TURN14:襲来!ダークワールド【前編】
(前回のあらすじ!カードアニメの世界に転生してしまった俺、タカシはアニメに登場する主人公のライバルキャラ『海城大和』に悪の組織の一員でないかと疑われてしまう!そんな中、本物の悪の組織である『ダークワールド』がDシティに襲来したのであった!)
突如Dシティに現れた巨大モンスター『戦闘機械の巨人』。巨人が暴れている街の中心部にタカシ、そして遊太は走って向かっていた。
(何で俺がこんなことに…この状況なら本当は避難するべきだよな…?)
「そういえばタカシはダークワールドのことは知ってるのか?」
(前世の世界でアニメで見た知識はあるけど…一応話は聞いておこう)
「ダークワールドは世界中の街を襲ってる悪い奴らなんだ。奴らは色んな人に無理やりデュエルを挑ませ、負けた人達をカードに封印するんだ。封印された人は自力では外に出ることはできず…封印を解けるのはダークワールドのボスだけ…ホントひどい奴らだぜ!」
「………」
「大和の故郷はダークワールドによって滅ぼされた。そして大和の妹、春奈は襲撃を受けた日から行方不明。だからあいつはダークワールドを憎んでいて、奴らの事になると見境が無くなるんだ。ごめんな、お前を傷つけちゃって」
「あ、いや…いいよ、遊太が謝らなくて」
「…っと!!」
「戦闘機械の巨人で攻撃!!」
「きゃあああああ!!!」
子連れの女性 HP:500→0
「ヒャッハー!!デュエリストは封印だ!!」
怪しげな仮面を付けた男がデュエルガジェットのボタンを押すと、対戦相手だった女性の姿は消えてなくなり、1枚のカードにされてしまう。
「おぎゃー!おぎゃー!!」
母親が消えてなくなり、赤ん坊は道端に放置されて泣き叫ぶ。
「や、やめて…僕今日初めてのデュエルだったのに…」
「うるせえ!デュエリストに容赦は不要!」
「うわあああああ!!!」
まだ3歳ほどの子供に対しても仮面を付けた兵士たちは容赦なく封印していく。
「ひどい…アイツら絶対許さねえ!!」
「マスカレード・クイーンの攻撃!」
「…!!あのモンスターは!!」
「エンドレス・ナイトメア!!」
「ぐぎゃあああああ!!!」
ダークワールドの兵士 HP:1000→0
「愛良!!」
ダークワールドと戦っているのは愛良であった。その元へ遊太たちも駆けつける。
「遊太…来るの遅い!!あの兵士たちがいきなり大量に現れて大変なのよ!アンタも倒すの手伝って!!」
「…!!愛良!!危ない!!」
その時!デュエルの衝撃により、壊れかけていたビルの瓦礫が愛良目掛けて落下してきたのだ。とっさに愛良の元へ飛び込む遊太。
「…遊太!?愛良!?」
デュエル以外の事はあまり喋れないタカシも、この時ばかりは心配し、名前を叫ぶ。
「…あっぶなかったぜ。大丈夫か、愛良?」
「え…ええ…あ、ありがとう…」
(ふう…二人とも無事で良かった…)
すると近くで大きな爆発が起きる!
「うわっ!今度は何だ!?」
「銀河の帝王竜で攻撃!破滅のギャラクシーストリーム!!」
先に街の中心部に到着していた大和。そのエースモンスター『銀河の帝王竜』による攻撃が敵に炸裂する。
「うごおおおおおお!!!」
ダークワールドの兵士 HP:2000→0
「くっくっく…俺の負けだ…だがまたすぐに次の増援がやってくるがなぁ!」
「ちっ!こいつら一人一人は弱いが数が多すぎる!」
「大和!!」
遊太達は走って大和と合流する。
「…お前も来たのか」
「当たり前だろ!!この街をめちゃくちゃにする奴なんて無視できるか!」
「ふん…こいつらを倒すのはこの俺だ!…と言いたいところだが、敵の数があまりにも多すぎる。貴様らの力も利用させてもらうぞ」
「おうよ!!任せろって!」
「でもどうするつもりなの?倒しても倒しても次々と増援がやってくるのよ?アタシ達三人が力を合わせてもいずれは数で押し負けると思うけど…」
「三人じゃなくてタカシも入れれば四人だぜ?」
「…へ?俺も!?」
「ふん、役に立つとは思えんがな…それはともかく、ダークワールドの兵士達の動きは統率されている。恐らく指示を出しているリーダーがいるハズだ。そいつを潰せば奴らの統率も失われると思うが…」
「リーダーか…ん!?」
「フッフッフ…その調子だ…さあダークワールドの兵士達よ!この街をもっとカオスに陥らせるのだ!!」
鉄製のマスクを付けた謎の青年。街の中心部にあるタワーの頂上より混乱に陥るDシティの様子を伺っていた。
「…む?」
「どうしたの遊太?」
「強いデュエリストの邪悪なエレメントを感じる…あの兵士たちとは明らかに違う!」
(何だその能力?そういえば修行でエレメントが何とかって力を身に付けたとかこの前言ってたっけ…)
すると遊太達の元へダークワールドの兵士達がやってきた!
「ヒャッハー!次の相手は俺達だ!!」
「…悪い!ここはお前達に任せる!俺は邪悪なエレメントのデュエリストを倒しに行く!」
「え!?ちょっと!?」
「逃がすな!追え!!」
「そうはさせるか!!」
走り出す遊太を追おうとする兵士たちであったが、大和がデュエルガジェットを起動。周囲が謎の結界に包まれ進軍は阻まれる!
「今だ!行け!!」
「サンキュー!絶対に奴らのボスを倒してくるぜ!!」
走ってタカシはその場を離れていく。
「どうやら…この俺様の存在を感知した奴がいるようだな…いいだろう!ダークワールド幹部・パワーナインの一人!このソラシド様が相手をしてやろう!!もっとも…俺様の元へたどり着ければの話だがな!ふははは!!」
「おい、貴様」
「あ、え?俺?」
「貴様がダークワールドの仲間では無いというのなら、せめて兵士の一人でもデュエルで倒してみせろ!!」
「ええ…」
(本音言うとダークワールドの兵士は相手したくないんだよな…だけど逃げ場も無いし…何より逃げたら疑われる!こうなったら…!)
タカシはデュエルガジェットを構える!
「ふん、ようやくやる気になったようだな」
そしてタカシと対峙するのは一人の兵士。
「海城大和と間宮愛良は我らの間でも強いデュエリストとして知られているが…ふはは!こんな弱そうなデュエリストが紛れているとはな!!」
「………」
「我らダークワールドの兵士はデュエリストを封印すればするほど階級が上がる!貴様も私の戦果の糧となってもらおう!!」
「あら?女の子一人に三人も寄って集って…ダークワールドにはプライドってものが無いのかしら?」
「勝てば良かろうなのだ!それが戦争というものなのだからな!」
「生意気な女の子はじっくりと調教してやらねばな…」
「気持ち悪…アンタら絶対ぶっ潰すわ!」
「ひゃはは!いくらダークハンターの貴様といえどこの大人数なら相手できまい!」
「貴様ら雑兵風情が束になったところで俺に勝てると思っているのか?ふん!全員まとめて倒してくれる!!行くぞ!!」
「「「デュエル!!」」」
ダークワールドの兵士達とのデュエルが幕を開ける!
