四月七日 プリン体と戦う記念日

 その日、国会肝臓前に現れた抗議団プリン体の横断幕には、こう記されていた。

「プリン体差別反対! 政府カラダには正しい認識を求む」


 さて、多くの人が目の敵にしているプリン体。

 実は、その八割に及ぶ量が体内で生成されていることをご存知だろうか。代謝や細胞分裂を促す作用に、プリン体は使われている。


 つまり、生命維持に欠かせない成分なのである。


 しかし、体内で生成、そして体外から摂取される全てのプリン体が健全に消費されるサラリーマンしているわけではない。社会組織の片隅であぶれたそれらアウトローな連中は、尿酸となって体外に排出問題を起こすと逮捕される仕組みだが、この尿酸が増えるのがよろしくない、ということだ。


 増えすぎた尿酸これらレジスタンスは、群れることで政府カラダの破壊工作を行う。それが世間一般でいう尿酸値の上昇クーデターやそれに伴う疾患テロリズム——痛風や高尿酸血症などを引き起こす。


 さて、皆さんの政府カラダは健全に作用しているだろうか? 私は思うところがあるので、まず体内おのれ正常化国政改革に努めたいと思う。

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