TURN15:襲来!ダークワールド【後編】

「戦闘機械の巨人で沼地の支配者ゲロゲロックを攻撃!!ゴーレムクラッシュ!!」

「っ…!」


戦闘機械の巨人 攻撃力:2500

沼地の支配者ゲロゲロック 防御力:1800

タカシ HP:4000→3300


「貴様のような弱小モンスターしか持っていないデュエリストなど、我らダークワールドの兵士の敵では無い!はははははは!!!」

(カウンターカードの効かない戦闘機械の巨人に対し、俺のデッキでは勝ち目は無い…)

「………」

(…と思っていたのか!?)

「…む?その顔、まだ諦めていないようだな。まあよい。貴様の前に待っているのはいずれにせよ敗北だけなのだからな!ターンエンド!!」

(…陰キャデッキ使い舐めるな!!苦手なマッチングなんざ今まで何度もやってきたわ!この程度の相性不利は覆してやらあ!)

「ターン貰います。ドロー!」


タカシ

HP:3300 AC:3 手札:4枚

裏側カード:1枚


ダークワールド兵士

HP:4000 AC:0 手札:2枚

フィールド:戦闘機械の巨人


(ゲロゲロック…転生前の世界で俺はこのデッキを中学生の頃からずっと愛用してきた。俺にはその経験がある。前世の世界で使ったデッキとこのデッキとでは多少のレシピの違いはあるが…大体同じ動きは出来るように調整してる。そして不利なデッキへの回答もちゃんと仕込んではいる!)

「マジックカード『ハン・デ・スラッシュ』使います。2枚捨てて下さい」


AC:3→2

タカシ手札:3→1枚 ダークワールド兵士手札:2→0枚


『ハン・デ・スラッシュ』 マジックカード

自分の手札を2枚選び墓地に捨てる。その後相手は自身の手札を2枚選び墓地に捨てる。


「チッ、私の手札を0にしてきたか…だが貴様の手札もたったの1枚だ!」

「さらに『天使の豊札』使います。4枚ドローで」


AC:2→1

タカシの手札:0→4枚


『天使の豊札』 マジックカード

自分の手札が4枚になるように山札を引く。


「手札増強カードも持っていたとはな…なんて卑劣な。しかし!我が最強のモンスター『戦闘機械の巨人』は健在!いずれにせよ貴様に勝ち目は無い!」

(…よし、この手札なら行ける)

「手札のトブゲロゲをAC無しで召喚、さらに墓地のチカゲロゲの効果発動。HPを500支払って召喚します」

 空の上からパラシュートを使ったカエルが、そして地中からスコップを持ったカエルが姿を現した。


タカシ HP:3300→2800


『トブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このモンスターはAC無しで召喚できる。(このターン中にトブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)


『チカゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100

効果:このモンスターが墓地にいる時に、場に水タイプの爬虫類モンスターが召喚された場合、自分のHPを500支払って発動できる。墓地のこのモンスターを召喚する(このターン中にチカゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)。


「AC無しでモンスターを2体も召喚しただと…?しかも1ターン目の『ヨブゲロゲ』といい今の『ノルゲロゲ』といいいつのまにモンスターを墓地に送っているとは…」

(手札コストと墓地効果の組み合わせはTCGの基本)

「だがそんな弱小モンスターを並べたところで巨人は倒せん!例えエクストラ召喚をまた使ってきたとしてもな!」

「…それはどうですかね?」

「何だと?」

「トブゲロゲとチカゲロゲの2体を素材にエクストラ召喚」

 2体のゲロゲモンスター達がデュエルガジェットに吸い込まれ…黒い装束とマスクに身を包んだカエルが姿を現す!

「現れろ!闇沼のゲロゲアサシン!!」


『闇沼のゲロゲアサシン』

エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1000 防御力:1000

召喚条件:水タイプ・爬虫類・下級モンスター×2


「ゲロゲアサシンだと…?」

「裏側カードを1枚出します」


AC:1→0

裏側カード:2枚


「バトル入ります。ゲロゲアサシンで戦闘機械の巨人を攻撃」

「バカめ!!パワーは戦闘機械の巨人の方が圧倒的に上!貴様の軟弱なモンスターなんぞ返り討ちだ!」

 巨人に向かって泥の短剣を投げつけるゲロゲアサシン。攻撃は関節に命中するが巨人はものともせず、パンチによってゲロゲアサシンを倒してしまう。

「っ…!」


闇沼のゲロゲアサシン 攻撃力:1000

戦闘機械の巨人 防御力:2500

タカシ HP:2800→1300


 その時!巨人の身体に亀裂が入る!

「…?どうした戦闘機械の巨人よ!」

「ゲロゲアサシンの効果発動。エクストラ素材を持ったこのモンスターが相手モンスターに攻撃した場合、戦闘後に相手モンスターを破壊します」

「な、なにい!?」

 関節部の亀裂は全身に広がっていき…巨人は粉々に破壊される!

「バ…バカな!?戦闘機械の巨人が破壊されただと…!?」

「ターンエンドで」

(よし。戦闘機械の巨人は何とか破壊。更に相手の手札も0枚にしてやった!問題はここからだな…)

「戦闘機械の巨人を破壊したことは褒めてやろう。だが貴様のHPは残り1300!そして貴様の場にモンスターはいない。つまり!次のドローで私が攻撃力1300以上のモンスターをドローすれば…貴様の負けということだ!!」

(そう、こいつの言う通り。俺のHPはあと僅か。ここで重要カードを引かれたら俺の負けだ。さて…ここで俺の持論をおさらいしよう)


 この世界には二つのデュエリストがいる。

 一つはアニメの物語において重要な立ち位置である『主要人物ユニークキャラ』。もう一つは物語上の重要な意味は持たない『一般人モブキャラ』。

 ユニークはモブと違って運命を引き寄せる力を持っており、デュエルの重要な局面で必要なカードを高確率でドローしてくる。


(ダークワールドの兵士はみんな同じ格好をしたコピペのような外見!俺の勘が正しければ恐らく分類はモブキャラ!引き運はそれ程強くないはず!だからこそ手札破壊して必要札を減らしたんだ。俺の読みよ…当たってくれ!)

「私のターン!ドロー!!」


タカシ

HP:1300 AC:0 手札:2枚

裏側カード:2枚


ダークワールド兵士

HP:4000 AC:3 手札:1枚


「くくく…ははは!残念だったな!私の勝利は確定した!!」

「…!!」

「私の引いたカードは…こいつだ!戦闘機械の戦士を召喚!」


AC:3→2

『戦闘機械の戦士』

下級 タイプ:地 分類:機械 攻撃力:1300 防御力:1300


「戦闘機械の戦士で敵プレイヤーを攻撃!これで終わりだ!!」

「…きっと遊太ならこの状況すら覆せるカードを引いたんだろうな」

「…は?何を言っているのだ貴様?」

「カウンターカード『シャイニング・バリア』を発動します」

 清らかな結界がタカシを包み込む!

「無駄だ!戦闘機械の戦士は戦闘機械の巨人同様、カウンターカードの効果を受けない!どんなカウンターカードを使おうと貴様に勝ち目は…」

 攻撃を放った戦闘機械の戦士であったが…バリアに遮られてしまう!

「何ィ!?何故だ!?何故攻撃が通用しない!?」


『シャイニング・バリア』 カウンターカード

相手モンスターの攻撃時に発動できる。その戦闘で自分が受けるダメージを0にする。


「シャイニング・バリアは自分が受けるダメージをゼロにするカード。効果の対象となるのは俺自身。なので効果を受けないモンスターに対しても発動できます」

「何!?カウンターカードの効果を受けないならば、あらゆるカウンターカードを無効にできるのではないのか!?」

(デュエルオムニバース語難しいよな…長年やってる俺でもたまに裁定間違えるもん)

