第一章 これくらいは変態じゃない……よね?④
(
明日でゴールデンウィークも終わり。今日は我が家の庭でバーベキューだ。
みんなでお肉や野菜を焼いて、休みの間の
そう言えば、子どもの時に
いや、ふつーわかんないって。
そんな感じで盛り上がってお
この年になってまで、相手して欲しいとは思わないからいいけどね。
すっかり出来上がったお父さんとおじさんは、飛行機の話をし始めた。めっさーしゅみっととすぴっとふぁいあ? よくわかんないけど、そのどちらが強いとかそんな話をしている。男は何歳になっても結局子どもなんだと、この二人を見ているとよくわかる。
お母さんとおばさんは、個室の
この四人は今まで他人だった。それなのに、家が
そういう
デートの時、飲み物を家から持って来たって言って出したのが、お
「
うちのお父さんが
つまり、
……でも、大本の
「僕はP−51マスタングを
「おい、
おじさんに火が付いた。おじさんは
おじさん、
あと……頭でっかちには
「メッサーが
「いやいや。言わせてもらいますけど、
ああ、完全に巻き込まれたな。と言うか、巻き込まれに行ったな。
わたしには見える。
これから数時間にわたって、男たちの
やっぱり、子どもだ。バーベキューとかキャンプをやるといつもこう。何度見たことか。
男はいつだって女に
「始まったね」
「あれは
「ひとしきり満足したら、今度は
「あー、なるね。
「
「ま、あいつはああいうのも楽しむタイプだからいいんじゃない?」
「お姉ちゃんってさ」
「ん?」
「
ゆらゆら
数日前、
家族で出かけたことと今日のバーベキュー以外、毎年のことながら
知らないけれど、うまくやっているならそれでいいし、無理に知りたいとも思わない。
ああ、
ううん、それは
なんて言うか、安心したのは確かだけどちょっと
あー、何だかもうよくわかんないけど、とにかくこれでいいんだ。
あの日、わたしはちゃんと
ゴールデンウィーク二日目のこと。
なんだけど、部屋に入ってまだ
わたしは
今だって
かすかに開いた口から
もう無理っ。どんな
好きな人が目の前で
この間まで、手を
あ────、もうっ。
そう言い聞かせるのに、夢想が止まらない。息苦しくなって起きた時、わたしの顔が目の前にあったら
そんなこと──もしそう思ってくれるならめっちゃ
決心が、
まだまだやりたいこといっぱいあったもん。
ほら、早く起きろ。キスしちゃうぞ。わたしだって
って、さすがにキスは無理。できない。できるわけない。したいけど。
だったらせめて──
ああ、この
いつまでもこうしていたい。
しっかし、マジで起きないな。
わたしは
ベッドの
ひとつだけ、白状する。
一応言っておくが、わたしは変態じゃない。
これくらいは変態じゃない……よね?
はぁ。やっぱり、別れたくなかったな。でもああするしかなかったし、そうでもしなきゃ
少しくらい
──んっ……って、バカバカ。わたしったら、何してんのっ。
いや、してない。うん、まだしてないから。
わたしは
あっぶない。あんなとこ見られたら家出するしかなくなるっ!
ちょっ、正面はやだ。目見れない。てか、こっち見んな。
気付いてない。気付いてないよね? セーフ? てか、セーフも何も、別にしてないし。
「居たよ。わたしが来たら、おばさんが『
おばさんの
「その
「うちらの親にはそんな考え無いでしょ。何、ちょっとは意識しちゃう?」
わたしは強がって
とか言いながら、そもそも
てか、
それでも、付き合ってる時、
そう思い始めたら、どんどん
だから、わたしは決めた。
そんなことが
「ねーよ。
「何そのつまんない反応。ま、いいや。えっと、本題なんだけど──
「忘れるわけないだろ……。そんな
「どこまで……? 全部本気だよ。
「朝っぱらから人のことバカ呼ばわりすんじゃねぇよ。ったく、
「そんなことわかってるよっ。いきなりそんなこと言われても困るってのはわかってる。でも、
そうじゃなきゃ意味がないの。わかってよバカ。言いたくないけど、
その言葉を聞いて、
「だからって……そんなこと言われても……」
「
そこまで言う必要はない。それはわたしが関知することじゃない。
「……そんなにすぐ気持ちを
「
「もちろん」
力強く言われて、わかっていても、ちょっとだけ複雑な気分になる。
「だったらいいじゃん」
「よくねぇよっ。おまえなぁ、そーやって簡単に言うけど、そんなに単純な話じゃないことくらい分かるだろ? 大体……僕はまだ
「──やめて! それ以上言わないで! 何を言われたってヨリは
わたしは思わず
でも……待って……わたしのこと何? その続きは? 好き? 好きでいいの?
ホントに未練感じてくれてるの?
それって、
ああ、つい勢いで
って、そんなことあるわけないよね。うん、そうだよね? それはさすがに、ね。
もし未練を感じてくれていたとしても、
「それで本当に
「……うん」
「僕と別れた理由ってつまり……いや、いい」
多分、
そんなズルをした自分が許せない。だから別れたの。これは自分の
そして、
私は
「考えとく」
「それじゃダメ」
「……おまえなぁ、どんだけ自分勝手──」
もうっ、これじゃ
「って……おいっ、何して……っ」
わたしはベッドから立ち上がり、
付き合っていた時、よくこうやって
もちろん、今はしない。
「お願い。多分、こんなお願いするのは最後だから……ね」
久しぶりに
「わかったから、まずは
「ああ。僕の負けだ。だから
わたしは
スカートの
「ただ、
ほんのり
「
「僕より成績悪い
「テストの点数で頭の良さがすべて決まるなんて
「そんなの
「べらべらうるさいっ。大体それを言い出したら、わたしだって
「だったら、
「はぁ。そんなの
「公園でって、まんま
「わたしの時はコンビニの帰りだったけど、別に悪くなかったでしょ?」
ちょっと大人ぶってアドバイスしたけど……ガッチガチでしたっ!
事前に用意した言葉もどこかに行っちゃって、めっちゃ適当な告白しましたっ!
二度と告白なんてしたくない。思い出すだけでも
「……まぁ」
だーかーらー、
そういうとこは付き合ってる時から
「ベタでいいんだよ。男はすぐサプライズとか意外性とか求めたがるけど、
「分かりましたよ……あっ、もしかして今のは
「うるさいっ! わかったらとっととライン送れっ!」
これでいいんだ。わたしは
ねぇ、
とても楽しくて、しょっちゅう失敗したけど、わたしにとっては夢のような日々だった。
なのに、苦しかったんだ。ううん、段々と苦しくなってきた。
デートから
わたしの中に居たのは
決まって、
わたし、もう一度、
やっぱり
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