三月十四日 ホワイトデー

 二月十四日のバレンタインデーにチョコレートをもらった男性が、女性にその返礼として製菓などを渡す日として定着した日本独自の季節イベント。

 近年では東アジアを中心にじわじわ広まっているようで、中国語ではホワイトデーを「白色情人節」と表記するらしい(字面の圧が凄い)


 日本発祥なのでバレンタインと違って宗教色は一切ない。

 由来も諸説あるが、基本的には「貰ったら何かしらお礼をする」という返礼文化と経済活動がタッグを組んだという印象だ。


 昭和四十八年(一九七三年)に、不二家とエイワが共同でバレンタインのお返しにマシュマロキャンペーンを打ち出した説。


 昭和五十三年(一九七八年)に、福岡の老舗菓子屋が同じくお返しにマシュマロを贈ろう広告を打った説。


 昭和五十五年(一九八〇年)に、全国飴菓子工業協同組合が大手デパートとタッグを組んでお返しにキャンディを贈ろうと販促を行った説。


 いずれも「うちの所うっとこが元祖だす」と主張しているそうだが、とりあえず「お返し文化」が商売っ気を全開にしているのがよく分かる。

 最近はお菓子に限らず、返礼は様々な変化球を繰り出してきているようだ。


 とりあえず「ホワイト」のイメージに掛けているのか、「ホワイトデーに白米を贈ろう」とか「白梅(盆栽)を贈ろう」といったぶっ込みをかけてくる商魂逞しい企業もあれば、個人レベルでは日用必需品にリボンをかけてお返しとするカジュアルながら実用的なギフトがウケたりしているそうだ。

 二〇二二年のお返し人気ランキングでは、

 一位(多分お高い)チョコレート。

 二位(多分お高い)クッキー詰め合わせ。

 三位マカロン。

 四位(有名ブランドの)ハンドクリーム。

 五位マグカップ。

 六位(オシャンティーな)入浴剤などと続き、ポーチやハンドミラーなんかもトップテンにランクインしている。

 そこはかとないステルスマーケティングが香るが、お返し何していいか分からんという諸兄におかれては、さらっと参考程度にいかがだろうか。

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