「チッ…私はこれでターンエンド!」

「ターンもらいます。ドロー」


タカシ

HP:1300 AC:3 手札:3枚

裏側カード:1枚


ダークワールド兵士

HP:4000 AC:2 手札:0枚

フィールド:戦闘機械の兵士


「ふっ、先ほどのターンは仕留め損ねたが…俺のHPはまだ満タン!このターンだけで俺を仕留めることはできまい!」

「…『アクアコール』使って『リボンゲロゲ』サーチします」

「またリボンゲロゲ…ということは!?」


AC:3→2

『アクアコール』 マジックカード

自分の山札から好きな水タイプのモンスターを1枚選んで手札に加える。


「リボンゲロゲ召喚。効果でヨブゲロゲを墓地から召喚。ヨブゲロゲの効果でボムゲロゲをデッキから召喚。さらにHPを500払って墓地からチカゲロゲを召喚」

「また次から次へとモンスターがー!」


AC:2→1

タカシ HP:1300→800


『リボンゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ヨブゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『ボムゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


『チカゲロゲ』

下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100


「ヨブゲロゲとチカゲロゲの2体でエクストラ召喚!ウォータースナイパー!」

 液状の身体の弓兵が姿を現す。


『ウォータースナイパー』

エクストラ タイプ:水 分類:アクア 攻撃力:1000 防御力:1000

召喚条件:水タイプモンスター×2


「続いてリボンゲロゲとボムゲロゲの2体でエクストラ召喚!毒沼のゲロゲポイズン!」

 毒々しいカエルが姿を現した。


『毒沼のゲロゲポイズン』

エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1000 防御力:1000

召喚条件:水タイプ爬虫類下級モンスター×2


「さらに連続エクストラ召喚…貴様!いつまでターンを続けるつもりなのだ!?」

「あ、すいません。まだ続きます」

「まだ続くのか!?」

「ボムゲロゲの効果発動。このモンスターがエクストラ召喚の素材になった時、相手プレイヤーに500ダメージを与えます」

 小さな水の爆発が兵士を襲う。


ダークワールド兵士 HP:4000→3500


「チッ!だがこの程度かすり傷だ!」

「さらに『死者復活』を発動。対象はゲロゲロック!」


AC:1→0

『死者復活』 マジックカード

自分の墓地のモンスターを1体選び蘇生する。

※蘇生:墓地のモンスターをフィールドに召喚すること。ただしゲーム中一度もフィールドに出ていないカードは蘇生できない。


『沼地の支配者ゲロゲロック』

エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1500 防御力:1800


「たった1ターンで…エクストラモンスターが3体…!?」

「さらにウォータースナイパーの効果発動。1ターンに一度、エクストラ素材を一つ捨てて相手に500ダメージを与えられます」

 水の弓矢が兵士に命中する。

「っ!さっきから小癪な…!」


ダークワールド兵士 HP:3500→3000


「そしてゲロゲポイズンの効果発動。1ターンに一度、エクストラ素材を一つ取り除き、相手モンスター全員の攻撃力・防御力を1000下げます」

 ゲロゲポイズンの猛毒により、戦闘機械の兵士のボディは腐食していく!

「鋼のボディが…壊れていくだと!?」


戦闘機械の兵士 攻撃力:1300→300 防御力:1300→300


「バトル入ります。ゲロゲポイズンで戦闘機械の兵士を攻撃」

 ゲロゲポイズンが口から放つ毒液が戦闘機械の兵士とダークワールド兵士を襲う。

「戦闘機械の兵士が!くっ!」


毒沼のゲロゲポイズン 攻撃力:1000

戦闘機械の兵士 防御力:300

ダークワールド兵士 HP:3000→2300


「続いてウォータースナイパーで直接攻撃」

 ウォータースナイパーは2本の矢をダークワールド兵士に向けて放つ!

「ぐうっ!な、なんだと…」


ウォータースナイパー 攻撃力:1000

ダークワールド兵士 HP:2300→1300


「ゲロゲロックで直接攻撃します。ブルブルフィスト!!」

「バカな…私はダークワールドの一員だぞ!?あのお方から頂いた強力なカードもあるのに…こんな一般人に負けるというのか…!?」

 ゲロゲロックは振動する拳でダークワールド兵士をぶん殴る!

「ぐおおおおおおおおおお!!!!」


沼地の支配者ゲロゲロック 攻撃力:1500

ダークワールド兵士 HP:1300→0


To be continued…

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