四月二十七日 哲学の日(ソクラテスの命日)

 古代ギリシャを代表する哲学者、ソクラテス。

 哲学の何たるかは分からなくとも、彼の名前は世界中にとどろいている。


 彼が精神世界にのめり込んでいくきっかけとなったのが、神託であったという。

 曰く、「無知を自覚する者は即ち賢者である」という内容で、驚いたソクラテスは、当時、賢者と名の通った幾多の著名人との問答を通じて、次々とそれを証明し、彼らの無知である無自覚を嘆いたという。


 コンテンパンにしてやられる賢者たちを若者が面白がり、ソクラテス本人もいつしか調子に乗ってしまった。

 結果、彼は多くの権力者を敵に回し、大衆が不当と思う裁判にかけられ死刑囚となった。

 同情した友人たちや支援者は、ソクラテスを亡命させようと働きかけたそうだが、彼は「悪法も法のうちである」とかたくなに拒んだという。


 紀元前三九九年、四月二十七日。

 この日、ソクラテスは友人との最後の問答を終えると、自ら毒を煽り、己の信念に殉じた。

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