詩集「ゆらぎ・群像」

維酉

ゆらぎ

暮らし

みぎ肩と

ひだり肩の

高さが 微妙にちがう

朝の鏡に映るわたしが

すこし くすんで見える


冬は寂しくて

翳のさすひとみの奥に

どこか他人のような感じを覚える

これはわたしではない

と 思わないこともない

朝はゆううつになる


もう ちょっとは食べたのに

ふしぎな空腹感がある

朝はふしぎで成り立っている

それが暮らしですよ


ばらばらな生活の基盤を

まだ大切にのこしているだけ

みぎ肩と

ひだり肩は

きっといつまでも釣り合わない

ひとみの翳は消えない

ひとつも途絶えることはない


暮らしは連続する

ひっそりと佇むことに

まどろみと不安を覚える

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