七月二十三日 日光東照宮が国宝になった日

 現在は世界遺産にも登録されている日光東照宮。栃木県日光市に鎮座する家康公を主祭神として祀る神社であり全国の東照宮の総本社という立ち位置だ。


 壮麗な社殿は観光客の目を大いに楽しませるが、こんにち目にしているこれら建造物は寛永十三年(一六三六年)三代目将軍家光の時代に建て替えられたものとされている。

 俗に、「寛永の大造替だいぞうたい」と呼ばれている。


 このうち、国宝に指定されているのは八棟、重要文化財には三十四棟指定されている。


「え、日光東照宮って一つの大きい建物じゃないの?」


 実は東照宮は国宝、重要文化財合わせて五十五棟で構成されている。

 さらには世界遺産としては日光山輪王寺および日光二荒山神社を含める一〇三棟の大建造物群である。

 五・八ヘクタールの敷地面積と周りの緩衝地帯三二三・二ヘクタールをあわせ持つ、とてつもなく広大な土地を有しているのだ。


 おそらく多くの人が思い浮かべる色彩豊かな彫刻と装飾を施された建物は国宝に指定されている八棟の一つ、幅七メートル、奥行き四・四メートル、高さ十一・一メートルの陽明門である。(広大な敷地を考えると、極小ともいうべき慎ましい大きさだ)


 平安京大内裏に誂えられていた門の一つから名前をとったとされていて、京都の人が「ほれ、みなはれ」と鼻高々する由来があったりなかったりする。


 ちなみに、東照宮が国宝に指定されたのは終戦翌年、昭和二十一年(一九四六年)七月二十三日のことである。

 当然、戦後初の国宝指定と相なった。(むしろ、それまで国宝でなかったことに驚く)

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