経路を見つけたはいいが気流が安定しない。抜けられるかどうかは操舵手の腕にかかっている。
<ステージ3>ステージ名「白い大きな直方体」
対処タスク:カテゴリ「偵察系」のパーツ/「感覚・教養:7」
ステージエフェクト:飛空艇は「D37[大揺れ]/1」のダメージを受ける。
描写:脱出して安堵した瞬間、何か大きな物にぶつかったようだ。それは飛空艇の10倍はあろうかという大きな白い直方体だった。さらにそれは、ゆっくりとその巨体をねじって飛空艇の方をのぞき込んでくる。
<ステージ4>ステージ名「介抱せよ」
対処タスク:現在ドクトル・ジャガーがいるパーツ/「教養・技術:7」
ステージエフェクト:このラウンド中対処判定を行ったPCは【生命点】を1点減少させる。
描写:ドクトル・ジャガーに判断してもらおうと連絡管などで聞くが、返事がない。見ると、先ほどぶつかった揺れで壁に激突して気を失ってしまっていたようだ。キミが介抱すると、ジャガーは目を覚ます。そして現状を把握すると、「オトウフサマに違いない!」と興奮している。
<ステージ5>ステージ名「オトウフサマへの謁見」
対処タスク:飛空艇の上端のパーツ/「身体:8」
ステージエフェクト:このラウンド中対処判定を行ったPCは【生命点】を1点減少させる。
描写:ドクトル・ジャガーは「オトウフサマ」とコミュニケーションをとってみると言う。キミの肩を借りながら移動し、飛空艇の窓を開けて聞きなれない言葉(古代の言語らしい)で話し始めた。
8.エンディングフェイズ
オトウフサマによると、とうふウイルスは小さな小さな自分の子どもたちで、常日頃から「みんな仲良く、お話するときはやわらかく」と言い聞かせていたらしい。
彼らはちょっと大げさにそれを守ろうとしたのだろう。
最近の変な気流のせいでいつもと違う方角に巣立ってしまっていたようだが、普段は塔から離れたエリアで気ままにフワフワしているのだそうだ。
オトウフサマはすまなそうに、「これからは こどもたちにも よくいってきかせますね」と言っていたという。
PCたちはオトウフサマの空域を離れ、無事に塔へと帰還する。
それから1週間後。興奮冷めやらぬ様子のドクトル・ジャガーは、さらなる調査を計画しているらしい。
もし自分たちの飛空艇に新しく住み着いた小さな浮遊生物のことを知ったら、彼は有無を言わさず乗り込んでくることだろう。彼にまだまだ付き合うかは、キミたち次第である。
【トロフィー】 「オトウフベビー」を獲得する。
トロフィー効果:幸運のお守り(p123)
TRPG歯車の塔の探空士オリジナルシナリオ「とうふウイルスのお節介」 @EnokiFrozen
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます