第3話
さて、学校ではいろいろあったが僕は今近所のスーパーにきている。ただ忘れていただけなのだが冷蔵庫が空だったのだ。別に僕は大食漢という訳ではなく寧ろ凄い少食だ。
朝は食べないし昼は基本飲む栄養ゼリーみたいな物ですませるし夜はなるべくちゃんと食べる様にするが、その時々で変わり酷い時はカロリーメイトで済ませてしまう。
だが栄養ゼリーなどで全て賄える訳ではない。ちゃんと食べる事で様々な栄養を取り込まなければ体調を崩してしまう。1人暮らしの身としてはそれは避けたい。
お金には特には困らない、だからといって無駄遣いしていい訳でもないししたく無い。その思いを胸に戦乱のタイムセールに飛び込んだ。
何とか卵などのセール中食材や念の為の来客用の茶菓子などを買いスーパーを後にする。
毎回思うのだが主婦の皆さん強すぎない?セール後はいつも疲労困憊なんだが。
そんなことを考えながら帰路にある見晴らしのいい公園前を通りかかるとブランコの前で幼稚園生くらいの女の子が1人で泣いていた。
どうした物かと思うが孤児院をしていた身としては放っておきたくはないので声を掛ける。
「こんな所で泣いてるけどどうしたの?」
「ブランコに乗ってたらね、滑って落ちちゃったの、足も痛くてたてないよぉ」
これは…落ちた際に足を挫いたっぽいなぁ
「お家はこの辺りの近く?」
「うん、すぐ近く」
「じゃあ僕が送ってってあげるよ」
「ホント!ありがとう‼︎お兄ちゃん」
昔からそうだけど小さ子の庇護欲には本当敵わないなぁ。(ロリコンではない)
名前は
「ついたー。ここだよ」
「よし。誰か家の人はいる?」
「お父さんとお母さんは仕事。お姉ちゃんは多分お買い物」
「そうか、じゃあ足の手当てだけさせてもらうが、お邪魔してもいいか?」
「でもお姉ちゃんが知らない人は入れちゃダメだって言ってた」
「僕は鷹宮 辰巳 星蘭高校って所に通ってる。これでもう知らない人じゃないだろ?」
「せいらん?お姉ちゃんと同じだ!」
うわっ、まじか。これはさっさと済ませて撤退した方が良さそう。とゆうか今の一連の流れまるで誘拐犯みたいな感じがするなぁ。
僕の学校での評判は余り良くないしお姉ちゃんて人が来る前に早くやろう。
よし。とりあえず足には氷袋を布で包んであて、手も少し擦り傷があったので消毒して絆創膏はったから大丈夫だろう。
さて、鉢合わせる前に帰ろうと思ったら玄関の方から声が聞こえてきた。
「ただいま〜香澄。誰か来てるの…た、鷹宮⁉︎」
本日二度目の鈴宮さんが登場。同じ高校どころかクラスメイトでした。なんか、表しづらいけど気まずい気持ちだなぁ。
「なんで鷹宮が家に!てか香澄!その足と手どうしたの⁉︎」
「あぁー、その、一応消毒とか一通りしといたから、じゃあそうゆうことで」
「お兄ちゃんもう帰っちゃうの?」
「待って。香澄のお礼もしたいから、夕飯食べていってよ。御馳走するから」
「えっ?い、いや大丈夫だ。気持だけでいっぱいだから」
「お礼なんだから気にしなくてもいいわよ。それに香澄もこういってるし」
「シスコンかよ」
ボソッとつい出てしまったがギンッと聞こえそうなぐらい鋭い眼光がかえってきた。
「何か、言った?」
「な、なんでもない」
「じゃあ決まりね!」
怖ぇ。お礼参りとかじゃないよね?
「じゃあすぐご飯作っちゃうから待ってて!」
返事をする前に鈴宮さんは台所にいってしまった。仕方ない、諦めて御馳走になるとしよう。あんまり断っても相手に失礼だろうし。
まさかクラスメイトの女子の家で手料理の夕飯を御馳走になるなんてこれがいわゆるリア充という奴だろうか…
香澄ちゃんとオセロしながら待っていると、台所からいい匂いが漂ってきた。
「もうすぐできるから手洗ってきてー」
「「はーい」」
「鈴宮さん、配膳とか手伝うぞ」
「ありがとう、じゃあお皿とか用意してて」
鈴宮さんに皿やスプーンの場所なども聞きながら食器を準備し終えるとまもなくカレーができたようだ。
鈴宮さんが続いてサラダを作ってるあいだに3人分のカレーを皿に盛りテーブルにセッティング。間もなくサラダも完成し、3人で卓につく。
めちゃめちゃカレーが美味しかったです。特に一緒に入ってたハンバーグがなんか暖かみの様な物を感じ大変御馳走になりました。
ちなみに食事中は香澄ちゃんの今日の出来事ダイジェストでした。鈴宮さんはずっと優しい顔で聞いていて、僕は、ヘェ〜とかそうか、しか言ってなかった。
「じゃあ僕はそろそろ帰るよ」
鈴宮さんと洗い物を済ませ帰宅宣言をする。
「あっ、鷹宮今日の事なんだけど」
「大丈夫。別に言いふらしたりしないよ、というか話す相手いない」
「ちょっと!そういう事言わなでよ!こっちまで悲しくなるでしょ!………でも、ありがとう」
「あ、ああじゃあな」
「待って、一つ気になったんだけどさん付けで呼んだりするけど所々言葉砕けてるけどもしかして気を使ってる?」
「ああ、さん付けは癖だけど普段から喋り慣れて無くて自然と砕けていってしまうんだ」
「そうなんだ。なら私といる時はもっと砕けて気を使わなくていいから。また明日学校でね。」
「お兄ちゃん!今日はありがとう!バイバイ‼︎」
「こちらこそ御馳走様でした。香澄ちゃんバイバイ!」
今日は鈴宮さんの以外な一面が見れたな。にしてもあのカレー、ハンバーグ美味しかったなぁ、機会があればまた食べたいと思う程だったな。
しかし、何か忘れてる気がするが、まぁ、いいか。
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