パトリアーナ創世神話
逆霧@ファンタジア文庫よりデビュー
パトリアーナ創世神話
創造神が生まれた世界にはすでに多くの神があふれていた。
その世界は文明も発達し人々はすでに神を必要とせず、ただ他の神々と戯れるだけの日々が続いていた。
やがて、それにも飽きた創造神は新しい世界を創造し移り住むことにした。
創造神は大地を作り海を作った。しかし生み出された大地は荒々しく力が溢れ。未だ未熟であった。火山は噴火を繰り返し、雨は降り続き、突風が吹きすさみ、海は荒れに荒れた。そこで創造神は多くの精霊を生み出し大地や海の力を調整することにした。そして漸く世界を落ち着かせることが出来た。
そこで創造神は沢山の動物や植物を作り出し世界に住まわせた。
動物たちが暮らしやすいようにさらに気候などを整え一万年ほど経ったが知性のある動物が生まれてこない。
そのうち精霊の中から大いなる力を宿した者が現れた。その中で一際力のある精霊に相談をしてみると、動物たちに死を与えろと言う。生まれ、子を生み、死んでいくその過程で強きものが生き残りやがて知性を育むだろうと。その精霊の言葉に納得をした創造神はその精霊に自らの力を分け与え、死と再生を司る女神として生物たちの生命を管理を任せた。
そうしてまた一万年に及ぶ時が流れ、少しづつ知性のある動物が生まれ始めた。創造神は大いに喜んだがまだ文明は生まれず満足行くほどの進化を遂げては居なかった。
ある日大いなる力を宿した4精霊が創造神の元に訪れた。精霊たちは知性だけではなく理性を与えないといけないと言った。それに納得した創造神はまた自らの力をその4精霊に与えた。
力を与えられた精霊たちはそれぞれに神の一柱となり、人間、エルフ、ドワーフ、獣人という種族を生み出した。それを見ていた精霊の一体が創造神の元を訪れ自分なら人々の天敵を作る。危機感のない世界に優秀な種族が現れないと言った。創造神はそれにも納得し力を分け与えた。神の一柱となったその精霊は魔族を作り出し。それらは先の種族とともに大地で覇を競い合った。
世界がようやく動き始めしばらくすると、創造神が神々を集め、世界と精霊達に分け与えたために失われた力を癒すため永き眠りにつくことを告げた。創造神が行っていた大地と海の管理のために管理を手伝っていた2体の精霊に力を与え大地神と海神の二柱の神を作り後を任せ、創造神は寝所に籠った。
それからしばらく経ったある日三体の精霊が創造神のもとにやってきた。神の力を分けて貰うためだった。死と再生を司る女神が、創造神は寝ていると答え、精霊たちにお前たちは何ができるのかと聞いた。すると一体は知性や理性を得られなかった動物たちを進化させるという。死と再生の女神は今の理性ある者たちで十分でこれ以上はいらないと答えた。もう一体は死者を生き返らせて死者の世界を作りたいと言った。死と再生の女神はそれは輪廻の流れを断ち切るのでいらないと答えた。最後の一体は今は思い浮かばないので創造神が起きるまで考えると答えた。
それからまたしばらくすると世界に厄災が蔓延した、火山は火を噴き、大地は震え、海は荒れに荒れ、人々に流行病が蔓延した。大地神が手を打つも次々に厄災がふりかかる。神々も各々に厄災を鎮めようと奔走した。その間に創造神の寝所に三体の精霊が襲い掛かった。万全ではない創造神はそれでも精霊を退けることが出来たが一体の精霊に神の力を奪われてしまった。
力を奪い神となった精霊は残りの二体の精霊に力を分け与えたが神になるほどの力は与えられず、2柱の準神が生まれた、一柱は世界に魔素をばら撒き動物たちは魔物となった。神々は魔物から人々を守るために大地に気脈を張り巡らし魔素の影響の少ない場所を作った。もう一柱は不死者の国を作った。神々は不死者から人々を守るために大地を切り離し深い海で隔離をした。神となった精霊は自らを破壊の神と名乗り世界を壊すために巨人を生み出した。神々はその巨人の力に恐れおののいた。やがて大地の半分を破壊されてしまった。大地の真ん中に天を衝くような山脈を作り阻もうとするが、山は次第に崩されていく。
創造神は神々を集め、神の力を奪われたときに生命の核を破壊されてしまった事を皆に伝えた。神々は嘆き悲しんだ。創造神の身の回りの世話をしていた精霊が守ることが出来なかった責任を感じ自分の生命の核を使ってくれと訴えた。創造神はそれには及ばぬと残った力で身の回りの世話をしていたその精霊に力を与え今度は世界を守ってくれと命じた。そして残った力で人間、エルフ、ドワーフ、獣人、魔族たちに自分を守れる力をと魔法を与えた。最後に神々にこう言い残した。この世界に名を授ける。パトリアーナと。そして創造神は永遠に目を閉じた。
世界を守れと命じられた神は五体の龍を作り今も巨人から世界を守り続けている。
パトリアーナ創世神話 逆霧@ファンタジア文庫よりデビュー @caries9184
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます