春茶さんの小説をリスペクトして書いちゃった

キョロスケ

ネットの糸

私はさや、漢字で沙耶と書く。中学校を卒業したばかりでやっとスマホを買ってもらった。

私は親と春休み中のスマホの利用時間は1日3時間と約束をしたが手に入れたばかりのスマホの誘惑は何よりも勝っていた。案の定私はスマホの誘惑に負けてしまい、スマホを肌に離さず持ち歩いていた。でも私は詐欺などのサイトにアクセスしたりはしない。私はSNSにハマってしまった。SNSには世界の人々や共通の趣味の人と繋がれるという魅力がある。私は自分の近況を呟いたり共通の趣味を持っている人と繋がれるアプリを入れた。設定画面を開くと、まず名前を入力しなければならなかった。私は軽い気持ちで、いや、名前を決めれなかったから推しのアーティストの名前をそのまま使った。

アカウントを作成し終わってアプリが利用できるようになると、すぐに他の人からフォローされた。フォローしてくれたのは凛と言うニックネームの人らしい。私はなぜ設定を終えたばかりのアカウントをフォローするのか分からなかった。なので私はダイレクトメーセージという個人でメーセージのやり取りができるツールをつかって凛になんでか聞いた。普通ならいちいち聞かないが今回は気になったのだ。

「凛さんフォローありがとうございます、なんでフォローしてくれたんですか?」私が送信すると、


「私も同じアーティストが好きなんです」そう返信してくれた。私は同じ趣味の人と繋がれて嬉しかった。

私と凛はそれからずっと話をした。使ってるアプリのことや好きなアーティストの曲のことなど話し足りないくらい話した。凛は私にアーティストと同じニックネームにするとフォロワー稼ぎの詐欺と疑われると教えてもらったのでニックネームを「青」に改名した。ちなみに青した理由は好きなアーティストが歌った曲だからだ。私がニックネームを変えてからはフォローしてくれる人が断然に減った。フォローしてくれた人は皆好きなアーティストのアカウントだと勘違いしてフォローしたんだと思う。私は詐欺をしたらしい。自覚は全くない。気づかないうちに詐欺をしてしまった。

なので私はアプリをログアウトした。ダイレクトメーセージからはなりすましはやめろや罵詈雑言などを送られてきた。正直いい気にはならなかったが自分が悪いんだと反省した。


あれから2年が経ったが今の私は後悔していない。凛とは今でも仲良くできたからプラスだと考えてる。それに今の私はなぜか清々しい。

イヤホンを耳にさし、今日も私は電車に揺られながら好きなアーティストの曲を聴いている。


今日の天気は「青」だ。


[完]

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