新入社員

ヤシテ ミカエル

第1話「出会い」

竹田京子は入社五年目だというのに、まだ後輩が入社してこないため、いつまでも雑用を引き受ける社員だった。


「森先輩、私の隣の席私が入社した時からずっと空いてますよね?この忙しいのに~。社員募集しないんですかね?席も空いているのに。」


「お前、知らないのか?そうだな、五年前~。」


「その事は」

口を挟んできたのは森と同期の田中だった。


慌てた森は「あー、きっと社員募集しないのは会社に余裕がないからじゃないか?意外とギリギリの経営だったりして。」


竹田京子は明らかに焦っている森を不思議そうな顔で見ていた。


森は「あっ俺コビーの準備しておかないと」

慌てて森はその場から立ち去った。


そこへ、社長がいきなり入って来た。

社長は言った。

「みんな話がある聞いてくれ、朝礼の時じゃなくて済まないな。実は五年ぶりにフレッシュな新卒の新入社員を入社させたんだ。山内君来なさい。

山内君は、あのT大を優秀な成績で卒業したんだ。きっと会社の戦力になるだろう」


「山内悟志です。大学を卒業したばかりで、何も解りませんが、いろいろと教えてくださいよろしくお願いします。」


自己紹介が終わると

「じゃあ山内君の席は竹田さんの隣に座って、

竹田さんに色々教えてもらうんだよ。」


そう言われ山内は竹田の隣の席に座った。

「今日から宜しくね。」竹田京子はやっと後輩ができたので嬉しくてたまらなかった。


ところが

森と他の社員は言った。

「社長まだ五年しかたっていませんよ。

この席は、何かあったら?」


社長は「もう五年だ。大丈夫だ。」そう言って社員を納得させていた。


竹田は社内のざわめきが気になっていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る