第7話「九州営業部」
私は九州の「温か保険の第三営業部」に向かった。
「ここか~。随分立派なビルね。でも、私に第三営業部のリーダーなんてつとまるのかな?」
竹田京子は、会社の中でも一番営業成績の悪い部署のリーダーに抜擢されたのだ。
「顧客獲得のノウハウを教えてやってくれ、九州第三営業部の成績を伸ばしてくれ」
と社長に頼まれたけど。自信ないなー。
竹田はそんな事を考えながら九州の第三営業部に
入って行った。
「今日から九州第三営業部に配属された。
竹田京子です。リーダーなんてはじめてなので、何か変だと感じましたら、どんどん教えてください。私は皆さんに教えてもらいながら仕事をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。」
竹田の挨拶が終わると
会議をして、「何で成績が延びないのか?新規獲得するにはどうしたらいいか?」を話し合った。
だが、女性の上司と言って馬鹿にする部下が多く
悩んでいた竹田は毎晩飲み歩いていた。
「どうしたらみんなと仲良く仕事できるかしら?」
そんな事を考えながら仕事帰りにふらふらとまた一軒の飲食店に入って行った。
「あれ?このお店「夕暮れ」」
「東京の第三営業部の近くにあった、喫茶店と同じ名前。懐かしいな~。これも何かの縁ね。
どんなお店かな?入ってみよう。」
その時、入口で誰かにぶつかった。
「済みません、お怪我はありませんか?」
そう聞くと
「こちらこそ済みませんー。あれ?竹田京子じゃないか?何で竹田がいるんだ?お前何やらかしたんだよ?クビか?」
そう言ったのは田舎に帰った「森 友希」だった。
「先輩❗」竹田は驚いた。
「こんなところで先輩に会えるなんて。」
「先輩、相変わらずですね。
違いますよ。九州の支社の第三営業部のリーダーに抜擢されたんですよー。」
「えっ?お前がリーダー?大丈夫か?お前の会社?」
「先輩それが大丈夫じゃないんですよー。先輩どうしたらいいですかー?」
「しょうがないなー。話聞くよ。俺今一人で飲みに来てるし」
竹田は部下に舐められてる事を全て話した。
森は真剣に竹田の話を聞いた。
森は言った
「営業を指導するだけじゃなくて、お前から、手本を黙って見せるんだよ。
そしてお前が腰を低く低姿勢な態度を心がけるんだよ。お茶出しとか、片付けとかいろいろ自分から動くんだよ。
そうすれば必ず部下はついてくる」
そう話してくれた。
竹田は
「森先輩ところで今何してるんですか?
田舎の仕事って?お父様の仕事を手伝ってるって聞いていますが?」
森は言った。
「ここの近くにIT関連の大きなビルがあるだろう。」
そう言いかけた時
「森先輩そこで働いているんですか?じゃあお父様はそこの社長?」
森は
「話を最後まで聞けよ。その会社とかあっちこっちの会社にお弁当を届けている。お弁当屋だよ。
結構親父の会社はおおきいんだよ。
社員もいるからね。
俺はお弁当づくりを親父が歳だから手伝おうとしたら、人手があるから営業だってさ。」
竹田は笑った
「また営業ですか?頑張ってください。」
竹田は久しぶりに笑ったような気がした。
「山内に変わった事はなかったか?話はどこまで聞いた?」
森に聞かれ竹田は知ってることを話した。
「じゃあ凶悪犯の本当の事件の真相はまだ知らないんだな?」
竹田は頷いた。
その時
「何かまわりが騒がしくないか?何かテレビの前にみんな集まりだしたな?俺達も見に行くか。」
森が言ったので、竹田と森は、
テレビの前に移動した。
竹田はテレビを見て森にこう言った。
「あれって!あれって!東京の私が今までいた会社ですよね?あれは!山内くんですよね❓️」
「何で❓️何で❓️山内君が❓️」
テレビのアナウンサーが、話していた。
「この会社の呪いでしょうか?五年くらい前にあった事件と同じ。「山口優矢」がやった凶悪事件と全く同じ事が行われている。」
全く同じ事件。
それは想像をはるかに越えた事件だった。
これから「温か保険」の会社はどうなるんだろう?
凶悪事件ってこんな酷い事件だったなんて。
森は「山口優矢」の事件をはじめて語り出した。
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます