五月十二日 ナイチンゲールの誕生日

 文政三年(一八二〇年)五月十二日。この日、北イタリア・フィレンツェ(当時はトスカーナ大公国)を観光中であった、とあるイギリス人夫妻の間に女の子が誕生した。

 フィレンツェ生まれの彼女は、そのままフローレンス(英語読み)と名付けられた。のちの「クリミアの天使」である。


 フローレンスが三十路みそじを過ぎた頃、黒海に面したクリミア半島で戦争が勃発する。


 英仏トルコ+北イタリア VS ロシア時々ブルガリア戦。


 戦火はクリミア半島に留まらず、ドナウ川からカムチャッカ半島にまで及ぶ、近代史上稀に見る大規模戦争となった。

 北米カナダで「最近、ヨーロッパから人来ないねえ。何してんだろう?」と言っていた頃、ヨーロッパでは、こんなことばっかりしていたのである。(フランスと北イタリアは、この後 VS オーストリア戦をおっ始めている)


「クリミアの戦線、兵隊さんらがエライことになってるらしいで」


 そんな世論が沸騰し、フローレンスは看護師として従軍の決意を固めたと言われている。彼女の功績は後世に記されているとおりだ。

 そして百年後の大正九年(一九二〇年)、フローレンスの誕生日は「ナイチンゲールデー」として赤十字社によって制定され、今日に至るというわけだ。

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