美人二大女神頼まれて・・・もしも、違う世界に転生したら・・・

針田はりのすけ

ワシは、幸せだった・・・あれ?あわりじゃないの?

 仕事の帰宅中愛車の原付で、ワンボックスに引かれた・・・・。


 そう久しぶり早い帰宅で三号線をまっすぐ進行していたら、ワンボックスの車が反対車線から突っ込んできて意識を手放した。


 目が覚めた、そこは一面が花畑で赤と白の花が沢山咲いている見回してみると、そこにはかわいらしい女の子が二人その子たちは俺に何か話しかけている。


 赤い髪の子は、見た目そのまま強気な話し方だが何を言っているか分からない。


 白い髪の子は弱気な感じだ、もじもじして小声で話しているがこちらも何を言っているか分からない。


 どのくらい時間がたったか分からないが、赤い髪の子が怒りだしたが、何を言ってるか分からない。


 白い髪の子が赤い髪の子をたしなめていた、その後俺の手を握って一生懸命話している。


 ああそうか、ここは死ぬ前の世界か・・・まぁ死んでもいいかなぁ、ろくなことないしこれで自由かな・・・でも、子供たちはまだ成人してないし孫も見てないし嫁も心配だ変な男に引っかかったら心配だ!!


 それまで虚ろだった意識を振り絞って。


「・・・・・・・・まで、おれはまだしなね~!」と叫んでいた。


 ________


 目が覚めた。


 目の前には、嫁が真っ赤な目で俺を見ていた。声が出ない、マスクと鼻にチューブが通っていた。


「パパ、事故にあって死にかけてたのよ。二日寝たきりだったのさっき心臓が止まったと言われたから・・・」

 そのまま、号泣する嫁そして三姉妹が入ってきて。


「お父さん、まだ孫見せてないんだから死んだらだめよ」


「よかったね。生きてて」


「・・・・・」

 少しは泣いてくれてもいいと思う娘たちよ。


 回復しすぐ仕事に復帰し待望の孫を抱き、定年して嫁と旅行しながら幸せに過ごして、80歳になり老衰で死ぬことになった。


「色々、あったけど・・わしは、ここ迄生きられて悔いはない。ありがと・・・」

 俺には、本当に幸せだったよ。


 花月 タイト

 享年80歳  老衰で死亡。


 ____________


「こら!!起きろ!!約束守れよ!!」

 ゲシッ!!


「あいたぁ!!なに?俺死んだんですけど!!あれは夢だったの?」

 一人ごちる。


 目を開けたら・・・この風景は約40年前に見た風景を思い出した。


 赤と白の花畑と美少女二人。


 どうも俺を蹴ったのは赤い少女。


「久しぶりかしら?私たちには一瞬だったけど元気だったかしら?」

 赤いのがしゃべる。


「おひさしぶり、お元気でしたか?あのぉ申し訳ないですけど約束果たしていただけますか?」

 約束?なんだそりゃ?


「その前に、君たち誰なんだ?なんとなく記憶にあるような????」

 なんだか混乱してきた!かっこいいセリフ吐いて死んだのにはずかしい。


「覚えてないの?私は滅びの女神リィサよ!敬いなさい!!」

 何だ上から目線は?


「私は、愛と再生の女神コトハです。タイトさん忘れているようですからもう一度説明しますね」

 リィサが、口出ししようとしたがコトハに止められた。


「私が説明しますわ、少し前にタイトさんは死亡してます。その時にこちらにお呼びして私たちの世界に来ていただく予定でした。私たちの世界は壊れる寸前なのですライトノベルと言う小説を流行らせ信仰心の少ない神たちが自分の信仰を集めるために各異世界に違和感なく送り込むことに成功しました」


 ふむ、俺もよく読んでたから知ってる『ラノベ』読みまくったよ。お世話になりました。


「最初は良かったのです、私たちも自分たちが思い描く世界が出来ましたが、弊害が出てきました。もう数えられないほど私たちの星にも呼んでも居ないのに来るようになったのです。おそらく、小さき神が送り込んでるのかと・・・」

 ふぅ。とため息(コトハ)


「そこで、タイトさんに駆・・・私たちに送還していただいて輪廻に戻したいと思い交渉しました。まだ死にたくないと思っていたみたいなので生き返らせる代わりに私たちの仕事してほしいのです」

 こいつおっとりした雰囲気なのに駆除と言いかけたぞ!こわ。


「そうか、いいぞ!おかげで、孫も見れたし幸せだった。一つ不満があったと言えば親兄弟に不満が有ったくらいさ・・生き返させてくれてありがとうございます」

 最敬礼でお礼を告げる。


「なんだ分かってるじゃねえか!私たちの為に働くんだな!わはははは!!!!」


 うん?殴っていいかな?