「ターン貰います。ドロー!」
タカシ
HP:4000 AC:3 手札:5枚
ダークワールド兵士
HP:4000 AC:0 手札:4枚
「『天使の壺』を使います。3枚ドローして2枚を墓地に」
AC:3→2
『天使の壺』 マジックカード
自分の山札を3枚引く。その後、自分の手札を2枚捨てる。
「リボンゲロゲ召喚、効果でヨブゲロゲ蘇生、さらにヨブゲロゲの効果でドロゲロゲをデッキから召喚します。ドロゲロゲの効果で1枚ドロー」
「何だこいつ?次から次へと雑魚モンスターを並べてきただと…?」
AC:2→1
『リボンゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
効果:このモンスターが場に出た時、自分の墓地にある名前に『ゲロゲ』と付く下級モンスターを1体選び、召喚する。(このターン中にリボンゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)
『ヨブゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
効果:このモンスターが場に出た時、自分の山札にある名前に『ゲロゲ』と付く下級モンスターを1体選び、召喚する。(このターン中にヨブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)
『ドロゲロゲ』
下級 タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:0 防御力:100
効果:このモンスターが場に出た時、場に水タイプの爬虫類モンスターが2体以上いるなら、自分の山札から1枚ドローする。(このターン中にヨブゲロゲの効果を既に使っている場合、この効果は無効となる)
「リボンゲロゲ、ヨブゲロゲ、ドロゲロゲの3体でエクストラ」
「何!?エクストラ召喚だと!?」
3体のゲロゲモンスターがデュエルガジェットに吸収され、濁流と共に新たなモンスターが姿を現す。
「好きな四字熟語は先行制圧!嫌いな四字熟語は手札事故!出てこい!沼地の支配者ゲロゲロック!」
「ゲーロゲー!!」
『沼地の支配者ゲロゲロック』
エクストラ タイプ:水 分類:爬虫類 攻撃力:1500 防御力:1800
召喚条件:水タイプ・爬虫類・下級モンスター×3
効果:1ターンに一度、このカードの素材モンスターを一つ捨ててもよい。そうしたならマジックカードまたはカウンターカードのどちらか一つを指定する。次の相手ターンの終了時まで、互いのプレイヤーは選ばれたカードを発動できない。(このターン中に沼地の支配者ゲロゲロックの効果を既に使っている場合、この効果は発動できない)
「素材のヨブゲロゲを墓地に送り、ゲロゲロックの効果発動。対象マジックで。次のターン終了時まで互いにマジックカードが発動できません」
ゲロゲロックがギターから放つ騒音が周囲に鳴り響く。
「チッ!卑劣な効果を…!」
「1枚裏側カード出してエンドで」
AC:1→0
裏側カード:1枚
(いつも通りの先行制圧はできた。が、問題はここからなんだよな…)
「いきなりエクストラ召喚を決めてきた事には驚いたが…そのモンスター、パワーは中級程度ではないか!そんなモンスターなぞ、ダークワールドの前では無意味だということを思い知らせてやろう!私のターン!ドロー!!」
タカシ
HP:4000 AC:0 手札:3枚
フィールド:沼地の支配者ゲロゲロック
裏側カード:1枚
ダークワールド兵士
HP:4000 AC:3 手札:5枚
「私は戦闘機械の戦士を召喚!」
(やっぱり『戦闘機械』デッキで来たか…!)
怪しげな機械に身を包んだ戦闘ロボが出現する。
AC:3→2
『
下級 タイプ:地 分類:機械 攻撃力:1300 防御力:1300
「続けて戦闘機械の戦士を戦闘機械の戦士改に進化召喚!!」
戦闘ロボの身体は一回り大きくなり、手には大きな斧を持つように。
AC:2→1
『
中級 タイプ:地 分類:機械 攻撃力:1800 防御力:1800
「さらに進化!!このモンスターで貴様を葬ってやろう!」
(うーむ、ゲロゲロックの効果で事故ってくれる事を期待していたが…3枚揃っていたか!上級モンスターが来る!)
「機械帝国によって作られし最強の戦士よ!その巨体で万物を踏みつぶせ!!」
戦闘ロボはさらに改造され…巨大なロボへと姿を変える!
「上級進化!現れよ!戦闘機械の巨人!!」
AC:1→0
『
上級 タイプ:地 分類:機械 攻撃力:2500 防御力:2500
(いつもならここで落とし沼発動!って言いたいところだが…)
「さて…戦闘機械モンスターにはある共通効果がある!それは『カウンターカードの効果を受けないこと』!!」
(そう、それなんだよな…俺のデッキは相手のマジックをロックして、モンスターはカウンターカードで迎撃するのが基本だが…)
「貴様は先ほどのターンに裏側カードが何かは知らん!だがどんなカウンターカードであろうと我が戦闘機械の巨人の前では無意味!」
(カウンター自体が効かない戦闘機械モンスターはすこぶる相性が悪い!これだからこいつらとは戦いたくなかったんだよな…)
「戦闘機械の巨人で沼地の支配者ゲロゲロックを攻撃!!ゴーレムフィスト!!」
戦闘機械の巨人はゲロゲロックをぶん殴る!衝撃波が発生する程の一撃だ。
戦闘機械の巨人 攻撃力:2500
沼地の支配者ゲロゲロック 防御力:1800
タカシ HP:4000→3300
「っ…!」
「貴様のような弱小モンスターしか持っていないデュエリストなど、我らダークワールドの兵士の敵では無い!はははははは!!!」
「………」
To be continued…
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