四月三日 いんげん豆の日

 むかーし、昔。

 アメリカ大陸ではまだ、アステカ帝国が元気だった頃。

 納税品目として持てはやされたスーパーフード、豆。


 コロンブスのおやっさんがヨーロッパに持ち帰って、それから中国を経由して、だいたい江戸時代前期くらい。

 中国(明)から、えらーいお坊さんが、世界を股にかけた『豆』を持って来日したんだそうな。

 持ち込んだ、えらーいお坊さんの名前をもらって、日本では、とりあえずインゲン豆と呼ばれるようになったそうな。


 安価で低脂肪、高蛋白タンパクの健康優良児、インゲン豆。煮ても焼いても揚げても美味しい食材だけど、加熱不足だと食中毒になるそうな。


 四月三日は、インゲン豆が持ち込まれた日じゃなくて、豆を持ち込んだえらーいお坊さんが、死んだ日なんだって。


「まさか、加熱不足の豆を食べたの?」

「さあ。それはどうだろう。でも御歳八二だったそうだから、大往生だったことに違いはない」

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