三月五日 啓蟄(けいちつ)
雨水から数えて十五日程度過ぎたあたり、日に日に春めき、気温が少しずつ高くなると土の中で冬籠りしていた「虫」がそぞろ出てくる頃。
古来より小さな生物を「虫」と呼んできたわけだが、これは昆虫のみならずカエルやヘビなども含んでの表現とされている。
季節の変わり目を示す言葉だ。
「太陽黄経が三四五度になるとき」と定められているから、年度によって多少日付は前後する。
桃や菜の花が生き生きと花開き、無事に越冬したサナギの羽化がぼちぼち始まる頃。例年、樹木に巻きつけた菰を外すのもこの時期だ。
八百屋やスーパーの食材コーナーにも、わらびやかたばみといった春の山菜が並び始め、住宅街ではカワラヒワが群れで飛び回る季節。
実際には、まだまだ朝晩の寒暖差が大きく体調管理も油断できない時期が続くが、春は確実にもうそこまでやって来ている——そんな時節である。
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