「そこで、あなたにいわゆるチート能力を授けようと思います。どんなものよろしいですか?一応すべて差し上げる予定ですが・・・」


「そうだな、まず第一におれは、このままの姿が気に入っている。だからそのままで送ってほしい。能力は・・・すべてはいらないかな、送還に向いたとはどんな風に送り込むんだ?」

 駆除と言いかけてたから殺しちゃうんだろうけど。


「やっちまうんだよ!そんなことも分からないのか?」

 リィサの、ぶっきらぼうな言葉言い回し方があるだろ!


「それも、一つのやり方ですが説得していただいて私たちを思い浮かべていただければお迎えします。えぇ悪いようにしません。送られてきた方は記憶を消し転生先はきちんと幸せになれるように計らいます」

 コトハは慈愛に満ちた笑顔で答えてくる。


「その人たちは、結構な地位にあると思うので説得は無理だろうね。予想だけど・・」

 俺だったら手放さないな。


「たりめぇだろ!だから、スカッとやってきな!」


「ごほん、そこはお任せします。でわ、タイトさんが使いやすいのをまずは三つほど差し上げます」

 俺は悩んだ、基本頭悪いし運も悪いが悪運は強いから生きのこってきた。

 そんな俺が必要なものは・・・


「頭よくしてくれ、そして運気アップ、身体能力もね。あとは任せるけどいいかな?」


「わかりました。ほかに何か必要なことがあったら付け加えておきます。それはお楽しみですね。ふふふっ」

 なんだか悪い顔してるな、コトハ実は相当性悪かも?


「では、そろそろ送りますね。第二の人生かんばってくださいね」


「定期的に連絡しろよ、そして指令も送るからな!ちゃんと仕事しないとぶん殴るからな!!」


「わかってるよ、恩は返すよ。よし心の準備できた!送ってくれ!」

 目の前が輝きだした。


「おお!定番の輝き!」


 ふわっと、感覚が飛ぶと。


 真っ暗だ雨の音がする目があまりよく見えない・・うわ!冷たいなになに?叫んで助けを呼ぼうと叫んだが。

「ア~ア~」??????


『ごめんなさい。転移先と年齢設定間違えちゃったw』


『おいこらぁ!死んじゃうやんけぇ!!』


 そのまま、意識が・・・寝たら死んじゃう。グ~おやすみなさい。


 _________


「ねぇ!パパ、ここに赤ちゃんがいるよ」


「おやおや、どこの子だろうね」


「旦那様お嬢様、近づいてはなりません。おそらく捨て子であります。なんの病気を持っているか」

 執事が、確認すると男の子ですと告げた。

「この子欲しい!かわいいわ、ねぇ飼っていいでしょ?おねがぁい」


「飼うって・・・そうだな。養子として引き取ろう美麗の弟にいいだろう」

 美麗の父一郎は、娘がわがままに育ったためこの子の世話をさせることで情操教育できないかと考えた。


「セバンこの子を、私のスーツにくるんで家に連れていく。あとの手続きは任せた。名前は『タイト』だ、いそぐんだぞ」


「かしこまりました」

 その一言で、子供を抱え車に行こうとしたら。


「私の弟よ!」

 と乱暴に剥ぎ取り、車の後部座席にすわる。


「やれやれ」

 そのまま、くるまは発射する。


 車の後ろを眺める女神二人


「ほんと姉貴は性格ワリ~な、運良く発見されたからよかったがあのままなら死んでいたんじゃないか?」

 リィサはあきれ顔。


「ふふふっ面白いことになりそうだわ。さすが、運がいいわね。一時は退屈しなさそうよ」

 そう実は、姉のコトハはヤバい女神なのだ。


 タイトはどうなるのだろうか・・・また後日。


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