五月三十一日 世界禁煙デー

 かつてコロンブスがアメリカ大陸より持ち帰ったことで、ヨーロッパで大流行したタバコ。日本へは鉄砲と共にポルトガルからやってきた。


 WHO(世界保健機構)によって昭和六十二年(一九八七年)に決議され、平成元年(一九八九年)五月三十一日から「世界禁煙デー」は施行されている。


 かつて往年の名作映画では、男女とも紫煙を燻らせる描写がかっこいいと持て囃されたものだが、深刻な健康被害を理由に禁煙が推奨されるようになったのは、一九三〇年代に入ってからだという。

 肺がんをはじめとする癌患者が急増し、因果関係を調べた結果、どうやらヘビースモークあかんということになった。

 副流煙もあかん。

 未成年が喫煙——しばかれたいんか? という風潮とともに、禁煙デーが施行されて以降、欧米をはじめ世界が禁煙政策に舵を切ることになる。


 その流れを受けて平成十五年(二〇〇三年)にはWHO総会にて「たばこ規制枠組条約」が新たに採択された。平たく叩いてギュッとたたむと「タバコは百害あって一利なし」ということを全十六条に渡って述べている規制条約である。

 水タバコならいいの?

 電子タバコは?


 もちろん、紙タバコよりいくばくかはマシだろう。けれど、冷静になって考えてみた時に、ふと思うわけだ。

 キャンプ時の焚き火や燻製物の煙など、人間はそもそも煙を吸うと自然と咽せる生き物だ。前提として、肺に煙(有毒か否かはさておき)を入れる行為自体が、機能的によろしくないんじゃなかろうか、と。

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